insert.txt For Vim バージョン 9.1. Last change: 2024 Oct 08
VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
Insert Insert-mode
テキストの挿入と置換 mode-ins-repl
このファイルの大部分は挿入と置換モードについて記述してある。終わりのほうにテキ
ストを挿入する別の方法を記述している。
よく使われるコマンドの概要がユーザーマニュアルの24章usr_24.txtにある。
1. 特別なキー ins-special-keys
2. もっと特別なキー ins-special-special
3. 'textwidth'と'wrapmargin'オプション ins-textwidth
4. 'expandtab'、'smarttab'それと'softtabstop'オプション ins-expandtab
5. 置換モード Replace-mode
6. 仮想置換モード Virtual-Replace-mode
7. 挿入モードの補完 ins-completion
8. 挿入モードのコマンド inserting
9. Exの挿入コマンド inserting-ex
10. ファイルを挿入する inserting-file
文字のない場所にカーソルと移動するためには 'virtualedit' も参照すること。表を
編集するときに便利である。
==============================================================================
1. 特別なキー ins-special-keys
挿入と置換モードでは、以下の文字には特別な意味がある。その他の文字はそのまま入
力される。それらの特別な文字をバッファに入力するには、CTRL-Vに続けて入力する。
<Nul>文字を入力するには "CTRL-V CTRL-@" か "CTRL-V 000" を使用する。あるシステ
ムでは、CTRL-Cを入力するのに "CTRL-V 003" を使わなければならない。Note: CTRL-V
に他の動作がマップされているときは、多くの場合、代わりにCTRL-Qを使う
i_CTRL-Q。
テキストを入力する際に特別な言語のモードを使用している場合、いつもこのモードが
ON/OFFと切り替えられてしまうのをどう避けるかを知るには 'langmap' オプション
('langmap') を参照すること。
'insertmode' を設定した場合には、<Esc>と他の幾つかのキーに別の意味が与えられ
る。'insertmode' を参照。
文字 アクション
-----------------------------------------------------------------------
i_CTRL-[ i_<Esc>
<Esc> or CTRL-[ 挿入/置換モードを終了し、ノーマルモードに戻る。短縮入力を終了
する。
Note: キーボードによっては<Esc>が押し難いかもしれないが、その
時にはCTRL-[を使うようにする。
Mac で Esc が効かないときは CTRL-<Esc> を試す。または、アクセ
シビリティ設定の音声認識を無効化する。
i_CTRL-C
CTRL-C 挿入モードを終了し、ノーマルモードに戻る。短縮入力はチェック
しない。CTRL-C で挿入モードを抜けると InsertLeave が発生しな
い。
i_CTRL-@
CTRL-@ 直前に挿入されたテキストをもう一度挿入し、挿入を終了する。
i_CTRL-A
CTRL-A 直前に挿入されたテキストをもう一度挿入する。
i_CTRL-H i_<BS> i_BS
<BS> or CTRL-H カーソルの前の文字を削除する(行同士の連結については
i_backspacing参照)。
<BS>キーが想定するように働かない場合には:fixdelを参照。
i_<Del> i_DEL
<Del> カーソルの下の文字を削除する。カーソルが行末にあり、
'backspace' オプションに "eol" が含まれている場合には、<EOL>が
削除される; 現在の行の後ろに次の行が接続される。
<Del>キーが想定するように働かない場合には:fixdelを参照。
i_CTRL-W
CTRL-W カーソルの前にある単語を削除する(行同士の連結については
i_backspacing参照)。単語の定義については "word motions" の節
word-motionsを参照。
i_CTRL-U
CTRL-U 現在の行のカーソルの前に入力された文字を全部削除する。新しく入
力した文字が無く 'backspace' が空ではない時は、カーソル前の全
ての文字を削除する。
Cソースコードのインデントが有効な場合で行が空白になるとき、イ
ンデントは調整される。
行同士の連結については i_backspacing を参照。
i_CTRL-I i_<Tab> i_Tab
<Tab> or CTRL-I タブを挿入する。'expandtab' オプションが設定されていれば、同じ
数の空白文字が挿入される(展開を避けるためにはCTRL-V <Tab>を使
う。CTRL-Vに他の動作がマップされているときはCTRL-Q <Tab>を使
うi_CTRL-Q)。'smarttab' オプションとins-expandtabも参照。
i_CTRL-J i_<NL>
<NL> or CTRL-J 新しい行を始める。
i_CTRL-M i_<CR>
<CR> or CTRL-M 新しい行を始める。
i_CTRL-K
CTRL-K {char1} [char2]
ダイグラフ(digraphs参照)を入力する。{char1}が特別なキーだっ
た場合、そのキーのコードが<>の形で挿入される。例えば、
<C-K><S-Space>(キー2つ)と入力することで、文字列 "<S-Space>" が
入力される。マッピングも考慮されない。
CTRL-N 次のキーワードを探す(i_CTRL-Nを参照)。
CTRL-P 前のキーワードを探す(i_CTRL-Pを参照)。
CTRL-R {register} i_CTRL-R
レジスタの内容を挿入する。CTRL-R をタイプしてから2つ目の文字を
タイプするまで、レジスタの名前の入力が期待されていることを示す
ため、'"'が表示される。
テキストはタイプしたかのように挿入されるが、マッピングや短縮入
力の展開はされない。'textwidth', 'formatoptions' または
'autoindent' のようなオプションが設定されている場合には、入力
されたテキストに対して効力を持つ。これは "p" コマンドやマウス
による貼り付けとは、違う動作になる。
特別なレジスタ:
'"' 最後に削除されたりヤンクされたテキストの入って
いる、名前なしレジスタ
'%' 現在のファイル名
'#' 代替バッファのファイル名
'*' クリップボードの内容 (X11: プライマリセレク
ション)
'+' クリップボードの内容
'/' 最後に検索を行ったパターン
':' 最後に実行したコマンドライン
'.' 最後に挿入したテキスト
i_CTRL-R_-
'-' 最後に削除した小さい (行単位以下の) レジスタ。
これは、挿入するリテラルテキストの代わりに貼り
付けるレジスタを記憶しているので、. を使って
繰り返すことができる。
i_CTRL-R_=
'=' 式評価レジスタ: 式評価の入力を求められる
(expression参照)。
Note 0x80 (10進数で 128) は特殊なキーのために
使われる。例えば、次のコマンドでカーソルを上に
移動できる:
CTRL-R ="\<Up>"
文字をそのまま挿入するには CTRL-R CTRL-R を使
うこと。
結果が List のときは各要素を行として挿入する。
要素の中に改行文字があってもよい。
結果が浮動小数点数のときは自動的に文字列に変換
される。
append() や setline() が使われると undo シーケ
ンスが分割される。
レジスタについてはregistersを参照。
CTRL-R CTRL-R {register} i_CTRL-R_CTRL-R
レジスタの内容を挿入する。CTRL-R が1つの時と同様に働くが、タイ
プされたようにではなく、テキストは文字通りに挿入される。これは
レジスタに<BS>のような文字が含まれていた場合に違いを生じる。例
えば "ab^Hc" という内容のレジスタaがあった場合:
これらのオプションを無効にするには CTRL-R CTRL-O を使用する。
以下参照。
'.' レジスタ(最後に挿入されたテキスト)は、タイプされたように挿
入される。
このコマンドの後、'.' レジスタにはレジスタからタイプされたかの
ように挿入されたテキストが含まれる。
CTRL-R CTRL-O {register} i_CTRL-R_CTRL-O
レジスタの内容が文字通り挿入され、自動インデントも行われない。
マウスによる貼り付け <MiddleMouse> と同様である。レジスタが
linewise の時は、テキストを P と同様に現在行の上に挿入する。
'.' レジスタ(最後に挿入されたテキスト)は、タイプされたように挿
入される。
このコマンドの後、'.' レジスタにはテキストではなく打たれたコマ
ンドが含まれる。すなわち、レジスタからのテキストではなく、リテ
ラルの "^R^O" である。
Replace-mode では文字を置換しない!
CTRL-R CTRL-P {register} i_CTRL-R_CTRL-P
レジスタの内容が文字通りに挿入され、インデントが
[<MiddleMouse> 同様に修正される。
'.' レジスタ(最後に挿入されたテキスト)は、タイプされたように挿
入される。
このコマンドの後、'.' レジスタにはテキストではなく打たれたコマ
ンドが含まれる。すなわち、レジスタからのテキストではなく、リテ
ラルの "^R^P" である。
Replace-mode では文字を置換しない!
i_CTRL-T
CTRL-T 現在の行の先頭にshiftwidth 1単位分の字下げを挿入する。字下げ幅
は 'shiftwidth' に丸められる(これはviと同じ)。
i_CTRL-D
CTRL-D 現在の行の先頭の字下げを、shiftwidth 1単位分削除する。字下げ幅
は 'shiftwidth' に丸められる(これはviと同じ)。
i_0_CTRL-D
0 CTRL-D 現在行の字下げを完全に削除する。
i_^_CTRL-D
^ CTRL-D 現在行の字下げを完全に削除する。次の行では字下げは元に戻され
る。これはラベルを入力する際に役に立つ。
i_CTRL-V
CTRL-V 続く非数字文字を文字通りに挿入する。特別なキーはターミナルコー
ドが挿入される。10進数、8進数、16進数、の数字で文字コードを直
接指定することもできるi_CTRL-V_digit。CTRL-Vの後の入力には
マップは適用されない。
Note: CTRL-Vに他の動作がマップされているとき(例えばテキストを
ペーストするなど)、その場合には代わりにCTRL-Qを使用する
i_CTRL-Q。
modifyOtherKeys が有効化されているときは、特別なエスケープ
シーケンスは modifyOtherKeys が無いときの文字に逆変換される。
ただし、Shift キーも押されているときを除く。
i_CTRL-Q
CTRL-Q CTRL-Vと同じ。
Note: ある種のターミナルではCTRL-Qを使用できない。GUIでは使え
る。
CTRL-SHIFT-V i_CTRL-SHIFT-V i_CTRL-SHIFT-Q
CTRL-SHIFT-Q modifyOtherKeys が有効でなければ CTRL-V とちょうど同じように
動く。そうでなければ修飾子付きのキーに対応するエスケープシーケ
ンスを挿入する。
CTRL-X CTRL-Xモードに入る。これは単語の補完やウィンドウスクロールのコ
マンドを入力する、サブモードである。i_CTRL-Xと
ins-completionを参照。
i_CTRL-E
CTRL-E カーソルの下の行の同じ位置の文字を挿入。
i_CTRL-Y
CTRL-Y カーソルの上の行の同じ位置の文字を挿入。
'textwidth' はCTRL-EとCTRL-Yには、長い行から文字をコピーするこ
とを可能にするために、効力を発揮しないことに注意。
i_CTRL-_
CTRL-_ 次に示すように言語を切り替える:
- 右→左ウィンドウでは、revinsとnohkmapに切り替えられ、この場
合英語を挿入できるようになる。
- 右→左ウィンドウ以外ではrevinsとhkmapに切り替えられ、この場
合ヘブライ語を挿入できるようになる。
CTRL-_はカーソルをタイプ済みテキストの末尾に移動させる。
このコマンドは 'allowrevins' オプションが設定されている時のみ
有効。
右→左モードについての詳しい情報はrileft.txtを参照。
+rightleft機能を有効(にしてコンパイルした時にだけ使用可能。
i_CTRL-^
CTRL-^ 入力言語を切替える。
言語マッピング:lmapが定義されているとき:
'iminsert' が1(言語マッピングが使われている)なら0(言語マッ
ピングを使わない)になる。
'iminsert' が他の値なら1になる。したがって言語マッピングが
有効になる。
言語マッピングが定義されていないとき:
'iminsert' が2(インプットメソッドが使われている)なら0(イン
プットメソッドを使わない)になる。
'iminsert' がその他の値なら2になる。したがってインプットメ
ソッドが有効になる。
'iminsert' を1にすると "b:keymap_name" の値、または 'keymap'
オプションか "<lang>" がステータスラインに表示される。
言語マッピングは通常はキーボードにない文字を打つのに使われる。
これらの値を設定するために 'keymap' オプションを使える。
i_CTRL-]
CTRL-] 文字を入れることなく、短縮入力をトリガーする。
i_<Insert>
<Insert> 挿入と置換モードを交互に切り替える。
-----------------------------------------------------------------------
i_backspacing
<BS>、CTRL-WそしてCTRL-Uの効果は 'backspace' オプションに依存している('revins'
が設定されていなければ)。これは下記の項目をコンマで区切ったリストになっている:
項目 アクション
indent 字下げをバックスペースで消去可能
eol 行末をバックスペースで消去可能(行を連結)
start 挿入の開始点を超えてバックスペースで消去可能; CTRL-WとCTRL-Uは一度
スタート地点で停止する。
'backspace' が空の時、Vi互換のバックスペースが使用される。自動字下げや、第1カ
ラムの前、そして挿入の開始点を超えてのバックスペースはできない。
下位互換性のために、値として "0"、"1"、"2" そして "3" を使用することもできる。
'backspace' 参照。
'backspace' オプションが "eol" を含まれている時に、カーソルが第1カラムにあり、
3つのキーのうちどれかが押されると、現在の行が1行前の行に連結される。これはカー
ソルの前にある<EOL>を事実上消している。
i_CTRL-V_digit
CTRL-Vに続けて、10進数、8進数、16進数のどれかで文字コードを直接入力することが
できる。この方法で改行 (<NL>, 数値 10) 以外のどんな文字でも入力することができ
る。文字コードを入力するには5つの方法がある。
最初の文字 モード 最大文字数 最大値
(なし) 10進数 3 255
o か O 8進数 3 377 (255)
x か X 16進数 2 ff (255)
u 16進数 4 ffff (65535)
U 16進数 8 7fffffff (2147483647)
入力できる文字数の最大まで入力すると、例えば<C-V>032と入力した場合にはスペー
ス(値32)が入る。一番上の桁のゼロは省略することができる。その場合には数値を入
力した後に入力する文字は数字以外でなければならない。これは他のモードでも同じ
である。モード中で無効な文字を入力した場合には、それ以前に入力されたものが使
われ無効な文字は通常の入力として扱われる。
値10を入力すると、それは0になってしまう。数値10は<NL>であり、内部で<Nul>文字
を表すのに使われている。バッファをファイルに書き出すときに<NL>は<Nul>に変換
される。<NL>は各行末に出力されるので、<NL>をファイルに書きたければ改行するこ
と。
'fileformat' も参照。
i_CTRL-X insert_expand
CTRL-Xを押すと、幾つかのコマンドを使用することができる、サブモードに入る。これ
らのコマンドの多くはキーワードの補完である; ins-completion参照。
次の2つのコマンドは、挿入モードを抜けることなくウィンドウを上下にスクロールさ
せることができる:
i_CTRL-X_CTRL-E
CTRL-X CTRL-E ウィンドウを1行上にスクロール。
補完途中での機能については complete_CTRL-E を参照。
i_CTRL-X_CTRL-Y
CTRL-X CTRL-Y ウィンドウを1行下にスクロール。
補完途中での機能については complete_CTRL-Y を参照。
CTRL-Xを押した後にCTRL-E(もしくはCTRL-Y)を押すと、現在のファイル内でカーソルを
現在の位置から動かすことなく、ウィンドウが1行上(下)にスクロールする。関係ない
キーが押されると、すぐにCTRL-Xモードは終了し、そのキーが挿入モードで押されたも
のとして解釈される。
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2. もっと特別なキー ins-special-special
下のキーは特別である。これらは現在の挿入を中断し、何かを行い、そして挿入を再開
する。これは挿入モードを出ることなく、何かをすることができることを意味してい
る。これはモードが分かれていない普通のエディタのように、常に挿入モードを使用す
るのが好みの場合には、とても便利である。これには 'backspace' オプションに
"indent,eol,start" を設定し、'insertmode' オプションを設定すると良いだろう。コ
マンドにファンクションキーをマップしたいならば、CTRL-Oを使うことができる。
これらのキーを使用する前後の変更(文字の挿入や削除)は、別々に取り消すことができ
る。最後の変更だけがやり直すことができ、常に "i" コマンドのように振舞う。
文字 アクション
-----------------------------------------------------------------------
<Up> カーソルを1行上へ移動する i_<Up>
<Down> カーソルを1行下へ移動する i_<Down>
CTRL-G <Up> 1行上の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_<Up>
CTRL-G k 1行上の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_k
CTRL-G CTRL-K 1行上の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_CTRL-K
CTRL-G <Down> 1行下の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_<Down>
CTRL-G j 1行下の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_j
CTRL-G CTRL-J 1行下の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_CTRL-J
<Left> カーソルを1文字左へ移動する i_<Left>
<Right> カーソルを1文字右へ移動する i_<Right>
<S-Left> カーソルを1単語前へ("b"コマンドのように) i_<S-Left>
<C-Left> カーソルを1単語前へ("b"コマンドのように) i_<C-Left>
<S-Right> カーソルを1単語後へ("w"コマンドのように) i_<S-Right>
<C-Right> カーソルを1単語後へ("w"コマンドのように) i_<C-Right>
<Home> カーソルを行の最初の文字へ i_<Home>
<End> カーソルを行の最後の文字の後へ i_<End>
<C-Home> カーソルをファイルの最初の文字へ i_<C-Home>
<C-End> カーソルをファイルの最後の文字の後へ i_<C-End>
<LeftMouse> カーソルをマウスでクリックした位置へ i_<LeftMouse>
<S-Up> 1ページ上へ i_<S-Up>
<PageUp> 1ページ上へ i_<PageUp>
<S-Down> 1ページ下へ i_<S-Down>
<PageDown> 1ページ下へ i_<PageDown>
<ScrollWheelDown> ウィンドウを3行下へ移動 i_<ScrollWheelDown>
<S-ScrollWheelDown> ウィンドウを1ページ下へ移動 i_<S-ScrollWheelDown>
<ScrollWheelUp> ウィンドウを3行上へ移動 i_<ScrollWheelUp>
<S-ScrollWheelUp> ウィンドウを1ページ上へ移動 i_<S-ScrollWheelUp>
<ScrollWheelLeft> ウィンドウを6列左へ移動 i_<ScrollWheelLeft>
<S-ScrollWheelLeft> ウィンドウを1ページ左へ移動 i_<S-ScrollWheelLeft>
<ScrollWheelRight> ウィンドウを6列右へ移動 i_<ScrollWheelRight>
<S-ScrollWheelRight> ウィンドウを1ページ右へ移動 i_<S-ScrollWheelRight>
CTRL-O 1つコマンドを実行して、挿入モードに戻る i_CTRL-O
CTRL-\ CTRL-O CTRL-O と同様だがカーソルを移動させない i_CTRL-\_CTRL-O
CTRL-L 'insertmode' がオンのとき: ノーマルモードへ i_CTRL-L
CTRL-G u undo のシーケンスを終了し、新しい変更を開始 i_CTRL-G_u
CTRL-G U カーソルが同じ行内にある場合、次の左右への i_CTRL-G_U
カーソル移動で新しい undo ブロックを開始しない
-----------------------------------------------------------------------
Note: カーソルキーを押した時に挿入モードから抜けてしまったら、'noesckeys' オプ
ションをチェックする。
CTRL-Oコマンドは時々副作用を生じる: カーソルが行末を越えている場合に、行の最後
の文字の上へ移動してしまうかもしれない。マッピングでは<Esc>を使うのが無難であ
る (まず "x" を入力し、<Esc>を押すとカーソルは常にその文字の上に置かれる)。ま
たは CTRL-\ CTRL-O を使う。しかしその場合はカーソルが行末を越えてしまう可能性
があることに注意。Note: CTRL-\ CTRL-O で実行するコマンドではカーソルを移動する
ことができる。カーソル位置は復元されない。
CTRL-O コマンドではノーマルモードに移動できる。その最中に挿入モードに再突入す
るコマンドを使ってもそれはモードが入れ子になるわけではない。例えば "a<C-O>a"
と入力してから <Esc> を押した場合にはノーマルモードに戻る。<Esc> を 2 度タイプ
する必要はない。タイピングではない方法、例えばマッピングや source したスクリプ
トから実行した時は例外で、モードは入れ子になる。そのため上記の「"a<C-O>a" と入
力してから <Esc>」をマッピングにより入力した場合には、ノーマルモードではなく挿
入モードになる。
Shiftキーを押しながらのカーソルキー操作は、全ての端末で可能なわけではない。
更に副作用として、"i" や "a" コマンドでの回数指定は無視される。そうしないと
CTRL-Oでのコマンドの繰り返しが複雑になってしまう。
CTRL-G u を使う例:
これは undo できるバックスペースキーを再定義している。これで以前の入力を変
更することなく CTRL-O u を使ってバックスペースの結果を元に戻せる。もう1つの
例:
これは改行ごとに新しい undo ブロックを始める。また、それを行う前に短縮入力の展
開も行う。
CTRL-G U の使用例:
これにより新しい undo ブロックを開始することなくカーソルキーを挿入モード内で使
うことができ、. (および redo) は期待通りに動作するようになる。
また次のような (上記の "(" マッピングをともなう) テキスト入力:
Lorem ipsum (dolor
は . を使用して期待通り繰り返すことができるようになる。
Lorem ipsum (dolor)
CTRL-O は undo 位置を分割する。つまり、その前後に入力したテキストが別々にundo
されるようになる。これを避けたい場合(マッピングの中などで)は CTRL-R =
i_CTRL-R が使えるだろう。例: 関数を呼ぶ:
'whichwrap' オプションが適切に設定されているならば、行の先頭/末尾での<Left>と
<Right>キーは、カーソルを上の行や下の行へ移動させる。
CTRL-G j と CTRL-G k コマンドはカラムの前にテキストを挿入するのに使える。
例:
る:
を使う。
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3. 'textwidth'と'wrapmargin'オプション ins-textwidth
'textwidth' オプションは入力中の行が長くなりすぎる前に、自動的に改行を行うため
に使うことができる。'textwidth' オプションには望む最大行長を設定する。それを超
えて文字(空白とタブを除く)を入力すると最後の単語が(それがその行の唯一の単語で
無いならば)次の行に置かれる。'textwidth' に0を設定すれば、この機能を無効にする
ことができる。
'wrapmargin' オプションはこれとほとんど同じことをする。違いは 'textwidth' は固
定幅なのに対して、'wrapmargin' はスクリーンの幅に依存する。'wrapmargin' を使用
することは、'textwidth' に(スクリーンのカラム数 - 'wrapmargin' に与えた値)を設
定することに等しい。
'textwidth' と 'wrapmargin' が両方とも設定されていた場合には、'textwidth' が使
用される。
もしも本当には改行をしたくないけれども、見かけ上は具合の良い場所で折り返されて
ほしい場合には、'linebreak' オプションを参照。
自動的に改行されるのは、挿入モードを使用している時か、行に追加している時だけで
ある。置換モードで行の長さが変わらない時には、改行は行われない。
長い行は、マージンを超えて非空白文字を入力すると、改行される。この改行がなされ
る位置は、'formatoptions' オプションに与える文字で制御することが可能である:
"l" 挿入を始めた時に 'textwidth' よりも既に長くない時にだけ、改行を行う。
"v" 現在の挿入コマンドの間に挿入された空白文字の位置でのみ、改行を行う。これ
はほぼVi互換。
"lv" 挿入を始めた時に 'textwidth' よりも長くない行にだけ、かつその挿入コマンド
の間に挿入された空白文字の位置でのみ、改行を行う。'textwidth' の境界を越
えて非空白文字を入力した時に、"l" と違う。
通常は、どこで改行するかを内部関数を使って決定する。この挙動を変えたい場合は、
'formatexpr' に改行を処理する式を設定すること。
テキストのブロックを整形(format)したいならば、"gq" オペレータを使うことができ
る。"gq" に続けて、ブロックの末尾までカーソルを動かす移動コマンドをタイプする。
多くの場合、コマンド "gq}" が、望むこと(段落の最後までを整形)をしてくれるだろ
う。代わりに、現在カーソルがどこにあるかにかかわらず、パラグラフ全体をフォー
マットしてくれるコマンド、"gqap" を使うこともできる。またはビジュアル選択モー
ドを使うこともできる: "v" を押し、ブロックの最後まで移動し、"gq" とタイプする。
gq も参照。
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4. 'expandtab'、'smarttab'それと'softtabstop'オプション ins-expandtab
'expandtab' オプションがオンになっていると、タブ文字は空白文字(スペース)に展開
され、その空白文字が挿入される。もし本当の<Tab>文字を挿入したいのならば、
CTRL-Vを押してから入力する(CTRL-Vに他の動作がマップされているときはCTRL-Qを使
うi_CTRL-Q)。
'expandtab' は初期状態でオフになっている。置換モードでは、1文字が複数のスペー
スで置換されることに注意。この結果、行の中の文字数は増える。バックスペースをす
ると、1度に1つの空白が削除される。元々そこにあった文字は、1つのスペース(最後の
1つ)を削除しただけで元に戻される。
ins-smarttab
'smarttab' オプションがオンの時には、1度の<Tab>で、行の先頭で<Tab>を1度押すと
'shiftwidth' の位置まで、その他の場所では 'tabstop' の位置まで空白が挿入され
る。これは<Tab>文字の代わりに、度々スペースが挿入されることを意味している。
'smarttab' がオフの時には、<Tab>では常に 'tabstop' の位置まで空白が挿入され、
'shiftwidth' は ">>" などの時にだけ使用される。
ins-softtabstop
'softtabstop' オプションがゼロではない時、<Tab>は 'softtabstop' で指定されるタ
ブ位置まで空白を挿入し、<BS>は 'softtabstop' で指定されるタブ位置までの空白を
削除する。これは 'softtabstop' に指定した値を 'tabstop' に設定したのと同様に働
くが、しかし本当の<Tab>文字は依然 'tabstop' の幅に展開されるので、他のアプリ
ケーションでそのファイルを使う時にも正しく表示されるだろう。
もしも 'softtabstop' がゼロでないならば、直前に挿入された文字が1つの空白文字
(スペース)で、そのカーソルの直前の(空白)文字だけを削除する時を除き、<BS>は空白
文字を1つ前の 'softtabstop' の位置まで削除しようと試みる。そうでないとカーソル
の直前の単一の文字を消すということができなくなってしまう。まず 'softtabstop' の
キャラクタを消してから、それから望む場所にカーソルを持っていくために、余分な空
白文字を置く必要がある。
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5. 置換モード Replace Replace-mode mode-replace
ノーマルモードで "R" コマンドを使うと置換モードに入る。
置換モードでは文字をタイプするごとに行中の 1 文字が削除されていく。(行末で)消
す文字が無い場合、タイプされた文字は(挿入モードのように)追加される。このため、
1 行中の文字数は行末に到達するまで同じままである。<NL> がタイプされると、文字
は消されずに改行が挿入される。
<Tab>文字には注意。<Tab>のある場所に通常の印字可能文字をタイプすると、文字数は
同じだけど、見た目上のカラム数はより短くなってしまう。
置換モードで文字を消す(<BS>、CTRL-WもしくはCTRL-U)場合、変更を取り消すことにな
る。置き換えられてしまった文字が復帰する。存在していたテキストよりも多くタイプ
していた場合には、その追加した分は削除される。これは効果的に1度に1文字ずつの
UNDOになる。
'expandtab' オプションがオンの場合、<Tab>は幾つかのスペースで置き換えられる。
結果として行中の文字数は増えることになる。バックスペースは1度に1つの文字を消
す。もともとの文字は1つのスペース(最後の1つ)をバックスペースするだけで戻され
る。
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6. 仮想置換モード vreplace-mode Virtual-Replace-mode
ノーマルモードで "gR" コマンドを使うと仮想置換モードに入る。
{+vreplace 機能を付けずにコンパイルした場合は利用できない}
仮想置換モードは置換モードに良く似ているが、ファイルの実際の文字ごとにではな
く、スクリーン上の文字幅単位で置換することができ、そのためファイル内の他の文字
の見た目の位置が移動することはない。
<Tab>をタイプすると通常のキャラクタを幾つか置換し、<Tab>の先頭で文字をタイプし
たならば、<Tab>は以前と同じ場所に存在することになるから、何も置換されないこと
になる。
<NL>をタイプしても、ファイル内の後の文字がその(見かけ上の)位置を変えることはな
い。現在行の残りの部分は<NL>によって置き換えられ(それはつまり、消されるという
こと)、次の行で置換が続行される。ファイルの終端に達するまで、新しい行は挿入さ
れない。
CTRL-TとCTRL-Dを使用したときには面白い効果がある。カーソルの前のキャラクタは普
通に横にシフトされるが、しかしカーソルの後のキャラクタはそのままそこに残ろうと
する。CTRL-Tはシフトされた文字の下にある古い行を隠していくが、CTRL-Dはそれらを
再び表示してくれる。
置換モード同様に、<BS>他を使用すると置換されてしまった文字を戻すことができる。
この機能は 'smartindent', CTRL-TそれにCTRL-D, 'expandtab', 'smarttab',
'softtabstop', その他などが考慮される。
'list' モードで 'cpoptions' に "L" が含まれない時には、仮想置換モードはまるで
'list' モードでないかのように振舞う。
Note: カーソルより後ろの文字が移動して見えることがあるが、それは List モード
'list' がオンのとき、そしてまれに 'wrap' がオンのとき (そして変更によって行
の長さがスクリーンの幅より短くなるか長くなるとき) だけである。それ以外では、後
ろの文字が動かないようにスペースが挿入される。
このモードは<Tab>でカラムが区切られた表へ、新しいデータをカラムを揃えて入力す
るような編集作業に便利である。
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7. 挿入モードの補完 ins-completion
挿入・置換モードでは、既にタイプしたキーワードや行の一部を補完するコマンドを使
用できる。これは複雑なキーワード(例えば大文字やアンダースコアを含む関数名など)
を使用しているときに便利である。
補完には次のような種類がある:
1. 行全体 i_CTRL-X_CTRL-L
2. 現在のファイルのキーワード i_CTRL-X_CTRL-N
3. 'dictionary' のキーワード i_CTRL-X_CTRL-K
4. 'thesaurus' のキーワード, thesaurus-style i_CTRL-X_CTRL-T
5. 編集中と外部参照しているファイルのキーワード i_CTRL-X_CTRL-I
6. タグ i_CTRL-X_CTRL-]
7. ファイル名 i_CTRL-X_CTRL-F
8. 定義もしくはマクロ i_CTRL-X_CTRL-D
9. Vimのコマンドライン i_CTRL-X_CTRL-V
10. ユーザー定義補完 i_CTRL-X_CTRL-U
11. オムニ補完 i_CTRL-X_CTRL-O
12. スペリング補完 i_CTRL-X_s
13. 'complete' のキーワード i_CTRL-N i_CTRL-P
追加として、i_CTRL-X_CTRL-Z でテキストを変更せずに補完を停止する。
CTRL-N と CTRL-P を除くこれらの全ては、CTRL-X モードで動作する。CTRL-X モード
とは挿入・置換モードのサブモードである。CTRL-X と CTRL-X コマンドのどれか 1
つをタイプすることで CTRL-X モードに移行する。CTRL-X モードから抜けるには、
CTRL-X コマンドとして有効ではないキーをタイプする。有効なキーとは CTRL-X コマ
ンドそれ自身、CTRL-N (次の候補)、そして CTRL-P (前の候補)である。
現在の補完の情報を取得するには、complete_info() が使用できる。
マッチの大文字/小文字を調節したいのならばオプション 'infercase' を参照。
complete_CTRL-E
補完が動作中のとき、CTRL-E で補完を中止し、もともと入力したテキストに戻すこと
ができる。CTRL-E は挿入されない。
complete_CTRL-Y
ポップアップメニューが表示されているとき、CTRL-Y で補完を中止し、現在選択され
ている候補を挿入できる。CTRL-Y は挿入されない。スペース、エンターなど
unprintable な文字を入力すると、その文字を挿入して補完モードを終了する。
ポップアップメニューが表示されているときに使える特殊なキーがもういくつかある。
popupmenu-keys を参照。
Note: CTRL-Xモードでの有効なキーはマップされない。これは `:map <C-F>
<C-X><C-F>` な指定を可能にする('cpo' に "<" が含まれないことを仮定している)。
これに対して、CTRL-Xモードを終了させるキー(つまりCTRL-Xモードのコマンドとして
有効ではないキー)はマップされる。'complete' を使って補完をするとき、マップは通
常通りに適用される。
E565
Note: 補完が動作中は、再帰的に挿入モードに入ることはできず、バッファのテキスト
の変更もできない。":normal i.." を呼び出すようなマッピングを使うとエラー
E565 が発生する。
次のマッピングは補完コマンドのタイピングをちょっとだけ楽にしようと提案された
(これらは他のコマンドを覆い隠してしまう; 'cpo' に "<" が含まれない必要がある):
例外として、レジスタの値を挿入するCTRL-RはCTRL-Xモードを終了しない。これは主
に '=' レジスタを使って関数などを呼び次の操作を決定することを可能にする。レジ
スタの内容(や '=' レジスタの評価結果)がCTRL-Xモードで無効なキーだった場合、そ
れが入力されたものとしてCTRL-Xモードは終了する。
以下のものは現在の行がスペースだけなら<Tab>を入力し、違うならCTRL-Nの補完をす
る<Tab>をマッピングする例である:
行全体を補完する compl-whole-line
i_CTRL-X_CTRL-L
CTRL-X CTRL-L 現在行のカーソルの前にあるのと同じ文字で始まる行を、後
方(上方向)に探す。インデントは無視される。見つかった行
がカーソルの前に挿入される。
どのバッファから探すのかを決める際に 'complete' オプ
ションが参照される。読み込まれたバッファ(loaded buffer)
と読み込まれていないバッファ(unloaded buffer)の両方が
対象となる。
CTRL-L or
CTRL-P 後方に、次にマッチする行を探す。これによりみつかった行
で、以前のマッチした行を置き換える。
CTRL-N 前方に、次のマッチする行を探す。これによりみつかった行
で以前のマッチした行を置き換える。
CTRL-X CTRL-L 行を展開した後で再びCTRL-X CTRL-Lをタイプすれば、それ
に続けて付加的に行を取得でき、CTRL-Xを2回押すことで終
了する。読み込まれているバッファのみ検索対象となる。
現在のファイルのキーワードで補完する compl-current
i_CTRL-X_CTRL-P
i_CTRL-X_CTRL-N
CTRL-X CTRL-N カーソルの前にあるキーワードで始まる単語を、前方に検索
する。みつかったキーワードはカーソルの前に挿入される。
CTRL-X CTRL-P カーソルの前にあるキーワードで始まる単語を、後方に検索
する。みつかったキーワードはカーソルの前に挿入される。
CTRL-N 次にマッチするキーワードを前方に検索する。このキーワー
ドは前回マッチしたキーワードを置き換える。
CTRL-P 次にマッチするキーワードを後方に検索する。このキーワー
ドは前回マッチしたキーワードを置き換える。
CTRL-X CTRL-N or
CTRL-X CTRL-P 続けてCTRL-X CTRL-NやCTRL-X CTRL-Pを使用することで、
最後の展開に続けて違うコンテキストで単語を補完すること
ができる。これはCTRL-Xを2度押すことで終了できる。
カーソルの直前にあるキーワード(アルファベットと 'iskeyword' の文字で構成される
名前)が、直前に "\<" (単語の開始の意味)が補われて検索パターンとして使用される。
キーワードがない場合には "\<\k\k" (少なくとも2文字以上のキーワードの開始位置)
が検索パターンに用いられる。
置換モードでは、置換される文字数はマッチした文字列の長さに依存する。これはマッ
チした文字列を置換モードでタイピングしたのと同じように振舞う。
カーソルの直前に有効なキーワードの文字がなかった場合、少なくとも2文字以上のあ
らゆるキーワードがマッチする。
例えば、次の結果を得るには:
printf("(%g, %g, %g)", vector[0], vector[1], vector[2]);
このようにタイプする:
printf("(%g, %g, %g)", vector[0], ^P[1], ^P[2]);
検索はファイルの最後から最初へ循環する。ここでは 'wrapscan' の値は使われない。
同じ補完結果が繰り返される場合にはそれがスキップされる; そのためCTRL-NやCTRL-P
を押すたびに違うマッチ文字列が挿入されることになる(1つしかマッチするキーワード
がない場合は除く)。
マッチ結果が1文字となる補完候補文字列は、通常の使用で実際に補完して欲しいもの
ではないことがほとんどなので、補完候補に含まない。
例えば、次の結果を得るには:
printf("name = %s\n", name);
このようにタイプする:
printf("name = %s\n", n^P);
こうでも良い:
printf("name = %s\n", ^P);
'\n' の中の文字 'n' はスキップされる。
単語補完を開始した後で、補完済み単語に続く単語を検索するのに、CTRL-X CTRL-Pも
しくはCTRL-X CTRL-Nを使うことができる。これらのシーケンスはテキストから探さ
れ、単語を拡張補完し、さらに拡張補完していくことができる。これは複雑な単語の
シーケンスを繰り返す必要があるときに役に立つ。CTRL-PとCTRL-Nは少なくとも2文字
以上の文字列を探すけれども、CTRL-X CTRL-PとCTRL-X CTRL-Nは1文字の文字列も探し
出す。
例えば、次の結果を得るには:
México
このようにタイプする:
M^N^P^X^P^X^P
CTRL-Nは補完を開始し、CTRL-Pで最初の1文字 "M" に戻し、次の2つのCTRL-X CTRL-Pが
"é" と ";xico" を得る。
直前の補完が 'textwidth' よりも長いために分裂している場合、現在の行のテキスト
だけが使用される。
マッチ文字列が行末で見つかった場合には、次の行の最初の単語が挿入され "Word
from other line" というメッセージが表示される。さらに続けてCTRL-X CTRL-Pもしく
はCTRL-X CTRL-Nで検索を行うと、その単語のある行で続く文字が検索される。
'dictionary'のキーワードで補完する compl-dictionary
i_CTRL-X_CTRL-K
CTRL-X CTRL-K カーソルの直前のキーワードで始まる単語をオプション
'dictionary' で与えられたファイルから検索する。これは
CTRL-Nに似ているが、現在のファイル内は検索せずに辞書
ファイル内だけを検索する。見つけたキーワードはカーソル
の直前に挿入される。最初のマッチが使用される前に全ての
マッチが検索されるので、かなり遅くなる可能性がある。オ
プション 'dictionary' の初期値は空である。
どこから単語リストを見つけ出すかについては、オプション
'dictionary' を参照。
'ignorecase', 'smartcase', 'infercase' が適用される。
CTRL-K or
CTRL-N マッチするキーワードの前方検索。直前にマッチしたキー
ワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-P マッチするキーワードの後方検索。直前にマッチしたキー
ワードは新しいもので置き換えられる。
'thesaurus' で単語を補完する compl-thesaurus
i_CTRL-X_CTRL-T
CTRL-X CTRL-T CTRL-X CTRL-Kと同じだが、'dictionary' ではなく
'thesaurus' オプションを使う。たとえ単語が完全でなくて
も、類語ファイルの中に単語が見つかると、その行の他の単
語も一致とみなされる。したがって単語は完全に置き換えら
れる。
CTRL-T or
CTRL-N 次のキーワードを前方に探す。見つかったキーワードはそ
の前のキーワードを置き換える。
CTRL-P 次のキーワードを後方に探す。見つかったキーワードはそ
の前のキーワードを置き換える。
'thesaurus' オプションで使用されるファイル内では、ファイルの各行は似た意味の単
語が含まれ、非キーワード文字(空白が好ましい)で区分けされている。行の最大長は
510 バイト。
例えば、'thesaurus' ファイルにこのような行があるとして:
て補完すると "furious"、"mad"、...、と置き換えられる。
他にも2つの言語間の単語の置き換えや、API関数をキーワードによってグループ分けす
るのに使える。
英単語リストはこのGitHub Issueに追加されている:
https://github.com/vim/vim/issues/629#issuecomment-443293282
thesaurus_pkg.zip を展開し、thesaurus.txt をどこかに配置する、例えば
~/.vim/thesaurus/english.txt、そして 'thesaurus' オプションをこのファイル名{訳
注: ファイルパス}にする。
'thesaurusfunc' でキーワードを補完する compl-thesaurusfunc
'thesaurusfunc' オプションが設定されているなら、ユーザーが指定した関数が呼び出
され補完としてマッチしたリストを取得し 'thesaurus' オプションは使用されない。
関数の呼び出し方法と何を返すべきかについては complete-functions を参照。
この例では "aiksaurus" コマンドを使用(Magnus Groß提供):
編集中と外部参照しているファイルのキーワードで補完する compl-keyword
'include' オプションは外部参照(インクルード)ファイルを含む行を指定するのに使
う。'path' オプションはインクルードファイルを探す場所を指定するのに使う。
i_CTRL-X_CTRL-I
CTRL-X CTRL-I カーソルの直前と同じ文字で始まる最初のキーワードを、現
在のファイルとインクルードファイルから探し出す。マッチ
したキーワードはカーソルの直前に挿入される。
CTRL-N 次にマッチするキーワードを前方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
Note: CTRL-Iは補完が成功した時に入力する<Tab>と同じで
ある。従ってCTRL-Iを次のマッチを探すために使用すること
はできない。
CTRL-P 次にマッチするキーワードを後方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-X CTRL-I 直前の補完の文脈で続けてCTRL-X CTRL-Iによる単語補完を
行う。2連CTRL-Xが使用されるまで続く。
タグで補完する compl-tag
i_CTRL-X_CTRL-]
CTRL-X CTRL-] カーソルの直前と同じ文字で始まる最初のタグを探し出す。
マッチしたタグはカーソルの直前に挿入される。アルファ
ベットと 'iskeyword' で指定される文字が、タグ名にどの
文字が含まれるかを決定する(これはキーワードと同じルー
ル)。CTRL-]も参照。'showfulltag' オプションはタグ定
義の周辺からコンテキストに含めるために使用される。
CTRL-] or
CTRL-N 次にマッチするタグを前方検索する。直前にマッチしたタグ
は新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするタグを後方検索する。直前にマッチしたタグ
は新しいもので置き換えられる。
ファイル名で補完する compl-filename
i_CTRL-X_CTRL-F
CTRL-X CTRL-F カーソルの直前と同じ文字で始まる最初のファイル名を探し
出す。マッチしたファイル名はカーソルの直前に挿入され
る。アルファベットと 'isfname' で指定される文字が、ファ
イル名にどの文字が名前に含まれるかを決定する。Note: こ
の段階では(まだ) 'path' オプションは使用されない。
CTRL-F or
CTRL-N 次にマッチするファイル名を前方検索する。直前にマッチし
たファイル名は新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするファイル名を後方検索する。直前にマッチし
たファイル名は新しいもので置き換えられる。
定義もしくはマクロで補完する compl-define
定義を含んだ行を特定するのに 'define' オプションが使用される。インクルードファ
イルを含んだ行を特定するのに 'include' オプションが使用される。インクルードファ
イルを探すのに 'path' オプションが使用される。
i_CTRL-X_CTRL-D
CTRL-X CTRL-D カーソルの直前と同じ文字で始まる最初の定義(もしくはマ
クロ)名を、現在のファイルとインクルードファイルから探
し出す。マッチした定義名はカーソルの直前に挿入される。
CTRL-D or
CTRL-N 次にマッチするマクロ名を前方検索する。直前にマッチした
マクロ名は新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするマクロ名を後方検索する。直前にマッチした
マクロ名は新しいもので置き換えられる。
CTRL-X CTRL-D 直前の補完の文脈で続けて CTRL-X CTRL-D による単語補完
を行う。2連 CTRL-X が使用されるまで続く。
Vimコマンドの補完 compl-vim
補完は文脈に左右される。コマンドラインでの入力時のように機能する。Exコマンドと
その引数も補完する。これは Vim script を書いているときに便利である。
i_CTRL-X_CTRL-V
CTRL-X CTRL-V カーソルの前に何があるかを推測し、最初に一致するもの
を探す。
Note: CTRL-Vがマッピングに使われていれば、たいていは
CTRL-Qが代わりに使えるi_CTRL-Q。
CTRL-V or
CTRL-N 次の一致を前方に探す。そしてその前のものを置き換え
る。
CTRL-P 次の一致を後方に探す。そしてその前のものを置き換え
る。
CTRL-X CTRL-V 加えて言うと CTRL-X CTRL-V は CTRL-V と同じように働
く。これはVimコマンドの補完をマッピングをするのに使
える。例えば:
ユーザー定義補完 compl-function
ユーザー定義補完は、オプション 'completefunc' で設定した関数(ユーザー定義関数
でもよい)によって補完する方法である。この関数がどう呼び出されるかについては後
述。また complete-functions の例を参照。
i_CTRL-X_CTRL-U
CTRL-X CTRL-U カーソルの前にどの種類の項目があるか推測し、最初の候補
を探す。
CTRL-U または
CTRL-N 次の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
CTRL-P 前の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
オムニ補完 compl-omni
オムニ補完は、オプション 'omnifunc' で設定した関数(ユーザー定義関数でもよい)に
よって補完する方法である。ファイル形式に特化した補完をするために使われる。
この関数がどう呼び出されるかについては後述。また complete-functions も参照。
特定のファイル形式についての説明は compl-omni-filetypes を参照。
今後、www.vim.org でより多くの補完スクリプトが公開されるだろう。現在のところ、
C++ 用の最初のバージョンが存在する。
i_CTRL-X_CTRL-O
CTRL-X CTRL-O カーソルの前にどの種類の要素があるか推測し、最初の候補
を探す。
CTRL-O または
CTRL-N 次の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
CTRL-P 前の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
スペリング補完 compl-spelling
カーソル前、またはカーソル位置の単語を探しだし、正しい単語の候補に置換する。カ
レント行のカーソル位置以前にスペルの間違った単語が存在する場合、カーソルがその
単語の直後に移動する。間違った単語が存在しない場合はカーソルの直前の単語(その
単語が間違っていなくても)の訂正候補が表示される。
NOTE: Unix 端末の多くでは CTRL-S は画面をサスペンドさせるため、代わりに 's' を
使うこと。サスペンドした画面を元に戻すには CTRL-Q を押す。
i_CTRL-X_CTRL-S i_CTRL-X_s
CTRL-X CTRL-S または
CTRL-X s カーソル前の単語を探し、その単語の正しい綴りの候補を探
す。
CTRL-S または
CTRL-N 次の候補を選択する。これによって以前の候補は置換される。
Note ここでは代わりに 's' は使えないことに注意。
CTRL-P 前の候補を選択する。これによって以前の候補は置換される。
キーワードを別のソースから補完する。 compl-generic
i_CTRL-N
CTRL-N カーソルの直前と同じキーワードで始まる単語を、
'complete' オプションで指定された場所から前方検索する。
マッチしたキーワードはカーソルの直前に挿入される。
i_CTRL-P
CTRL-P カーソルの直前と同じキーワードで始まる単語を、
'complete' オプションで指定された場所から後方検索する。
マッチしたキーワードはカーソルの直前に挿入される。
CTRL-N 次にマッチするキーワードを前方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするキーワードを後方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-X CTRL-N or
CTRL-X CTRL-P 直前の補完の文脈で続けて CTRL-X CTRL-N もしくは CTRL-X
CTRL-P による単語補完を行う。2連 CTRL-X が使用されるま
で続く。
補完の停止 compl-stop
i_CTRL-X_CTRL-Z
CTRL-X CTRL-Z テキストを変更せずに補完を停止する。
補完候補を検索する関数 complete-functions
ここでは 'completefunc', 'thesaurusfunc', 'omnifunc' について説明する。
これらの関数は次の2通りの形で呼ばれる:
- 最初に、補完するテキストの始点を見つけるために呼ばれる。
- 次に実際に候補を検索するために呼ばれる。
最初の形での呼び出しでは、次の引数が与えられる:
a:findstart 1
a:base empty
これらの関数は補完するテキストの始点の桁番号を返す責任を負う。桁番号は 0 以上
"col('.')" 未満でなければならない。カーソル直前の文字列を見て、補完候補の一部
となりうる文字を含める処理が必要となる。この桁とカーソル位置の間のテキストが補
完され、候補で置き換わることになる。戻り値がカーソル桁より大きい場合、カーソル
桁が使われる。
負の戻り値:
-2 メッセージなしでキャンセルし、補完モードに留まりたい場合。
-3 メッセージなしでキャンセルし、補完モードから抜けたい場合。
別の負の値: カーソル桁で補完を開始したい場合。
2番目の形での呼び出しでは、次の引数が与えられる:
a:findstart 0
a:base 補完対象のテキスト。つまり最初の呼び出しで指定したテキスト(空
文字列の場合もありうる)
これらの関数は見つかった候補のリストを返す責任を負う。通常、候補の中には
"a:base" そのものも含まれている。候補が存在しない場合は空リストを返すこと。
Note 最初の呼び出し以降にカーソルが移動した可能性があり、テキストが変更されて
いるかもしれない。
補完候補以外の情報を返したいときはそのリストを持った辞書を返す。辞書には以下の
アイテムを含めることができる:
words 補完候補のリスト (必須)
refresh 関数の再呼び出しを制御する文字列 (オプション)
現在有効な値は "always" だけである。"always" を指定す
ると、補完対象のテキストが変更されるたびに補完関数が呼
ばれるようになる。
空の結果に対して警告メッセージを抑制したい場合は、v:none を返すこと。これは
complete() で非同期補完を実装するのに役立つ。
その他のアイテムは無視される。
補完後に何かを実行したい場合は自動コマンドの CompeleteDonePre や
CompleteDone イベントを使う。
例えば、次のようにして使う:
complete-items
リストの各要素は文字列か辞書のどちらかであること。文字列の場合はそれが候補とな
る。辞書の場合は以下の要素を含んでいること:
word 挿入されるテキスト。必須
abbr "word" の略。これが空でなければ、メニューで "word" の
代わりに表示される。
menu ポップアップメニューにおける追加情報。"word" または
"abbr" の後に表示される。
info この要素についての追加情報。プレビューまたはポップアッ
プウィンドウに表示することができる。
kind 候補の種類を表す1文字
icase 0 でないならば、候補同士を比較するとき大文字小文字は無
視される。省略された場合は 0 となり、大文字小文字の違
いしかない候補も追加される。
equal ゼロ以外の場合、比較時にこの項目が常に等しいと見なされ
る。つまり、"equal=1" はこのアイテムのフィルタリングを
無効にする。
dup 0 でないならば、すでに同じ候補があってもこの候補を追加
する。
empty 0 でないならば、空文字であってもこの候補を追加する。
user_data この要素に関連付けられた v:completed_item で使用可能
なカスタムデータ。任意の型が使用できる。既定は空文字
列。
abbr_hlgroup ポップアップメニューの hl-PmenuSel と hl-Pmenu ま
たは hl-PmenuMatchSel と hl-PmenuMatch ハイライト
属性と組み合わされ、補完項目の短縮入力に取り消し線のよ
うな ctermと gui のプロパティ (高優先度) を適用する追
加のハイライトグループ。
kind_hlgroup 補完の種類のハイライト属性を設定するための追加のハイラ
イトグループ。このフィールドが存在する場合、
hl-PmenuKind ハイライトグループが上書きされ、補完の
種類の ctermfg および guifg プロパティをカスタマイズで
きるようになる。
これらのうち "icase", "equal", "dup" および "empty" 以外は文字列でなければなら
ない。これらの要件が満たされない場合はエラーメッセージが表示され、リスト中のそ
れ以降の要素は無視される。リストの中で文字列と辞書が混在していてもよい。
"menu" はポップアップメニューに表示される。長すぎる場合は切り詰められるので、
短くするとよい。"info" は 'completeopt' に "preview" が含まれている場合にプレ
ビューウィンドウに表示され、'completeopt' に "popup" が含まれている場合にポッ
プアップウィンドウに表示されるので、これはもっと長くてもよい。プレビューウィン
ドウでは "info" はまた、ポップアップメニューが消えた後にもそのまま表示される。
これは関数の引数を表示する場合などに便利である。"info" にスペース1個を指定する
と、プレビューウィンドウに表示されているテキストが消去される。プレビューウィン
ドウの大きさは 3 行だが、'previewheight' が 1 か 2 のときはその高さで表示され
る。
complete-popup
"popup" が 'completeopt' にある場合、ポップアップウィンドウを使用して "info"
が表示される。
次に、'completepopup' オプションはポップアップのプロパティを指定する。これは、
情報ポップアップが作成されるときに使用される。オプションは、コンマで区切られた
値のリストである:
height ポップアップの最大高さ
width ポップアップの最大幅
highlight ポップアップのハイライトグループ(デフォルトは PmenuSel)
align "item" (デフォルト) または "menu"
border "on" (デフォルト) または "off"
例:
"align" 値が "item" の場合、ポップアップは選択されたアイテムの近くに配置され
る。選択を変更すると、ポップアップも移動する。"align" が "menu" の場合、ポップ
アップがメニューがテキストの下にある場合はメニューの上部に配置され、そうでない
場合はメニューの下部に配置される。
情報ポップアップが作成された後、それを popup_findinfo() で見つけることがで
き、プロパティは popup_setoptions() で変更できる。
complete-popuphidden
ポップアップの情報が非同期で得られる場合は、'completeopt' で "popuphidden" を
使用すること。情報ポップアップは最初は非表示になり、情報が埋まれば
popup_show() を呼び出す必要がある。これは、CompleteChanged 自動コマンドを
使用して次のように実行できる:
complete-item-kind
"kind" は候補の種類を示す1文字である。候補の表示方法(色やアイコンなど)を区別
するために使われる。
現在のところ、指定可能な種類は次の通りである:
v 変数
f 関数やメソッド
m 構造体やクラスのメンバ
t typedef
d #define やマクロ
候補の検索に時間がかかるときは complete_add() を使って候補を1つずつリスト
に加えるとよい。その場合、それらの候補は戻り値のリストに現れるべきではない。
ときどき complete_check() を呼んで、候補の検索中にユーザーがキーを押して検索
を中断できるようにすること。complete_check() が非 0 を返すと中断する。
E840
関数の中でカーソルを移動させてもよい。カーソルは実行後に復元される。
関数の中で他のウィンドウに移動したりテキストを削除することはできない。
月の名前を補完する例:
検索が遅い場合のシミュレーション:
補完ポップアップメニュー ins-completion-menu
popupmenu-completion
候補を簡単なポップアップメニューで表示することができる。
ポップアップメニューは次のとき表示される:
- 'completeopt' が "menu" か "menuone" を含んでいる。
- 端末が 8 色以上の表示をサポートしている。
- 候補が 2 個以上ある。"menuone" を設定している場合は 1 個以上。
ポップアップメニューの高さの最大値はオプション 'pumheight' で設定できる。既
定値は利用可能なスペースをすべて使うようになっている。
ポップアップメニューの幅の最小値はオプション 'pumwidth' で設定できる。既定値は
15 文字である。
ポップアップメニューには 3 つの状態がある:
1. 候補が挿入された状態。例えば CTRL-N や CTRL-P の後。
2. カーソルキーを使って他の候補を選択した後。候補はまだ挿入されていなく、1
つの候補が強調表示されている状態。
3. 候補の一部だけが挿入されており、文字の入力やバックスペースキーを使用でき
る状態。カーソルの前にある文字列によって候補のリストが増減する。
普通、最初は1番目の候補が挿入された状態(状態1)から始まる。'completeopt'
に "longest" が含まれており、2 個以上の候補があるときは状態3から始まる。
CTRL-N や CTRL-P を押すことなどによって他の候補を選択すると状態1へ遷移す
る。このとき候補のリストは変化しない。
元のテキストへ戻ると状態3になる。すぐに状態3へしたい場合は、次のように補完の直
後に CTRL-P を行うマッピングを使えばよい:
popupmenu-keys
状態1では以下のキーは特別な意味を持つ:
<BS> と CTRL-H 1文字削除し、カーソル前の単語の候補を検索する。これによって候
補の数は少なくなり、しばしば1個だけになって状態2へ遷移する。
特殊文字でない任意の文字:
候補を変更せずに補完を停止し、入力された文字を挿入する。
状態2と状態3では以下のキーは特別な意味を持つ:
<BS> と CTRL-H 1文字削除し、カーソル前の(短くなった)単語の候補を検索する。候
補の数は増える。
CTRL-L 現在の候補から1文字を挿入する。候補の数は少なくなる。
印字可能で空白文字でない任意の文字:
その文字を挿入する。候補の数は少なくなる。
以上すべての状態で以下のキーが使える:
CTRL-Y Yes: 現在選択されている候補に決定し、補完を終了する。
CTRL-E 補完を終了し、候補を選択する前の状態(タイプした状態または最
長共通文字列)へ戻る。
<PageUp> 数個上の候補を選択するが、挿入はしない。
<PageDown> 数個下の候補を選択するが、挿入はしない。
<Up> CTRL-P と同様に上の候補を選択するが、挿入はしない。
<Down> CTRL-N と同様に下の候補を選択するが、挿入はしない。
<Space> or <Tab> 候補を変更せずに補完を終了し、タイプされた文字を挿入する。
<Enter>キーの挙動は状態に依存する:
状態1: テキストはそのままにし、改行を挿入する。
状態2: 選択されている候補を挿入する。
状態3: テキストはそのままにし、改行を挿入する。
言い換えると: カーソルキーでリストから他の候補を選択した後 <Enter> を押すとそ
の候補を挿入する。それ以外をタイプした後で <Enter> を押すと改行が挿入される。
メニューの色は以下のハイライトグループで設定できる:
Pmenu 通常の要素 hl-Pmenu
PmenuSel 選択されている要素 hl-PmenuSel
PmenuSbar スクロールバー hl-PmenuSbar
PmenuThumb スクロールバーのつまみ hl-PmenuThumb
ポップアップメニューが表示されているとき用の特別なマッピングというものは存在し
ない。しかし挿入モードマッピングで関数 pumvisible() を使えばポップアップメ
ニューが表示されているときだけ用にマッピングを作ることができる。例:
マッピングで <expr> を使うと、入力中ある条件が満たされたとき自動的にポップアッ
プメニューを表示させることができる。例えば、ドットを入力したとき補完を行う、ま
たはドットそのものを入力するようにするには:
より詳しくは :map-<expr> を参照。
オムニ補完についてファイル形式ごとの注意点 compl-omni-filetypes
ファイル形式 {filetype} に対して使われるファイルは 'runtimepath' 中の
autoload/{filetype}complete.vim とする。つまり、"java" に対するファイルは
autoload/javacomplete.vim となる。
C ft-c-omni
C のソースでオムニ補完を行うには tags ファイルが必要である。補完に必要な付加情
報を出力するため、Universal/Exuberant ctags を使うとよい。次のサイトからダウン
ロードできる:
Universal Ctags: https://ctags.io
Exuberant Ctags: http://ctags.sourceforge.net
Exuberant ctags は開発されなくなったため、Universal ctags を推奨する。
Exuberant ctags であればバージョン 5.6 以降が推奨されている。バージョン 5.5.4
を使うときは "typename:" フィールドを追加するこのパッチをあてること:
ftp://ftp.vim.org/pub/vim/unstable/patches/ctags-5.5.4.patch
MS-Windows 用の exe ファイルは次のサイトからダウンロードできる:
http://ctags.sourceforge.net/
https://github.com/universal-ctags/ctags-win32
システム関数を補完するには、次のような方法がある。ctags を使って全システムヘッ
ダーファイルの tags ファイルを作る:
カーソル前の単語が "." や "->" を含まないとき、CTRL-X CTRL-O を押すと tags
ファイルから直接補完される。これはすべての識別子、関数名に対して有効である。
tags ファイルに含まれないローカル変数名を補完するには CTRL-P を使うしかない。
カーソル前の単語が "." または "->" を含むとき、CTRL-X CTRL-O を押すと、変数の
型が推測され、その型のメンバが推測される。よって、その変数に対して有効なメンバ
だけが補完候補に現れる。
メンバ名がすでに補完されたとき CTRL-X CTRL-O を押すと、複合型に対する "." また
は "->" が挿入される。
Vim は C コンパイラを内蔵しているわけではないので、きれいに整形された宣言しか
認識できない。プリプロセッサーが関係すると混乱してしまう可能性がある。同じ構造
体名が複数の場所に現れる場合、それらのすべてのメンバが補完候補に含まれる。
CSS ft-css-omni
CSS 2.1 仕様に従って、プロパティとその適切な値を補完できる。
HTML ft-html-omni
XHTML ft-xhtml-omni
HTML, XHTML ファイルにおいて、CTRL-X CTRL-O で (X)HTML の色々な要素を補完でき
る。補完スクリプトは XHTML 1.0 Strict なファイルを書くために設計されているが、
他の HTML のバージョンに対しても動作するようになっている。以下の機能がある:
- "<" の後では文脈に依存してタグ名を補完する(a タグの内側では div は候補に現れ
ない)。'/>' は空タグを示す。
- タグの内側では適切な属性の補完が行われる(a タグに対しては width 属性は候補に
現れない)。属性の型も表示される。'*' は必須な属性を意味する。
- 属性のとりうる値が有限個しかない場合は、それらの補完を支援する。
- エンティティの名前を補完する。
- <style> タグとインクルードされた CSS ファイルから得られたデータにより、
"class" と "id" の値を補完する。
- "style" 属性の値を補完するときや、"style" タグの内側にいるときは
ft-css-omni モードへ移行する。
- イベント属性の値を補完するときや、"script" タグの内側にいるときは
ft-javascript-omni モードへ移行する。
- "</" の後で CTRL-X CTRL-O を押すと、最後に開いたタグを閉じる。
Note: 初回実行時は補完メニューが表示されるまでに少し時間がかかる。
- これはデータファイルを読み込むのに時間がかかっている。
Note: 整形されていないファイルでは補完が失敗する場合がある。その場合は :make
を実行して整形上の問題を検出してみるとよい。
HTML flavor html-flavor
既定の HTML 補完はファイルタイプに依存して動作が変わる。HTML ファイル
('filetype' が "html" の場合) に対しては HTML 4.01 Transitional となり、XHTML
ファイル ('filetype' が "xhtml" の場合) に対しては XHTML 1.0 Strict となる。
タグの外側で補完を行うと DOCTYPE を選択することができ、適切なデータファイルが
読み込まれ、それ以降の補完に利用される。
データファイルのフォーマットについてより詳しくは xml-omni-datafile を参照。
Vim のウェブサイト(www)でもいくつかのデータファイルをダウンロードできる。
Note: 変数 b:html_omni_flavor に任意の XML データのファイル名を設定できる。こ
れによってPHPオムニ補完(ft-php-omni)と任意の XML ダイアレクトを組み合わせる
ことができる(その XML ダイアレクト用のデータファイルが必要)。この変数を設定し
ない場合は XHTML 1.0 Strict が使用される。
JAVASCRIPT ft-javascript-omni
JavaScript のほとんどの要素と DOM 要素を補完できる。
補完:
- 変数
- 関数名。関数の引数も表示できる
- 関数の引数
- 変数の型を識別し、変数のプロパティを補完する
- DOM オブジェクトと文脈に依存したプロパティを補完する
- 言語のキーワード
JavaScript オムニ補完は、単独の JavaScript ファイル(&ft==javascript)、(X)HTML
の <script> タグの中、イベント属性の値の中で動作する(外部ファイルの読み込みも
含む)。
DOM 互換性
現時点(2006 年初頭)では主流のブラウザーが2つある。MS Internet Explorer と
Mozilla Firefox である。これら2つのアプリケーションは市場の 90% 以上を占めてい
る。理論的には標準は W3C (http://www.w3c.org) によって決められるが、これらのブ
ラウザーは必ずしもそれに従っていない。
IE FF W3C オムニ補完
+/- +/- + +
+ + - +
+ - - -
- + - -
ブラウザーの実装状態にかかわらず、ある要素が標準で定められていれば、オムニ補完
プラグインはその要素を候補リストに加える。主流のエンジンが両方ともある要素を実
装していれば、たとえそれが標準で定められていなくても候補リストに加える。それ以
外の要素は候補リストに加えない。
PHP ft-php-omni
PHP コードの補完を行うには tags ファイルが必要である。外部ファイルに書かれた情
報の補完と、クラスを意識した補完のためである。Universal/Exuberant ctags 5.5.4
以降を使うこと。次のサイトで入手できる:
Universal Ctags: https://ctags.io
Exuberant Ctags: http://ctags.sourceforge.net
オムニ補完で以下のものが補完できる:
- $ の後の変数名
- 変数がオブジェクトとして宣言されており、"->" がつく場合、tags ファイルがあ
ればクラス名が表示される。
- "->" の後ではそのクラスの関数名と変数名だけが候補に現れる。クラスの位置と
内容を特定するためには tags ファイルが必要になる。PHP は強い型付けの言語で
はないため、クラス宣言に @var タグをつけるとよい :
しかし @var タグをつけても、myClass の内容を認識するには tags ファイルが必
要になる。
- 追加情報つきの関数名
- 組み込み関数の場合には、とりうる引数のリストと、| の後に関数の戻り値の型情
報が表示される。
- ユーザー定義関数の場合には、引数と、その関数の定義を含むファイル名が表示さ
れる(それがカレントファイルでない場合)
- 定数名
- "new" 宣言の後のクラス名
Note: 最初に補完を行うとき、必要なデータがすべてメモリにロードされる。これに数
秒かかる場合があるが、次回からの補完は気になるほどではなくなるだろう。
補完スクリプトは、カーソルが<?php ?>の中にあるかどうかを検出する。もしカーソル
がこのタグの外側にあれば、自動的に HMTL/CSS/JavaScript 補完に切り替わる。Note:
元の HTML とは異なり、タグの補完が文脈依存ではなくなる。
RUBY ft-ruby-omni
Ruby コードの補完を行うには、vim が +ruby 付きでコンパイルされている必要があ
る。
Ruby のオムニ補完は、補完候補を提供するために必要に応じてバッファをパースする。
補完候補は 'require' で読み込まれたモジュールと、カレントバッファ内で定義され
たモジュールから引き出される。
CTRL-X CTRL-O による補完は、次のように文脈に依存する:
文脈 提供される補完
1. クラス定義の外側 クラス、定数、グローバル変数
2. クラス定義の内側 そのクラスで定義されたメソッド、定数
3. '.', '::', ':' の後 参照されているオブジェクトに適用可能な
メソッド
4. ':', ':foo' の後 シンボル名(:foo の場合は 'foo' で始ま
るもの)
Note:
- 補完を行うためにコードをロードする(評価する)機能がある。これはつまり、コー
ドが実行されることになり、問題となるかもしれない。現在、この機能はデフォル
トで無効になっており、有効にするには次を .vimrc に加える:
パースすることがありうる。デフォルトではこの機能は無効になっており、有効に
するには次を .vimrc に加える:
- 上記の文脈 3 において、Vim はオブジェクトが対応しているメソッドを決定しよう
と試みる。
- Rails プロジェクトのファイルでは Rails 環境を検出し、読み込む機能がある。
デフォルトではこの機能は無効になっており、有効にするには次を .vimrc に加え
る:
SYNTAX ft-syntax-omni
Vim には 500 近くの言語を強調表示する機能がある。この強調表示機能の一部として、
言語で定められたキーワードを認識する機能がある。多くのファイルタイプには既に専
用の補完スクリプトが存在するが、そうでないファイルタイプのために構文強調機能を
利用して基本的な補完機能を提供する syntaxcomplete というプラグインがある。この
プラグインは、Vim がテキストを色付けするために持っている情報を利用して補完リス
トを作成する。syntaxcomplete はどんなファイルタイプに対しても利用可能で、言語
に応じた最小限の補完を提供する。
syntaxcomplete を有効にするにはこのコマンドを実行する:
これを自動的に行うようにするには、以下を .vimrc に書く (":filetype" コマンド
の後で):
これによって、ファイルタイプ専用のプラグインが存在しないときだけ
syntaxcomplete プラグインで補完するようになる。
ファイルタイプの中には幅広い範囲の構文アイテムを持つものもある。
syntaxcomplete プラグインでは、構文グループのうちどれを補完に含めるかをカスタ
マイズできる。ファイルタイプ PHP を例として見てみよう。
index.php という名前のファイルを開き、次のコマンドを実行してみる:
まず最初にたくさんの異なる構文グループがあることに気づくだろう。PHP 言語は
HTML, JavaScript など他の言語の要素を含むことがある。この場合、syntaxcomplete
プラグインはファイルタイプ名 "php" で始まる構文グループだけを含める。例えば、
次の構文グループはデフォルトで含まれる: phpEnvVar, phpIntVar, phpFunctions。
非ファイルタイプの構文アイテムも追加したい場合は、正規表現構文が使える
(autoload/syntaxcomplete.vim のバージョン 13.0 で追加された)。PHP ファイルを編
集中に ":syntax list" の出力を見ると、次のような項目が見えるだろう:
PHP ファイルの編集に JavaScript と HTML のキーワード構文グループを追加するには
各言語ごとに正規表現で設定する。あるいは、正規表現を使わず、単に含めるグループ
を限定して指定できる:
この変数の設定は次のような構文になっている:
PHP 言語は構文強調で色付けできる要素がとてもたくさんある。それらの要素はオムニ
補完リストに現れる。
人によってはこれがわずらわしいと感じたり、その一部だけが欲しい場合がある。リス
トから余分なものを除くには 2 つの方法がある (必要なら)。特定の構文グループを表
示したくない場合はそれを指定するのに 2 つの方法が使える。1 つは構文グループの
名前のリストを指定する方法。もう 1 つは正規表現で構文グループを指定する方法。
次のような設定を vimrc に追加する:
コンマ区切りで任意個数の構文グループを指定できる。この変数の基本的な形式は次の
とおり:
この変数名の末尾のファイルタイプを変えればいくらでもこの変数を定義できる。
syntaxcomplete プラグインは、構文アイテムの単語境界の認識にオプション
'iskeyword' を使用する。例として、Scheme 言語の補完では "-" が単語に含まれる
(call-with-output-file など)。ファイルタイプによってはこれでは期待する補完がで
きないかもしれない。g:omni_syntax_use_iskeyword に 0 を代入すれば
syntaxcomplete プラグインは単語文字の区切りを使わなくなる:
プラグイン開発者のために OmniSyntaxList 関数が公開されている。この関数は構文ア
イテムのリストを得るために使うことができる。例えば SQL ファイルを開いていると
きに (:e syntax.sql) ":syntax list" コマンドを実行してグループと構文アイテムを
確認してみる。例:
次のような出力が表示される:
sqlOperator xxx some prior all like and any escape exists in is not
or intersect minus between distinct
links to Operator
sqlType xxx varbit varchar nvarchar bigint int uniqueidentifier
date money long tinyint unsigned xml text smalldate
double datetime nchar smallint numeric time bit char
varbinary binary smallmoney
image float integer timestamp real decimal
2つの構文グループ sqlOperator と sqlType がある。構文アイテムのリストを得るた
めに OmniSyntaxList をいくつかの方法で呼び出すことができる。構文グループを限定
せずにすべての構文アイテムを得るには次のようにする:
sqlOperator 構文グループの構文アイテムの得るには次のようにする:
sqlOperator 構文グループと sqlType 構文グループの両方の構文アイテムをすべて得
るには次のようにする:
正規表現も使える:
プラグインから呼び出すときは、結果を List に代入して使うのが一般的だろう:
SQL ft-sql-omni
SQL の補完にはステートメント、関数、キーワードが含まれる。また、データベースか
ら直接情報を取得し、テーブル、プロシージャ、ビュー、カラムリストを動的に補完す
ることができる。より詳しい説明とチュートリアルについては omni-sql-completion
を参照。
SQL 補完プラグインは他の補完プラグインと組み合わせて使うことができる。例えば、
PHP にはPHP 用の補完スクリプトがあるが、PHP はよくデータベースにアクセスする動
的なウェブサイトを生成するのに使われるため、SQL 補完プラグインも有効にするとよ
いかもしれない。そうすれば PHP のコードと SQL のコードを両方補完できるようにな
る。
XML ft-xml-omni
Vim 7 には XML ファイルにおける文脈に応じた補完メカニズムがある。この補完メカ
ニズムは特別なファイル xml-omni-datafile に依存し、:XMLns と :XMLent と
いう 2 つのコマンドがある。この補完の機能は以下の通り:
- "<" の後ろでは文脈に応じ、タグ名を補完する。
- タグの内側では適切な属性を補完する。
- 属性の取りうる値が有限個である場合はそれらの補完を支援する。
- 実体名を補完する(xml-omni-datafile 内で定義されたものとカレントファイルの
"<!ENTITY" 宣言にあるもの)
- "</" の後ろで CTRL-X CTRL-O とすると最後に開いたタグを閉じる。
XML データファイルのフォーマット xml-omni-datafile
XML データファイルは 'runtimepath' の中のディレクトリ "autoload/xml" に保存さ
れる。標準でディレクトリ "$VIMRUNTIME/autoload/xml" にデータファイルのサンプル
が入っている。これらのファイルにはコマンドで指定できる意味のある名前がついてい
る。XML データファイルは衝突が起きないように一意な名前をつけるべきである。例え
ば、xhtml10s.vim という名前は XHTML 1.0 Strict 用のデータファイルであることを
意味している。
各サンプルファイルには g:xmldata_xhtml10s のような名前の変数が含まれている。こ
の変数の値は2つの部分からなる:
1. "g:xmldata_" 一般的なプリフィックス。全データファイルで共通。
2. "xhtml10s" ファイル名であり、記述された XML ダイアレクトの名前。この名前
がコマンド :XMLns の引数として使われる。
2. は正確にファイル名と同じでなければならない。
この変数は辞書 Dictionary である。キーはタグ名で、値は2個の要素を持つリスト
である。リストの最初の要素はまたリストであり、有効な子ノードの名前を持つ。2番
目の要素は辞書 Dictionary であり、属性名がキーで、その属性の取りうる値が値で
ある。例:
この例を保存するファイルは "autoload/xml/crippled.vim" となり、以下のような
ファイルを書くために使われる:
この例には4個の特別な要素が含まれている:
1. "vimxmlentities" - 特別なキー。対応する値は、この XML ダイアレクトの実体を
要素に持つリスト。
2. 属性の取りうる値を定めるリストの長さが 1 であり、その要素が属性名と等しい場
合、この要素は boolean とみなされ、'attrname="' でなく 'attrname' が補完さ
れる。
3. "vimxmltaginfo" - 特別なキー。対応する値は、タグ名をキー、長さ 2 のリストを
値として持つ辞書。追加のメニュー情報と長い説明を保持する。
4. "vimxmlattrinfo" - 特別なキー。対応する値は、属性名をキー、長さ 2 のリスト
を値として持つ辞書。追加のメニュー情報と長い説明を保持する。
Note: XML データファイル中のタグ名は名前空間を含んではならない。例として
xsl.vim を参照。
Note: 全データと関数はグローバル変数/関数として公開されており、個人的な編集関
数用にも使える。
DTD -> Vim dtd2vim
DTD をパースし、XML オムニ補完用の XML データファイルを作成するスクリプト
dtd2vim が www 上にある。
dtd2vim: http://www.vim.org/scripts/script.php?script_id=1462
詳しい使い方はスクリプトの先頭を参照。
このスクリプトを使うには perl と
perlSGML: http://savannah.nongnu.org/projects/perlsgml
が必要。
コマンド
:XMLns {name} [{namespace}] :XMLns
XML オムニ補完を行うには、使うデータファイルと名前空間を指定しなければならない。
データファイルを読み込み、データを適切な名前空間に結びつけるにはコマンド
:XMLns を使う。第 1 引数(必須)でデータの名前を指定する(xhtml10s, xsl)。
第 2 引数で名前空間コードを指定する(h, xsl)。第 2 引数を省略して実行した場合は
名前空間宣言なしでダイアレクトが使われる。例として .xsl ファイルで XML 補完を
するには次のようにする:
:XMLent {name} :XMLent
既定ではデフォルト名前空間のデータファイルからエンティティが補完される。コマン
ド XMLent はデフォルト名前空間が存在しない場合に使う:
使用例
この状態で(上記のコマンドを実行した後。カーソルが | の位置にあるとする):
XML オムニ補完すると適切な XHTML タグが補完される。また、次の状態:
で補完すると適切な XSL タグが補完される。
autoload によりロードされるスクリプト xmlcomplete.vim の中で
xmlcomplete#GetLastOpenTag() が定義されており、この関数を使うと XML ファイル内
で最後に開いたタグの名前が得られる(b:unaryTagsStack が定義されていなければなら
ない):
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8. 挿入モードのコマンド inserting
下のコマンドはバッファに新しいテキストを挿入するのに使うことができる。それらは
全て取り消すことができるし、"." コマンドで繰り返すことができる。
a
a カーソルの後ろにテキストを[count]回追加する。
'virtualedit' がセットされていないなら、カーソルが空行
の最初のカラムにあるときはそこに挿入する。
A
A 行末にテキストを[count]回追加する。
矩形ビジュアルモードで "A" を使うなら v_b_A を参照。
<insert> or i insert <Insert>
i カーソルの前にテキストを[count]回挿入する。
挿入モード中のCTRL-O i_CTRL-O で使うときはカウントは
サポートされていない。
I
I 行の先頭の非空白文字の前にテキストを[count]回挿入す
る。
'cpoptions' にフラグ 'H' が入っている場合、空白のみを
含む行では最後の空白文字の1文字前から挿入を開始する。
矩形ビジュアルモードで "I" を使うなら v_b_I を参照。
gI
gI カラム1からテキストを[count]回挿入する。
gi
gi カレントバッファの最後に入力がされた場所にテキストを
入力する。
これは'^マークを使う。マークが行末を越えているとき
に "'^i" と動作が異なる。
行が挿入、削除されていると入力位置は調整されるが、文
字単位の変更は考慮されない。
:keepjumpsコマンドが使われると'^マークは変更されな
い。
o
o カーソルのある行の下に新しい行を作り、そこにテキストを
[count]回繰り返し挿入する。
'cpoptions' にフラグ '#' が入っている場合、カウント指
定は無視される。
O
O カーソルのある行の上に新しい行を作り、そこにテキストを
[count]回繰り返し挿入する。
'cpoptions' にフラグ '#' が入っている場合、カウント指
定は無視される。
これらのコマンドはテキストの挿入を開始するのに使われる。挿入モードは<Esc>で止
めることができる。挿入モードでのその他の特殊な文字はmode-ins-replを参照。
[count]の効果は挿入モードから抜けた時に現れる。
'autoindent' が設定されている時には、新しい行のインデントに、前の行と同じもの
が使用される。'smartindent' か 'cindent' が設定されている時には、行のインデン
トはCプログラム(ソースコード)のスタイルに、自動的に調整される。
'formatoptions' オプションで新しい行を始める時にコメント開始文字列をコピーする
設定ができる。
'textwidth' は、行の最大幅(文字数)を設定することができる。文字を追加している時
に行が長くなりすぎると、自動的に改行が挿入される。
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9. Exの挿入コマンド inserting-ex
:a :append
:{range}a[ppend][!] 指定された行の下に何行分かのテキストを挿入する。
{range}が省略された場合、テキストは現在行の後から挿入
される。
[!] をつけるとその実行中のみ 'autoindent' をトグルする。
このコマンドは変数名ととても混同しやすいため、Vim9
script ではサポートされない。
:i :in :insert
:{range}i[nsert][!] 指定された行の上に何行分かのテキストを挿入する。
{range}が省略された場合、テキストは現在行の前から挿入
される。
[!] をつけるとその実行中のみ 'autoindent' をトグルする。
このコマンドは変数名ととても混同しやすいため、Vim9
script ではサポートされない。
これら2つのコマンドは、"." だけを含んだ行を入力するまで、挿入すべきテキストを
待ちつづける。バックスラッシュで始まる行には警戒すべし。line-continuation参
照。
"|" コマンド区切り文字の後に入力されたテキストが最初に使用される。したがって、
ex モードの以下のコマンドは:
Ex-mode では、これらのコマンドが :global または :vglobal とともに使用さ
れると、行はコマンドに続くテキストから取得される。行はバックスラッシュでエス
ケープされた NL で区切る:
NOTE: ":append" と ":insert" は、":if" と ":endif"、":for" と ":endfor"、
":while" と ":endwhile" の間では正しく動作しない。
:start :startinsert
:star[tinsert][!] このコマンドの実行直後に挿入モードを開始する。ノーマル
モードで "i" をタイプしたように働く。!が含まれていた時
には、行に追加する "A" のように働く。そうでなければ現
在の位置から挿入が始まる。関数やスクリプトの中でこのコ
マンドを使用したときには、関数やスクリプトが終了してか
ら挿入が始まることに注意。
:normal からこのコマンドを呼び出すと機能しない。
:stopi :stopinsert
:stopi[nsert] できるだけ早く挿入モードを中止する。挿入モードで
<Esc>を押したように機能する。
自動コマンドで使うことができる。例:
replacing-ex :startreplace
:startr[eplace][!] このコマンドを実行した直後に置換モードに入る。ノーマル
モードにおける "R" とちょうど同じ。"!" をつけると "$R"
とタイプしたのと同じになる(つまり行末から置換モードを
開始する)。"!" をつけないとカーソル位置から置換モード
を開始する。
Note 関数やスクリプトの中からこのコマンドを実行すると、
その関数・スクリプトが終了した後ではじめて置換モード
になることに注意。
:startgreplace
:startg[replace][!] :startreplace と同様だが、gR のような仮想置換
モードになる。
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10. ファイルを挿入する inserting-file
:r :re :read
:r[ead] [++opt] [name] カーソルの後ろに、ファイル[name] (省略した場合:現在の
ファイル)を挿入する。
[++opt] として指定できる値については ++opt を参照。
:{range}r[ead] [++opt] [name]
指定した行の下に、ファイル[name](省略した場合:現在の
ファイル)を挿入。
[++opt] として指定できる値については ++opt を参照。
:r! :read!
:[range]r[ead] [++opt] !{cmd}
カーソルまたは指定行の後ろに、{cmd}を実行したその標準
出力の内容を挿入。コマンドの出力を蓄え、バッファに読み
込むために、テンポラリファイルが使用される。コマンドの
出力を保存するために 'shellredir' が使用されるので、標
準エラー出力も含めるか含めないか指定することができる。
{cmd}は ":!{cmd}" と同じように実行されるので、'!' だけ
を指定した場合には、以前に実行された:!コマンドに置き
換えられる。
[++opt] として指定できる値については ++opt を参照。
これらのコマンドは、ファイルの内容、もしくはコマンドの出力をバッファへ挿入す
る。これらは取り消す(UNDO)ことができる。これらは "." コマンドで繰り返すことは
できない。これらは行単位で行われる操作で、挿入はカーソルの直後のラインからか、
指定したラインの直後から行われる。一番最初のラインより上(ファイルの先頭)に挿入
するには ":0r {name}" というコマンドを使う。
":read" コマンドの後には、新しいラインの左で、最初の空白でない文字にカーソルが
移動する。もしExモードでなければ、カーソルは新しい行の最後の左側に移動する(残
念だがViとの互換性のため)。
":r" にファイル名が与えられた場合、それが代替バッファのファイルになる。これは
例えば代わりにそのファイルを編集したい時に使うことができる: ":e! #"。
'cpoptions' オプションから 'a' フラグを削除することで、オフに切り替えることが
できる。
":read" には特別な [++opt] 引数が1つある。++edit である。これは実際にファイル
を開いたときと同じようにファイルを挿入したい場合に便利である。空のバッファで次
のコマンドを実行してみよ:
に対して検出された値になる。ただし、(:e filename とした場合と異なり)バッファの
先頭に余計な空行が 1 行入ってしまう。これは削除したほうがいいだろう。
file-read
'fileformat' オプションがファイルの<EOL>の流儀を決定する:
'fileformat' 文字 名前
"dos" <CR><NL> or <NL> DOS format
"unix" <NL> Unix format
"mac" <CR> Mac format
以前には 'textmode' が使用された。それは現在では廃れている。
'fileformat' が "dos" の時には、<NL>の前の<CR>は無視され、ファイルの終端にある
CTRL-Zもまた無視される。
'fileformat' が "mac" の時には、ファイル内の<NL>は内部的に<CR>によって表現され
る。これは<NL>を表現するために使用される<NUL>との混同を避けるためである。
CR-used-for-NL参照。
'fileformats' オプションが空でなかったら、Vimは<EOL>のタイプを識別しようと試み
る(file-formats参照)。しかしながら、'fileformat' オプションは変更されない。
検出されたフォーマットはファイルの読み込みの際にだけ使用される。
'fileencodings' についても同様。
Win32以外のシステムではDOSフォーマットのファイルを読み込んだときには、普通では
ないことが起きたことを知らせるために、"[dos format]" というメッセージが表示さ
れる。
マッキントッシュとWin32においては、ファイルがUnixフォーマットであった場合に、
"[unix format]" というメッセージが表示される。
マッキントッシュ以外のシステムでは、ファイルがマックフォーマットであった場合
に、"[mac format]" というメッセージが表示される。
":r !" をどう使うかの例:
込む。e-mailを編集していて、バイナリファイルを含めたい時に便利である。
read-messages
ファイルを読み込むときVimはその情報を表示する。いくつかのものについての説明
をあげる。他のものは見ればわかる。ロングとショートのどちらを使うかは
'shortmess' オプションに依存する。
ロング ショート 意味
[readonly] {RO} ファイルは書き込み制限されている
[fifo/socket] ストリームを使っている
[fifo] FIFOストリームを使っている
[socket] ソケットストリームを使っている
[CR missing] "dos" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてCRのないNLを見つけた
[NL found] "mac" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてNLを見つけた(unixフォーマット
なのだろう)
[long lines split] 少なくとも1つの行が2つに分割された
[NOT converted] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
が失敗した
[converted] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
を実施した
[crypted] 暗号が解除された
[READ ERRORS] ファイルを全ては読み込めなかった
{訳注: 以下日本語メッセージの場合:
ロング ショート 意味 ~
[読込専用] [読専] ファイルは書き込み制限されている
[FIFO/ソケット] ストリームを使っている
[FIFO] FIFOストリームを使っている
[ソケット] ソケットストリームを使っている
[CR無] "dos" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてCRのないNLを見つけた
[NL有] "mac" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてNLを見つけた(unixフォーマット
なのだろう)
[長行分割] 少なくとも1つの行が2つに分割された
[未変換] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
が失敗した
[変換済] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
を実施した
[暗号化] 暗号が解除された
[読込エラー] ファイルを全ては読み込めなかった
}
vim:tw=78:ts=8:noet:ft=help:norl:
VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
Insert Insert-mode
テキストの挿入と置換 mode-ins-repl
このファイルの大部分は挿入と置換モードについて記述してある。終わりのほうにテキ
ストを挿入する別の方法を記述している。
よく使われるコマンドの概要がユーザーマニュアルの24章usr_24.txtにある。
1. 特別なキー ins-special-keys
2. もっと特別なキー ins-special-special
3. 'textwidth'と'wrapmargin'オプション ins-textwidth
4. 'expandtab'、'smarttab'それと'softtabstop'オプション ins-expandtab
5. 置換モード Replace-mode
6. 仮想置換モード Virtual-Replace-mode
7. 挿入モードの補完 ins-completion
8. 挿入モードのコマンド inserting
9. Exの挿入コマンド inserting-ex
10. ファイルを挿入する inserting-file
文字のない場所にカーソルと移動するためには 'virtualedit' も参照すること。表を
編集するときに便利である。
==============================================================================
1. 特別なキー ins-special-keys
挿入と置換モードでは、以下の文字には特別な意味がある。その他の文字はそのまま入
力される。それらの特別な文字をバッファに入力するには、CTRL-Vに続けて入力する。
<Nul>文字を入力するには "CTRL-V CTRL-@" か "CTRL-V 000" を使用する。あるシステ
ムでは、CTRL-Cを入力するのに "CTRL-V 003" を使わなければならない。Note: CTRL-V
に他の動作がマップされているときは、多くの場合、代わりにCTRL-Qを使う
i_CTRL-Q。
テキストを入力する際に特別な言語のモードを使用している場合、いつもこのモードが
ON/OFFと切り替えられてしまうのをどう避けるかを知るには 'langmap' オプション
('langmap') を参照すること。
'insertmode' を設定した場合には、<Esc>と他の幾つかのキーに別の意味が与えられ
る。'insertmode' を参照。
文字 アクション
-----------------------------------------------------------------------
i_CTRL-[ i_<Esc>
<Esc> or CTRL-[ 挿入/置換モードを終了し、ノーマルモードに戻る。短縮入力を終了
する。
Note: キーボードによっては<Esc>が押し難いかもしれないが、その
時にはCTRL-[を使うようにする。
Mac で Esc が効かないときは CTRL-<Esc> を試す。または、アクセ
シビリティ設定の音声認識を無効化する。
i_CTRL-C
CTRL-C 挿入モードを終了し、ノーマルモードに戻る。短縮入力はチェック
しない。CTRL-C で挿入モードを抜けると InsertLeave が発生しな
い。
i_CTRL-@
CTRL-@ 直前に挿入されたテキストをもう一度挿入し、挿入を終了する。
i_CTRL-A
CTRL-A 直前に挿入されたテキストをもう一度挿入する。
i_CTRL-H i_<BS> i_BS
<BS> or CTRL-H カーソルの前の文字を削除する(行同士の連結については
i_backspacing参照)。
<BS>キーが想定するように働かない場合には:fixdelを参照。
i_<Del> i_DEL
<Del> カーソルの下の文字を削除する。カーソルが行末にあり、
'backspace' オプションに "eol" が含まれている場合には、<EOL>が
削除される; 現在の行の後ろに次の行が接続される。
<Del>キーが想定するように働かない場合には:fixdelを参照。
i_CTRL-W
CTRL-W カーソルの前にある単語を削除する(行同士の連結については
i_backspacing参照)。単語の定義については "word motions" の節
word-motionsを参照。
i_CTRL-U
CTRL-U 現在の行のカーソルの前に入力された文字を全部削除する。新しく入
力した文字が無く 'backspace' が空ではない時は、カーソル前の全
ての文字を削除する。
Cソースコードのインデントが有効な場合で行が空白になるとき、イ
ンデントは調整される。
行同士の連結については i_backspacing を参照。
i_CTRL-I i_<Tab> i_Tab
<Tab> or CTRL-I タブを挿入する。'expandtab' オプションが設定されていれば、同じ
数の空白文字が挿入される(展開を避けるためにはCTRL-V <Tab>を使
う。CTRL-Vに他の動作がマップされているときはCTRL-Q <Tab>を使
うi_CTRL-Q)。'smarttab' オプションとins-expandtabも参照。
i_CTRL-J i_<NL>
<NL> or CTRL-J 新しい行を始める。
i_CTRL-M i_<CR>
<CR> or CTRL-M 新しい行を始める。
i_CTRL-K
CTRL-K {char1} [char2]
ダイグラフ(digraphs参照)を入力する。{char1}が特別なキーだっ
た場合、そのキーのコードが<>の形で挿入される。例えば、
<C-K><S-Space>(キー2つ)と入力することで、文字列 "<S-Space>" が
入力される。マッピングも考慮されない。
CTRL-N 次のキーワードを探す(i_CTRL-Nを参照)。
CTRL-P 前のキーワードを探す(i_CTRL-Pを参照)。
CTRL-R {register} i_CTRL-R
レジスタの内容を挿入する。CTRL-R をタイプしてから2つ目の文字を
タイプするまで、レジスタの名前の入力が期待されていることを示す
ため、'"'が表示される。
テキストはタイプしたかのように挿入されるが、マッピングや短縮入
力の展開はされない。'textwidth', 'formatoptions' または
'autoindent' のようなオプションが設定されている場合には、入力
されたテキストに対して効力を持つ。これは "p" コマンドやマウス
による貼り付けとは、違う動作になる。
特別なレジスタ:
'"' 最後に削除されたりヤンクされたテキストの入って
いる、名前なしレジスタ
'%' 現在のファイル名
'#' 代替バッファのファイル名
'*' クリップボードの内容 (X11: プライマリセレク
ション)
'+' クリップボードの内容
'/' 最後に検索を行ったパターン
':' 最後に実行したコマンドライン
'.' 最後に挿入したテキスト
i_CTRL-R_-
'-' 最後に削除した小さい (行単位以下の) レジスタ。
これは、挿入するリテラルテキストの代わりに貼り
付けるレジスタを記憶しているので、. を使って
繰り返すことができる。
i_CTRL-R_=
'=' 式評価レジスタ: 式評価の入力を求められる
(expression参照)。
Note 0x80 (10進数で 128) は特殊なキーのために
使われる。例えば、次のコマンドでカーソルを上に
移動できる:
CTRL-R ="\<Up>"
文字をそのまま挿入するには CTRL-R CTRL-R を使
うこと。
結果が List のときは各要素を行として挿入する。
要素の中に改行文字があってもよい。
結果が浮動小数点数のときは自動的に文字列に変換
される。
append() や setline() が使われると undo シーケ
ンスが分割される。
レジスタについてはregistersを参照。
CTRL-R CTRL-R {register} i_CTRL-R_CTRL-R
レジスタの内容を挿入する。CTRL-R が1つの時と同様に働くが、タイ
プされたようにではなく、テキストは文字通りに挿入される。これは
レジスタに<BS>のような文字が含まれていた場合に違いを生じる。例
えば "ab^Hc" という内容のレジスタaがあった場合:
CTRL-R a 結果は "ac".
CTRL-R CTRL-R a 結果は "ab^Hc".
'textwidth' や 'formatoptions' などのオプションは適用される。CTRL-R CTRL-R a 結果は "ab^Hc".
これらのオプションを無効にするには CTRL-R CTRL-O を使用する。
以下参照。
'.' レジスタ(最後に挿入されたテキスト)は、タイプされたように挿
入される。
このコマンドの後、'.' レジスタにはレジスタからタイプされたかの
ように挿入されたテキストが含まれる。
CTRL-R CTRL-O {register} i_CTRL-R_CTRL-O
レジスタの内容が文字通り挿入され、自動インデントも行われない。
マウスによる貼り付け <MiddleMouse> と同様である。レジスタが
linewise の時は、テキストを P と同様に現在行の上に挿入する。
'.' レジスタ(最後に挿入されたテキスト)は、タイプされたように挿
入される。
このコマンドの後、'.' レジスタにはテキストではなく打たれたコマ
ンドが含まれる。すなわち、レジスタからのテキストではなく、リテ
ラルの "^R^O" である。
Replace-mode では文字を置換しない!
CTRL-R CTRL-P {register} i_CTRL-R_CTRL-P
レジスタの内容が文字通りに挿入され、インデントが
[<MiddleMouse> 同様に修正される。
'.' レジスタ(最後に挿入されたテキスト)は、タイプされたように挿
入される。
このコマンドの後、'.' レジスタにはテキストではなく打たれたコマ
ンドが含まれる。すなわち、レジスタからのテキストではなく、リテ
ラルの "^R^P" である。
Replace-mode では文字を置換しない!
i_CTRL-T
CTRL-T 現在の行の先頭にshiftwidth 1単位分の字下げを挿入する。字下げ幅
は 'shiftwidth' に丸められる(これはviと同じ)。
i_CTRL-D
CTRL-D 現在の行の先頭の字下げを、shiftwidth 1単位分削除する。字下げ幅
は 'shiftwidth' に丸められる(これはviと同じ)。
i_0_CTRL-D
0 CTRL-D 現在行の字下げを完全に削除する。
i_^_CTRL-D
^ CTRL-D 現在行の字下げを完全に削除する。次の行では字下げは元に戻され
る。これはラベルを入力する際に役に立つ。
i_CTRL-V
CTRL-V 続く非数字文字を文字通りに挿入する。特別なキーはターミナルコー
ドが挿入される。10進数、8進数、16進数、の数字で文字コードを直
接指定することもできるi_CTRL-V_digit。CTRL-Vの後の入力には
マップは適用されない。
Note: CTRL-Vに他の動作がマップされているとき(例えばテキストを
ペーストするなど)、その場合には代わりにCTRL-Qを使用する
i_CTRL-Q。
modifyOtherKeys が有効化されているときは、特別なエスケープ
シーケンスは modifyOtherKeys が無いときの文字に逆変換される。
ただし、Shift キーも押されているときを除く。
i_CTRL-Q
CTRL-Q CTRL-Vと同じ。
Note: ある種のターミナルではCTRL-Qを使用できない。GUIでは使え
る。
CTRL-SHIFT-V i_CTRL-SHIFT-V i_CTRL-SHIFT-Q
CTRL-SHIFT-Q modifyOtherKeys が有効でなければ CTRL-V とちょうど同じように
動く。そうでなければ修飾子付きのキーに対応するエスケープシーケ
ンスを挿入する。
CTRL-X CTRL-Xモードに入る。これは単語の補完やウィンドウスクロールのコ
マンドを入力する、サブモードである。i_CTRL-Xと
ins-completionを参照。
i_CTRL-E
CTRL-E カーソルの下の行の同じ位置の文字を挿入。
i_CTRL-Y
CTRL-Y カーソルの上の行の同じ位置の文字を挿入。
'textwidth' はCTRL-EとCTRL-Yには、長い行から文字をコピーするこ
とを可能にするために、効力を発揮しないことに注意。
i_CTRL-_
CTRL-_ 次に示すように言語を切り替える:
- 右→左ウィンドウでは、revinsとnohkmapに切り替えられ、この場
合英語を挿入できるようになる。
- 右→左ウィンドウ以外ではrevinsとhkmapに切り替えられ、この場
合ヘブライ語を挿入できるようになる。
CTRL-_はカーソルをタイプ済みテキストの末尾に移動させる。
このコマンドは 'allowrevins' オプションが設定されている時のみ
有効。
右→左モードについての詳しい情報はrileft.txtを参照。
+rightleft機能を有効(にしてコンパイルした時にだけ使用可能。
i_CTRL-^
CTRL-^ 入力言語を切替える。
言語マッピング:lmapが定義されているとき:
'iminsert' が1(言語マッピングが使われている)なら0(言語マッ
ピングを使わない)になる。
'iminsert' が他の値なら1になる。したがって言語マッピングが
有効になる。
言語マッピングが定義されていないとき:
'iminsert' が2(インプットメソッドが使われている)なら0(イン
プットメソッドを使わない)になる。
'iminsert' がその他の値なら2になる。したがってインプットメ
ソッドが有効になる。
'iminsert' を1にすると "b:keymap_name" の値、または 'keymap'
オプションか "<lang>" がステータスラインに表示される。
言語マッピングは通常はキーボードにない文字を打つのに使われる。
これらの値を設定するために 'keymap' オプションを使える。
i_CTRL-]
CTRL-] 文字を入れることなく、短縮入力をトリガーする。
i_<Insert>
<Insert> 挿入と置換モードを交互に切り替える。
-----------------------------------------------------------------------
i_backspacing
<BS>、CTRL-WそしてCTRL-Uの効果は 'backspace' オプションに依存している('revins'
が設定されていなければ)。これは下記の項目をコンマで区切ったリストになっている:
項目 アクション
indent 字下げをバックスペースで消去可能
eol 行末をバックスペースで消去可能(行を連結)
start 挿入の開始点を超えてバックスペースで消去可能; CTRL-WとCTRL-Uは一度
スタート地点で停止する。
'backspace' が空の時、Vi互換のバックスペースが使用される。自動字下げや、第1カ
ラムの前、そして挿入の開始点を超えてのバックスペースはできない。
下位互換性のために、値として "0"、"1"、"2" そして "3" を使用することもできる。
'backspace' 参照。
'backspace' オプションが "eol" を含まれている時に、カーソルが第1カラムにあり、
3つのキーのうちどれかが押されると、現在の行が1行前の行に連結される。これはカー
ソルの前にある<EOL>を事実上消している。
i_CTRL-V_digit
CTRL-Vに続けて、10進数、8進数、16進数のどれかで文字コードを直接入力することが
できる。この方法で改行 (<NL>, 数値 10) 以外のどんな文字でも入力することができ
る。文字コードを入力するには5つの方法がある。
最初の文字 モード 最大文字数 最大値
(なし) 10進数 3 255
o か O 8進数 3 377 (255)
x か X 16進数 2 ff (255)
u 16進数 4 ffff (65535)
U 16進数 8 7fffffff (2147483647)
入力できる文字数の最大まで入力すると、例えば<C-V>032と入力した場合にはスペー
ス(値32)が入る。一番上の桁のゼロは省略することができる。その場合には数値を入
力した後に入力する文字は数字以外でなければならない。これは他のモードでも同じ
である。モード中で無効な文字を入力した場合には、それ以前に入力されたものが使
われ無効な文字は通常の入力として扱われる。
値10を入力すると、それは0になってしまう。数値10は<NL>であり、内部で<Nul>文字
を表すのに使われている。バッファをファイルに書き出すときに<NL>は<Nul>に変換
される。<NL>は各行末に出力されるので、<NL>をファイルに書きたければ改行するこ
と。
'fileformat' も参照。
i_CTRL-X insert_expand
CTRL-Xを押すと、幾つかのコマンドを使用することができる、サブモードに入る。これ
らのコマンドの多くはキーワードの補完である; ins-completion参照。
次の2つのコマンドは、挿入モードを抜けることなくウィンドウを上下にスクロールさ
せることができる:
i_CTRL-X_CTRL-E
CTRL-X CTRL-E ウィンドウを1行上にスクロール。
補完途中での機能については complete_CTRL-E を参照。
i_CTRL-X_CTRL-Y
CTRL-X CTRL-Y ウィンドウを1行下にスクロール。
補完途中での機能については complete_CTRL-Y を参照。
CTRL-Xを押した後にCTRL-E(もしくはCTRL-Y)を押すと、現在のファイル内でカーソルを
現在の位置から動かすことなく、ウィンドウが1行上(下)にスクロールする。関係ない
キーが押されると、すぐにCTRL-Xモードは終了し、そのキーが挿入モードで押されたも
のとして解釈される。
==============================================================================
2. もっと特別なキー ins-special-special
下のキーは特別である。これらは現在の挿入を中断し、何かを行い、そして挿入を再開
する。これは挿入モードを出ることなく、何かをすることができることを意味してい
る。これはモードが分かれていない普通のエディタのように、常に挿入モードを使用す
るのが好みの場合には、とても便利である。これには 'backspace' オプションに
"indent,eol,start" を設定し、'insertmode' オプションを設定すると良いだろう。コ
マンドにファンクションキーをマップしたいならば、CTRL-Oを使うことができる。
これらのキーを使用する前後の変更(文字の挿入や削除)は、別々に取り消すことができ
る。最後の変更だけがやり直すことができ、常に "i" コマンドのように振舞う。
文字 アクション
-----------------------------------------------------------------------
<Up> カーソルを1行上へ移動する i_<Up>
<Down> カーソルを1行下へ移動する i_<Down>
CTRL-G <Up> 1行上の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_<Up>
CTRL-G k 1行上の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_k
CTRL-G CTRL-K 1行上の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_CTRL-K
CTRL-G <Down> 1行下の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_<Down>
CTRL-G j 1行下の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_j
CTRL-G CTRL-J 1行下の、挿入開始位置と同じ列へ移動 i_CTRL-G_CTRL-J
<Left> カーソルを1文字左へ移動する i_<Left>
<Right> カーソルを1文字右へ移動する i_<Right>
<S-Left> カーソルを1単語前へ("b"コマンドのように) i_<S-Left>
<C-Left> カーソルを1単語前へ("b"コマンドのように) i_<C-Left>
<S-Right> カーソルを1単語後へ("w"コマンドのように) i_<S-Right>
<C-Right> カーソルを1単語後へ("w"コマンドのように) i_<C-Right>
<Home> カーソルを行の最初の文字へ i_<Home>
<End> カーソルを行の最後の文字の後へ i_<End>
<C-Home> カーソルをファイルの最初の文字へ i_<C-Home>
<C-End> カーソルをファイルの最後の文字の後へ i_<C-End>
<LeftMouse> カーソルをマウスでクリックした位置へ i_<LeftMouse>
<S-Up> 1ページ上へ i_<S-Up>
<PageUp> 1ページ上へ i_<PageUp>
<S-Down> 1ページ下へ i_<S-Down>
<PageDown> 1ページ下へ i_<PageDown>
<ScrollWheelDown> ウィンドウを3行下へ移動 i_<ScrollWheelDown>
<S-ScrollWheelDown> ウィンドウを1ページ下へ移動 i_<S-ScrollWheelDown>
<ScrollWheelUp> ウィンドウを3行上へ移動 i_<ScrollWheelUp>
<S-ScrollWheelUp> ウィンドウを1ページ上へ移動 i_<S-ScrollWheelUp>
<ScrollWheelLeft> ウィンドウを6列左へ移動 i_<ScrollWheelLeft>
<S-ScrollWheelLeft> ウィンドウを1ページ左へ移動 i_<S-ScrollWheelLeft>
<ScrollWheelRight> ウィンドウを6列右へ移動 i_<ScrollWheelRight>
<S-ScrollWheelRight> ウィンドウを1ページ右へ移動 i_<S-ScrollWheelRight>
CTRL-O 1つコマンドを実行して、挿入モードに戻る i_CTRL-O
CTRL-\ CTRL-O CTRL-O と同様だがカーソルを移動させない i_CTRL-\_CTRL-O
CTRL-L 'insertmode' がオンのとき: ノーマルモードへ i_CTRL-L
CTRL-G u undo のシーケンスを終了し、新しい変更を開始 i_CTRL-G_u
CTRL-G U カーソルが同じ行内にある場合、次の左右への i_CTRL-G_U
カーソル移動で新しい undo ブロックを開始しない
-----------------------------------------------------------------------
Note: カーソルキーを押した時に挿入モードから抜けてしまったら、'noesckeys' オプ
ションをチェックする。
CTRL-Oコマンドは時々副作用を生じる: カーソルが行末を越えている場合に、行の最後
の文字の上へ移動してしまうかもしれない。マッピングでは<Esc>を使うのが無難であ
る (まず "x" を入力し、<Esc>を押すとカーソルは常にその文字の上に置かれる)。ま
たは CTRL-\ CTRL-O を使う。しかしその場合はカーソルが行末を越えてしまう可能性
があることに注意。Note: CTRL-\ CTRL-O で実行するコマンドではカーソルを移動する
ことができる。カーソル位置は復元されない。
CTRL-O コマンドではノーマルモードに移動できる。その最中に挿入モードに再突入す
るコマンドを使ってもそれはモードが入れ子になるわけではない。例えば "a<C-O>a"
と入力してから <Esc> を押した場合にはノーマルモードに戻る。<Esc> を 2 度タイプ
する必要はない。タイピングではない方法、例えばマッピングや source したスクリプ
トから実行した時は例外で、モードは入れ子になる。そのため上記の「"a<C-O>a" と入
力してから <Esc>」をマッピングにより入力した場合には、ノーマルモードではなく挿
入モードになる。
Shiftキーを押しながらのカーソルキー操作は、全ての端末で可能なわけではない。
更に副作用として、"i" や "a" コマンドでの回数指定は無視される。そうしないと
CTRL-Oでのコマンドの繰り返しが複雑になってしまう。
CTRL-G u を使う例:
:inoremap <C-H> <C-G>u<C-H>
これは undo できるバックスペースキーを再定義している。これで以前の入力を変
更することなく CTRL-O u を使ってバックスペースの結果を元に戻せる。もう1つの
例:
:inoremap <CR> <C-]><C-G>u<CR>
これは改行ごとに新しい undo ブロックを始める。また、それを行う前に短縮入力の展
開も行う。
CTRL-G U の使用例:
inoremap <Left> <C-G>U<Left>
inoremap <Right> <C-G>U<Right>
inoremap <expr> <Home> col('.') == match(getline('.'), '\S') + 1 ?
\ repeat('<C-G>U<Left>', col('.') - 1) :
\ (col('.') < match(getline('.'), '\S') ?
\ repeat('<C-G>U<Right>', match(getline('.'), '\S') + 0) :
\ repeat('<C-G>U<Left>', col('.') - 1 - match(getline('.'), '\S')))
inoremap <expr> <End> repeat('<C-G>U<Right>', col('$') - col('.'))
inoremap ( ()<C-G>U<Left>
inoremap <Right> <C-G>U<Right>
inoremap <expr> <Home> col('.') == match(getline('.'), '\S') + 1 ?
\ repeat('<C-G>U<Left>', col('.') - 1) :
\ (col('.') < match(getline('.'), '\S') ?
\ repeat('<C-G>U<Right>', match(getline('.'), '\S') + 0) :
\ repeat('<C-G>U<Left>', col('.') - 1 - match(getline('.'), '\S')))
inoremap <expr> <End> repeat('<C-G>U<Right>', col('$') - col('.'))
inoremap ( ()<C-G>U<Left>
これにより新しい undo ブロックを開始することなくカーソルキーを挿入モード内で使
うことができ、. (および redo) は期待通りに動作するようになる。
また次のような (上記の "(" マッピングをともなう) テキスト入力:
Lorem ipsum (dolor
は . を使用して期待通り繰り返すことができるようになる。
Lorem ipsum (dolor)
CTRL-O は undo 位置を分割する。つまり、その前後に入力したテキストが別々にundo
されるようになる。これを避けたい場合(マッピングの中などで)は CTRL-R =
i_CTRL-R が使えるだろう。例: 関数を呼ぶ:
:imap <F2> <C-R>=MyFunc()<CR>
'whichwrap' オプションが適切に設定されているならば、行の先頭/末尾での<Left>と
<Right>キーは、カーソルを上の行や下の行へ移動させる。
CTRL-G j と CTRL-G k コマンドはカラムの前にテキストを挿入するのに使える。
例:
int i;
int j;
カーソルが最初の "int" にあるとき、"istatic <C-G>j " と入力するとこうなint j;
る:
static int i;
int j;
全ての行のカラムに同じテキストを挿入するには矩形ビジュアルコマンド "I" v_b_Iint j;
を使う。
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3. 'textwidth'と'wrapmargin'オプション ins-textwidth
'textwidth' オプションは入力中の行が長くなりすぎる前に、自動的に改行を行うため
に使うことができる。'textwidth' オプションには望む最大行長を設定する。それを超
えて文字(空白とタブを除く)を入力すると最後の単語が(それがその行の唯一の単語で
無いならば)次の行に置かれる。'textwidth' に0を設定すれば、この機能を無効にする
ことができる。
'wrapmargin' オプションはこれとほとんど同じことをする。違いは 'textwidth' は固
定幅なのに対して、'wrapmargin' はスクリーンの幅に依存する。'wrapmargin' を使用
することは、'textwidth' に(スクリーンのカラム数 - 'wrapmargin' に与えた値)を設
定することに等しい。
'textwidth' と 'wrapmargin' が両方とも設定されていた場合には、'textwidth' が使
用される。
もしも本当には改行をしたくないけれども、見かけ上は具合の良い場所で折り返されて
ほしい場合には、'linebreak' オプションを参照。
自動的に改行されるのは、挿入モードを使用している時か、行に追加している時だけで
ある。置換モードで行の長さが変わらない時には、改行は行われない。
長い行は、マージンを超えて非空白文字を入力すると、改行される。この改行がなされ
る位置は、'formatoptions' オプションに与える文字で制御することが可能である:
"l" 挿入を始めた時に 'textwidth' よりも既に長くない時にだけ、改行を行う。
"v" 現在の挿入コマンドの間に挿入された空白文字の位置でのみ、改行を行う。これ
はほぼVi互換。
"lv" 挿入を始めた時に 'textwidth' よりも長くない行にだけ、かつその挿入コマンド
の間に挿入された空白文字の位置でのみ、改行を行う。'textwidth' の境界を越
えて非空白文字を入力した時に、"l" と違う。
通常は、どこで改行するかを内部関数を使って決定する。この挙動を変えたい場合は、
'formatexpr' に改行を処理する式を設定すること。
テキストのブロックを整形(format)したいならば、"gq" オペレータを使うことができ
る。"gq" に続けて、ブロックの末尾までカーソルを動かす移動コマンドをタイプする。
多くの場合、コマンド "gq}" が、望むこと(段落の最後までを整形)をしてくれるだろ
う。代わりに、現在カーソルがどこにあるかにかかわらず、パラグラフ全体をフォー
マットしてくれるコマンド、"gqap" を使うこともできる。またはビジュアル選択モー
ドを使うこともできる: "v" を押し、ブロックの最後まで移動し、"gq" とタイプする。
gq も参照。
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4. 'expandtab'、'smarttab'それと'softtabstop'オプション ins-expandtab
'expandtab' オプションがオンになっていると、タブ文字は空白文字(スペース)に展開
され、その空白文字が挿入される。もし本当の<Tab>文字を挿入したいのならば、
CTRL-Vを押してから入力する(CTRL-Vに他の動作がマップされているときはCTRL-Qを使
うi_CTRL-Q)。
'expandtab' は初期状態でオフになっている。置換モードでは、1文字が複数のスペー
スで置換されることに注意。この結果、行の中の文字数は増える。バックスペースをす
ると、1度に1つの空白が削除される。元々そこにあった文字は、1つのスペース(最後の
1つ)を削除しただけで元に戻される。
ins-smarttab
'smarttab' オプションがオンの時には、1度の<Tab>で、行の先頭で<Tab>を1度押すと
'shiftwidth' の位置まで、その他の場所では 'tabstop' の位置まで空白が挿入され
る。これは<Tab>文字の代わりに、度々スペースが挿入されることを意味している。
'smarttab' がオフの時には、<Tab>では常に 'tabstop' の位置まで空白が挿入され、
'shiftwidth' は ">>" などの時にだけ使用される。
ins-softtabstop
'softtabstop' オプションがゼロではない時、<Tab>は 'softtabstop' で指定されるタ
ブ位置まで空白を挿入し、<BS>は 'softtabstop' で指定されるタブ位置までの空白を
削除する。これは 'softtabstop' に指定した値を 'tabstop' に設定したのと同様に働
くが、しかし本当の<Tab>文字は依然 'tabstop' の幅に展開されるので、他のアプリ
ケーションでそのファイルを使う時にも正しく表示されるだろう。
もしも 'softtabstop' がゼロでないならば、直前に挿入された文字が1つの空白文字
(スペース)で、そのカーソルの直前の(空白)文字だけを削除する時を除き、<BS>は空白
文字を1つ前の 'softtabstop' の位置まで削除しようと試みる。そうでないとカーソル
の直前の単一の文字を消すということができなくなってしまう。まず 'softtabstop' の
キャラクタを消してから、それから望む場所にカーソルを持っていくために、余分な空
白文字を置く必要がある。
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5. 置換モード Replace Replace-mode mode-replace
ノーマルモードで "R" コマンドを使うと置換モードに入る。
置換モードでは文字をタイプするごとに行中の 1 文字が削除されていく。(行末で)消
す文字が無い場合、タイプされた文字は(挿入モードのように)追加される。このため、
1 行中の文字数は行末に到達するまで同じままである。<NL> がタイプされると、文字
は消されずに改行が挿入される。
<Tab>文字には注意。<Tab>のある場所に通常の印字可能文字をタイプすると、文字数は
同じだけど、見た目上のカラム数はより短くなってしまう。
置換モードで文字を消す(<BS>、CTRL-WもしくはCTRL-U)場合、変更を取り消すことにな
る。置き換えられてしまった文字が復帰する。存在していたテキストよりも多くタイプ
していた場合には、その追加した分は削除される。これは効果的に1度に1文字ずつの
UNDOになる。
'expandtab' オプションがオンの場合、<Tab>は幾つかのスペースで置き換えられる。
結果として行中の文字数は増えることになる。バックスペースは1度に1つの文字を消
す。もともとの文字は1つのスペース(最後の1つ)をバックスペースするだけで戻され
る。
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6. 仮想置換モード vreplace-mode Virtual-Replace-mode
ノーマルモードで "gR" コマンドを使うと仮想置換モードに入る。
{+vreplace 機能を付けずにコンパイルした場合は利用できない}
仮想置換モードは置換モードに良く似ているが、ファイルの実際の文字ごとにではな
く、スクリーン上の文字幅単位で置換することができ、そのためファイル内の他の文字
の見た目の位置が移動することはない。
<Tab>をタイプすると通常のキャラクタを幾つか置換し、<Tab>の先頭で文字をタイプし
たならば、<Tab>は以前と同じ場所に存在することになるから、何も置換されないこと
になる。
<NL>をタイプしても、ファイル内の後の文字がその(見かけ上の)位置を変えることはな
い。現在行の残りの部分は<NL>によって置き換えられ(それはつまり、消されるという
こと)、次の行で置換が続行される。ファイルの終端に達するまで、新しい行は挿入さ
れない。
CTRL-TとCTRL-Dを使用したときには面白い効果がある。カーソルの前のキャラクタは普
通に横にシフトされるが、しかしカーソルの後のキャラクタはそのままそこに残ろうと
する。CTRL-Tはシフトされた文字の下にある古い行を隠していくが、CTRL-Dはそれらを
再び表示してくれる。
置換モード同様に、<BS>他を使用すると置換されてしまった文字を戻すことができる。
この機能は 'smartindent', CTRL-TそれにCTRL-D, 'expandtab', 'smarttab',
'softtabstop', その他などが考慮される。
'list' モードで 'cpoptions' に "L" が含まれない時には、仮想置換モードはまるで
'list' モードでないかのように振舞う。
Note: カーソルより後ろの文字が移動して見えることがあるが、それは List モード
'list' がオンのとき、そしてまれに 'wrap' がオンのとき (そして変更によって行
の長さがスクリーンの幅より短くなるか長くなるとき) だけである。それ以外では、後
ろの文字が動かないようにスペースが挿入される。
このモードは<Tab>でカラムが区切られた表へ、新しいデータをカラムを揃えて入力す
るような編集作業に便利である。
==============================================================================
7. 挿入モードの補完 ins-completion
挿入・置換モードでは、既にタイプしたキーワードや行の一部を補完するコマンドを使
用できる。これは複雑なキーワード(例えば大文字やアンダースコアを含む関数名など)
を使用しているときに便利である。
補完には次のような種類がある:
1. 行全体 i_CTRL-X_CTRL-L
2. 現在のファイルのキーワード i_CTRL-X_CTRL-N
3. 'dictionary' のキーワード i_CTRL-X_CTRL-K
4. 'thesaurus' のキーワード, thesaurus-style i_CTRL-X_CTRL-T
5. 編集中と外部参照しているファイルのキーワード i_CTRL-X_CTRL-I
6. タグ i_CTRL-X_CTRL-]
7. ファイル名 i_CTRL-X_CTRL-F
8. 定義もしくはマクロ i_CTRL-X_CTRL-D
9. Vimのコマンドライン i_CTRL-X_CTRL-V
10. ユーザー定義補完 i_CTRL-X_CTRL-U
11. オムニ補完 i_CTRL-X_CTRL-O
12. スペリング補完 i_CTRL-X_s
13. 'complete' のキーワード i_CTRL-N i_CTRL-P
追加として、i_CTRL-X_CTRL-Z でテキストを変更せずに補完を停止する。
CTRL-N と CTRL-P を除くこれらの全ては、CTRL-X モードで動作する。CTRL-X モード
とは挿入・置換モードのサブモードである。CTRL-X と CTRL-X コマンドのどれか 1
つをタイプすることで CTRL-X モードに移行する。CTRL-X モードから抜けるには、
CTRL-X コマンドとして有効ではないキーをタイプする。有効なキーとは CTRL-X コマ
ンドそれ自身、CTRL-N (次の候補)、そして CTRL-P (前の候補)である。
現在の補完の情報を取得するには、complete_info() が使用できる。
マッチの大文字/小文字を調節したいのならばオプション 'infercase' を参照。
complete_CTRL-E
補完が動作中のとき、CTRL-E で補完を中止し、もともと入力したテキストに戻すこと
ができる。CTRL-E は挿入されない。
complete_CTRL-Y
ポップアップメニューが表示されているとき、CTRL-Y で補完を中止し、現在選択され
ている候補を挿入できる。CTRL-Y は挿入されない。スペース、エンターなど
unprintable な文字を入力すると、その文字を挿入して補完モードを終了する。
ポップアップメニューが表示されているときに使える特殊なキーがもういくつかある。
popupmenu-keys を参照。
Note: CTRL-Xモードでの有効なキーはマップされない。これは `:map <C-F>
<C-X><C-F>` な指定を可能にする('cpo' に "<" が含まれないことを仮定している)。
これに対して、CTRL-Xモードを終了させるキー(つまりCTRL-Xモードのコマンドとして
有効ではないキー)はマップされる。'complete' を使って補完をするとき、マップは通
常通りに適用される。
E565
Note: 補完が動作中は、再帰的に挿入モードに入ることはできず、バッファのテキスト
の変更もできない。":normal i.." を呼び出すようなマッピングを使うとエラー
E565 が発生する。
次のマッピングは補完コマンドのタイピングをちょっとだけ楽にしようと提案された
(これらは他のコマンドを覆い隠してしまう; 'cpo' に "<" が含まれない必要がある):
:inoremap <C-]> <C-X><C-]>
:inoremap <C-F> <C-X><C-F>
:inoremap <C-D> <C-X><C-D>
:inoremap <C-L> <C-X><C-L>
:inoremap <C-F> <C-X><C-F>
:inoremap <C-D> <C-X><C-D>
:inoremap <C-L> <C-X><C-L>
例外として、レジスタの値を挿入するCTRL-RはCTRL-Xモードを終了しない。これは主
に '=' レジスタを使って関数などを呼び次の操作を決定することを可能にする。レジ
スタの内容(や '=' レジスタの評価結果)がCTRL-Xモードで無効なキーだった場合、そ
れが入力されたものとしてCTRL-Xモードは終了する。
以下のものは現在の行がスペースだけなら<Tab>を入力し、違うならCTRL-Nの補完をす
る<Tab>をマッピングする例である:
function! CleverTab()
if strpart( getline('.'), 0, col('.')-1 ) =~ '^\s*$'
return "\<Tab>"
else
return "\<C-N>"
endif
endfunction
inoremap <Tab> <C-R>=CleverTab()<CR>
if strpart( getline('.'), 0, col('.')-1 ) =~ '^\s*$'
return "\<Tab>"
else
return "\<C-N>"
endif
endfunction
inoremap <Tab> <C-R>=CleverTab()<CR>
行全体を補完する compl-whole-line
i_CTRL-X_CTRL-L
CTRL-X CTRL-L 現在行のカーソルの前にあるのと同じ文字で始まる行を、後
方(上方向)に探す。インデントは無視される。見つかった行
がカーソルの前に挿入される。
どのバッファから探すのかを決める際に 'complete' オプ
ションが参照される。読み込まれたバッファ(loaded buffer)
と読み込まれていないバッファ(unloaded buffer)の両方が
対象となる。
CTRL-L or
CTRL-P 後方に、次にマッチする行を探す。これによりみつかった行
で、以前のマッチした行を置き換える。
CTRL-N 前方に、次のマッチする行を探す。これによりみつかった行
で以前のマッチした行を置き換える。
CTRL-X CTRL-L 行を展開した後で再びCTRL-X CTRL-Lをタイプすれば、それ
に続けて付加的に行を取得でき、CTRL-Xを2回押すことで終
了する。読み込まれているバッファのみ検索対象となる。
現在のファイルのキーワードで補完する compl-current
i_CTRL-X_CTRL-P
i_CTRL-X_CTRL-N
CTRL-X CTRL-N カーソルの前にあるキーワードで始まる単語を、前方に検索
する。みつかったキーワードはカーソルの前に挿入される。
CTRL-X CTRL-P カーソルの前にあるキーワードで始まる単語を、後方に検索
する。みつかったキーワードはカーソルの前に挿入される。
CTRL-N 次にマッチするキーワードを前方に検索する。このキーワー
ドは前回マッチしたキーワードを置き換える。
CTRL-P 次にマッチするキーワードを後方に検索する。このキーワー
ドは前回マッチしたキーワードを置き換える。
CTRL-X CTRL-N or
CTRL-X CTRL-P 続けてCTRL-X CTRL-NやCTRL-X CTRL-Pを使用することで、
最後の展開に続けて違うコンテキストで単語を補完すること
ができる。これはCTRL-Xを2度押すことで終了できる。
カーソルの直前にあるキーワード(アルファベットと 'iskeyword' の文字で構成される
名前)が、直前に "\<" (単語の開始の意味)が補われて検索パターンとして使用される。
キーワードがない場合には "\<\k\k" (少なくとも2文字以上のキーワードの開始位置)
が検索パターンに用いられる。
置換モードでは、置換される文字数はマッチした文字列の長さに依存する。これはマッ
チした文字列を置換モードでタイピングしたのと同じように振舞う。
カーソルの直前に有効なキーワードの文字がなかった場合、少なくとも2文字以上のあ
らゆるキーワードがマッチする。
例えば、次の結果を得るには:
printf("(%g, %g, %g)", vector[0], vector[1], vector[2]);
このようにタイプする:
printf("(%g, %g, %g)", vector[0], ^P[1], ^P[2]);
検索はファイルの最後から最初へ循環する。ここでは 'wrapscan' の値は使われない。
同じ補完結果が繰り返される場合にはそれがスキップされる; そのためCTRL-NやCTRL-P
を押すたびに違うマッチ文字列が挿入されることになる(1つしかマッチするキーワード
がない場合は除く)。
マッチ結果が1文字となる補完候補文字列は、通常の使用で実際に補完して欲しいもの
ではないことがほとんどなので、補完候補に含まない。
例えば、次の結果を得るには:
printf("name = %s\n", name);
このようにタイプする:
printf("name = %s\n", n^P);
こうでも良い:
printf("name = %s\n", ^P);
'\n' の中の文字 'n' はスキップされる。
単語補完を開始した後で、補完済み単語に続く単語を検索するのに、CTRL-X CTRL-Pも
しくはCTRL-X CTRL-Nを使うことができる。これらのシーケンスはテキストから探さ
れ、単語を拡張補完し、さらに拡張補完していくことができる。これは複雑な単語の
シーケンスを繰り返す必要があるときに役に立つ。CTRL-PとCTRL-Nは少なくとも2文字
以上の文字列を探すけれども、CTRL-X CTRL-PとCTRL-X CTRL-Nは1文字の文字列も探し
出す。
例えば、次の結果を得るには:
México
このようにタイプする:
M^N^P^X^P^X^P
CTRL-Nは補完を開始し、CTRL-Pで最初の1文字 "M" に戻し、次の2つのCTRL-X CTRL-Pが
"é" と ";xico" を得る。
直前の補完が 'textwidth' よりも長いために分裂している場合、現在の行のテキスト
だけが使用される。
マッチ文字列が行末で見つかった場合には、次の行の最初の単語が挿入され "Word
from other line" というメッセージが表示される。さらに続けてCTRL-X CTRL-Pもしく
はCTRL-X CTRL-Nで検索を行うと、その単語のある行で続く文字が検索される。
'dictionary'のキーワードで補完する compl-dictionary
i_CTRL-X_CTRL-K
CTRL-X CTRL-K カーソルの直前のキーワードで始まる単語をオプション
'dictionary' で与えられたファイルから検索する。これは
CTRL-Nに似ているが、現在のファイル内は検索せずに辞書
ファイル内だけを検索する。見つけたキーワードはカーソル
の直前に挿入される。最初のマッチが使用される前に全ての
マッチが検索されるので、かなり遅くなる可能性がある。オ
プション 'dictionary' の初期値は空である。
どこから単語リストを見つけ出すかについては、オプション
'dictionary' を参照。
'ignorecase', 'smartcase', 'infercase' が適用される。
CTRL-K or
CTRL-N マッチするキーワードの前方検索。直前にマッチしたキー
ワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-P マッチするキーワードの後方検索。直前にマッチしたキー
ワードは新しいもので置き換えられる。
'thesaurus' で単語を補完する compl-thesaurus
i_CTRL-X_CTRL-T
CTRL-X CTRL-T CTRL-X CTRL-Kと同じだが、'dictionary' ではなく
'thesaurus' オプションを使う。たとえ単語が完全でなくて
も、類語ファイルの中に単語が見つかると、その行の他の単
語も一致とみなされる。したがって単語は完全に置き換えら
れる。
CTRL-T or
CTRL-N 次のキーワードを前方に探す。見つかったキーワードはそ
の前のキーワードを置き換える。
CTRL-P 次のキーワードを後方に探す。見つかったキーワードはそ
の前のキーワードを置き換える。
'thesaurus' オプションで使用されるファイル内では、ファイルの各行は似た意味の単
語が含まれ、非キーワード文字(空白が好ましい)で区分けされている。行の最大長は
510 バイト。
例えば、'thesaurus' ファイルにこのような行があるとして:
angry furious mad enraged
カーソルが "ang" の後にあり、CTRL-X CTRL-Tを押すと "angry" が補完される。続けて補完すると "furious"、"mad"、...、と置き換えられる。
他にも2つの言語間の単語の置き換えや、API関数をキーワードによってグループ分けす
るのに使える。
英単語リストはこのGitHub Issueに追加されている:
https://github.com/vim/vim/issues/629#issuecomment-443293282
thesaurus_pkg.zip を展開し、thesaurus.txt をどこかに配置する、例えば
~/.vim/thesaurus/english.txt、そして 'thesaurus' オプションをこのファイル名{訳
注: ファイルパス}にする。
'thesaurusfunc' でキーワードを補完する compl-thesaurusfunc
'thesaurusfunc' オプションが設定されているなら、ユーザーが指定した関数が呼び出
され補完としてマッチしたリストを取得し 'thesaurus' オプションは使用されない。
関数の呼び出し方法と何を返すべきかについては complete-functions を参照。
この例では "aiksaurus" コマンドを使用(Magnus Groß提供):
func Thesaur(findstart, base)
if a:findstart
return searchpos('\<', 'bnW', line('.'))[1] - 1
endif
let res = []
let h = ''
for l in systemlist('aiksaurus ' .. shellescape(a:base))
if l[:3] == '=== '
let h = '(' .. substitute(l[4:], ' =*$', ')', '')
elseif l ==# 'Alphabetically similar known words are: '
let h = "\U0001f52e"
elseif l[0] =~ '\a' || (h ==# "\U0001f52e" && l[0] ==# "\t")
call extend(res, map(split(substitute(l, '^\t', '', ''), ', '), {_, val -> {'word': val, 'menu': h}}))
endif
endfor
return res
endfunc
if a:findstart
return searchpos('\<', 'bnW', line('.'))[1] - 1
endif
let res = []
let h = ''
for l in systemlist('aiksaurus ' .. shellescape(a:base))
if l[:3] == '=== '
let h = '(' .. substitute(l[4:], ' =*$', ')', '')
elseif l ==# 'Alphabetically similar known words are: '
let h = "\U0001f52e"
elseif l[0] =~ '\a' || (h ==# "\U0001f52e" && l[0] ==# "\t")
call extend(res, map(split(substitute(l, '^\t', '', ''), ', '), {_, val -> {'word': val, 'menu': h}}))
endif
endfor
return res
endfunc
if exists('+thesaurusfunc')
set thesaurusfunc=Thesaur
endif
set thesaurusfunc=Thesaur
endif
編集中と外部参照しているファイルのキーワードで補完する compl-keyword
'include' オプションは外部参照(インクルード)ファイルを含む行を指定するのに使
う。'path' オプションはインクルードファイルを探す場所を指定するのに使う。
i_CTRL-X_CTRL-I
CTRL-X CTRL-I カーソルの直前と同じ文字で始まる最初のキーワードを、現
在のファイルとインクルードファイルから探し出す。マッチ
したキーワードはカーソルの直前に挿入される。
CTRL-N 次にマッチするキーワードを前方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
Note: CTRL-Iは補完が成功した時に入力する<Tab>と同じで
ある。従ってCTRL-Iを次のマッチを探すために使用すること
はできない。
CTRL-P 次にマッチするキーワードを後方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-X CTRL-I 直前の補完の文脈で続けてCTRL-X CTRL-Iによる単語補完を
行う。2連CTRL-Xが使用されるまで続く。
タグで補完する compl-tag
i_CTRL-X_CTRL-]
CTRL-X CTRL-] カーソルの直前と同じ文字で始まる最初のタグを探し出す。
マッチしたタグはカーソルの直前に挿入される。アルファ
ベットと 'iskeyword' で指定される文字が、タグ名にどの
文字が含まれるかを決定する(これはキーワードと同じルー
ル)。CTRL-]も参照。'showfulltag' オプションはタグ定
義の周辺からコンテキストに含めるために使用される。
CTRL-] or
CTRL-N 次にマッチするタグを前方検索する。直前にマッチしたタグ
は新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするタグを後方検索する。直前にマッチしたタグ
は新しいもので置き換えられる。
ファイル名で補完する compl-filename
i_CTRL-X_CTRL-F
CTRL-X CTRL-F カーソルの直前と同じ文字で始まる最初のファイル名を探し
出す。マッチしたファイル名はカーソルの直前に挿入され
る。アルファベットと 'isfname' で指定される文字が、ファ
イル名にどの文字が名前に含まれるかを決定する。Note: こ
の段階では(まだ) 'path' オプションは使用されない。
CTRL-F or
CTRL-N 次にマッチするファイル名を前方検索する。直前にマッチし
たファイル名は新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするファイル名を後方検索する。直前にマッチし
たファイル名は新しいもので置き換えられる。
定義もしくはマクロで補完する compl-define
定義を含んだ行を特定するのに 'define' オプションが使用される。インクルードファ
イルを含んだ行を特定するのに 'include' オプションが使用される。インクルードファ
イルを探すのに 'path' オプションが使用される。
i_CTRL-X_CTRL-D
CTRL-X CTRL-D カーソルの直前と同じ文字で始まる最初の定義(もしくはマ
クロ)名を、現在のファイルとインクルードファイルから探
し出す。マッチした定義名はカーソルの直前に挿入される。
CTRL-D or
CTRL-N 次にマッチするマクロ名を前方検索する。直前にマッチした
マクロ名は新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするマクロ名を後方検索する。直前にマッチした
マクロ名は新しいもので置き換えられる。
CTRL-X CTRL-D 直前の補完の文脈で続けて CTRL-X CTRL-D による単語補完
を行う。2連 CTRL-X が使用されるまで続く。
Vimコマンドの補完 compl-vim
補完は文脈に左右される。コマンドラインでの入力時のように機能する。Exコマンドと
その引数も補完する。これは Vim script を書いているときに便利である。
i_CTRL-X_CTRL-V
CTRL-X CTRL-V カーソルの前に何があるかを推測し、最初に一致するもの
を探す。
Note: CTRL-Vがマッピングに使われていれば、たいていは
CTRL-Qが代わりに使えるi_CTRL-Q。
CTRL-V or
CTRL-N 次の一致を前方に探す。そしてその前のものを置き換え
る。
CTRL-P 次の一致を後方に探す。そしてその前のものを置き換え
る。
CTRL-X CTRL-V 加えて言うと CTRL-X CTRL-V は CTRL-V と同じように働
く。これはVimコマンドの補完をマッピングをするのに使
える。例えば:
:imap <Tab> <C-X><C-V>
ユーザー定義補完 compl-function
ユーザー定義補完は、オプション 'completefunc' で設定した関数(ユーザー定義関数
でもよい)によって補完する方法である。この関数がどう呼び出されるかについては後
述。また complete-functions の例を参照。
i_CTRL-X_CTRL-U
CTRL-X CTRL-U カーソルの前にどの種類の項目があるか推測し、最初の候補
を探す。
CTRL-U または
CTRL-N 次の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
CTRL-P 前の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
オムニ補完 compl-omni
オムニ補完は、オプション 'omnifunc' で設定した関数(ユーザー定義関数でもよい)に
よって補完する方法である。ファイル形式に特化した補完をするために使われる。
この関数がどう呼び出されるかについては後述。また complete-functions も参照。
特定のファイル形式についての説明は compl-omni-filetypes を参照。
今後、www.vim.org でより多くの補完スクリプトが公開されるだろう。現在のところ、
C++ 用の最初のバージョンが存在する。
i_CTRL-X_CTRL-O
CTRL-X CTRL-O カーソルの前にどの種類の要素があるか推測し、最初の候補
を探す。
CTRL-O または
CTRL-N 次の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
CTRL-P 前の候補を選択し、現在の候補と置き換える。
スペリング補完 compl-spelling
カーソル前、またはカーソル位置の単語を探しだし、正しい単語の候補に置換する。カ
レント行のカーソル位置以前にスペルの間違った単語が存在する場合、カーソルがその
単語の直後に移動する。間違った単語が存在しない場合はカーソルの直前の単語(その
単語が間違っていなくても)の訂正候補が表示される。
NOTE: Unix 端末の多くでは CTRL-S は画面をサスペンドさせるため、代わりに 's' を
使うこと。サスペンドした画面を元に戻すには CTRL-Q を押す。
i_CTRL-X_CTRL-S i_CTRL-X_s
CTRL-X CTRL-S または
CTRL-X s カーソル前の単語を探し、その単語の正しい綴りの候補を探
す。
CTRL-S または
CTRL-N 次の候補を選択する。これによって以前の候補は置換される。
Note ここでは代わりに 's' は使えないことに注意。
CTRL-P 前の候補を選択する。これによって以前の候補は置換される。
キーワードを別のソースから補完する。 compl-generic
i_CTRL-N
CTRL-N カーソルの直前と同じキーワードで始まる単語を、
'complete' オプションで指定された場所から前方検索する。
マッチしたキーワードはカーソルの直前に挿入される。
i_CTRL-P
CTRL-P カーソルの直前と同じキーワードで始まる単語を、
'complete' オプションで指定された場所から後方検索する。
マッチしたキーワードはカーソルの直前に挿入される。
CTRL-N 次にマッチするキーワードを前方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-P 次にマッチするキーワードを後方検索する。直前にマッチし
たキーワードは新しいもので置き換えられる。
CTRL-X CTRL-N or
CTRL-X CTRL-P 直前の補完の文脈で続けて CTRL-X CTRL-N もしくは CTRL-X
CTRL-P による単語補完を行う。2連 CTRL-X が使用されるま
で続く。
補完の停止 compl-stop
i_CTRL-X_CTRL-Z
CTRL-X CTRL-Z テキストを変更せずに補完を停止する。
補完候補を検索する関数 complete-functions
ここでは 'completefunc', 'thesaurusfunc', 'omnifunc' について説明する。
これらの関数は次の2通りの形で呼ばれる:
- 最初に、補完するテキストの始点を見つけるために呼ばれる。
- 次に実際に候補を検索するために呼ばれる。
最初の形での呼び出しでは、次の引数が与えられる:
a:findstart 1
a:base empty
これらの関数は補完するテキストの始点の桁番号を返す責任を負う。桁番号は 0 以上
"col('.')" 未満でなければならない。カーソル直前の文字列を見て、補完候補の一部
となりうる文字を含める処理が必要となる。この桁とカーソル位置の間のテキストが補
完され、候補で置き換わることになる。戻り値がカーソル桁より大きい場合、カーソル
桁が使われる。
負の戻り値:
-2 メッセージなしでキャンセルし、補完モードに留まりたい場合。
-3 メッセージなしでキャンセルし、補完モードから抜けたい場合。
別の負の値: カーソル桁で補完を開始したい場合。
2番目の形での呼び出しでは、次の引数が与えられる:
a:findstart 0
a:base 補完対象のテキスト。つまり最初の呼び出しで指定したテキスト(空
文字列の場合もありうる)
これらの関数は見つかった候補のリストを返す責任を負う。通常、候補の中には
"a:base" そのものも含まれている。候補が存在しない場合は空リストを返すこと。
Note 最初の呼び出し以降にカーソルが移動した可能性があり、テキストが変更されて
いるかもしれない。
補完候補以外の情報を返したいときはそのリストを持った辞書を返す。辞書には以下の
アイテムを含めることができる:
words 補完候補のリスト (必須)
refresh 関数の再呼び出しを制御する文字列 (オプション)
現在有効な値は "always" だけである。"always" を指定す
ると、補完対象のテキストが変更されるたびに補完関数が呼
ばれるようになる。
空の結果に対して警告メッセージを抑制したい場合は、v:none を返すこと。これは
complete() で非同期補完を実装するのに役立つ。
その他のアイテムは無視される。
補完後に何かを実行したい場合は自動コマンドの CompeleteDonePre や
CompleteDone イベントを使う。
例えば、次のようにして使う:
let matches = ... list of words ...
return {'words': matches, 'refresh': 'always'}
return {'words': matches, 'refresh': 'always'}
complete-items
リストの各要素は文字列か辞書のどちらかであること。文字列の場合はそれが候補とな
る。辞書の場合は以下の要素を含んでいること:
word 挿入されるテキスト。必須
abbr "word" の略。これが空でなければ、メニューで "word" の
代わりに表示される。
menu ポップアップメニューにおける追加情報。"word" または
"abbr" の後に表示される。
info この要素についての追加情報。プレビューまたはポップアッ
プウィンドウに表示することができる。
kind 候補の種類を表す1文字
icase 0 でないならば、候補同士を比較するとき大文字小文字は無
視される。省略された場合は 0 となり、大文字小文字の違
いしかない候補も追加される。
equal ゼロ以外の場合、比較時にこの項目が常に等しいと見なされ
る。つまり、"equal=1" はこのアイテムのフィルタリングを
無効にする。
dup 0 でないならば、すでに同じ候補があってもこの候補を追加
する。
empty 0 でないならば、空文字であってもこの候補を追加する。
user_data この要素に関連付けられた v:completed_item で使用可能
なカスタムデータ。任意の型が使用できる。既定は空文字
列。
abbr_hlgroup ポップアップメニューの hl-PmenuSel と hl-Pmenu ま
たは hl-PmenuMatchSel と hl-PmenuMatch ハイライト
属性と組み合わされ、補完項目の短縮入力に取り消し線のよ
うな ctermと gui のプロパティ (高優先度) を適用する追
加のハイライトグループ。
kind_hlgroup 補完の種類のハイライト属性を設定するための追加のハイラ
イトグループ。このフィールドが存在する場合、
hl-PmenuKind ハイライトグループが上書きされ、補完の
種類の ctermfg および guifg プロパティをカスタマイズで
きるようになる。
これらのうち "icase", "equal", "dup" および "empty" 以外は文字列でなければなら
ない。これらの要件が満たされない場合はエラーメッセージが表示され、リスト中のそ
れ以降の要素は無視される。リストの中で文字列と辞書が混在していてもよい。
"menu" はポップアップメニューに表示される。長すぎる場合は切り詰められるので、
短くするとよい。"info" は 'completeopt' に "preview" が含まれている場合にプレ
ビューウィンドウに表示され、'completeopt' に "popup" が含まれている場合にポッ
プアップウィンドウに表示されるので、これはもっと長くてもよい。プレビューウィン
ドウでは "info" はまた、ポップアップメニューが消えた後にもそのまま表示される。
これは関数の引数を表示する場合などに便利である。"info" にスペース1個を指定する
と、プレビューウィンドウに表示されているテキストが消去される。プレビューウィン
ドウの大きさは 3 行だが、'previewheight' が 1 か 2 のときはその高さで表示され
る。
complete-popup
"popup" が 'completeopt' にある場合、ポップアップウィンドウを使用して "info"
が表示される。
次に、'completepopup' オプションはポップアップのプロパティを指定する。これは、
情報ポップアップが作成されるときに使用される。オプションは、コンマで区切られた
値のリストである:
height ポップアップの最大高さ
width ポップアップの最大幅
highlight ポップアップのハイライトグループ(デフォルトは PmenuSel)
align "item" (デフォルト) または "menu"
border "on" (デフォルト) または "off"
例:
:set completepopup=height:10,width:60,highlight:InfoPopup
"align" 値が "item" の場合、ポップアップは選択されたアイテムの近くに配置され
る。選択を変更すると、ポップアップも移動する。"align" が "menu" の場合、ポップ
アップがメニューがテキストの下にある場合はメニューの上部に配置され、そうでない
場合はメニューの下部に配置される。
情報ポップアップが作成された後、それを popup_findinfo() で見つけることがで
き、プロパティは popup_setoptions() で変更できる。
complete-popuphidden
ポップアップの情報が非同期で得られる場合は、'completeopt' で "popuphidden" を
使用すること。情報ポップアップは最初は非表示になり、情報が埋まれば
popup_show() を呼び出す必要がある。これは、CompleteChanged 自動コマンドを
使用して次のように実行できる:
set completeopt+=popuphidden
au CompleteChanged * call UpdateCompleteInfo()
func UpdateCompleteInfo()
" 保留中の情報取得をキャンセルする
let item = v:event.completed_item
" 項目の情報取得を開始し、ShowCompleteInfo(info) を呼び出す
endfunc
func ShowCompleteInfo(info)
let id = popup_findinfo()
if id
call popup_settext(id, 'async info: ' .. a:info)
call popup_show(id)
endif
endfunc
au CompleteChanged * call UpdateCompleteInfo()
func UpdateCompleteInfo()
" 保留中の情報取得をキャンセルする
let item = v:event.completed_item
" 項目の情報取得を開始し、ShowCompleteInfo(info) を呼び出す
endfunc
func ShowCompleteInfo(info)
let id = popup_findinfo()
if id
call popup_settext(id, 'async info: ' .. a:info)
call popup_show(id)
endif
endfunc
complete-item-kind
"kind" は候補の種類を示す1文字である。候補の表示方法(色やアイコンなど)を区別
するために使われる。
現在のところ、指定可能な種類は次の通りである:
v 変数
f 関数やメソッド
m 構造体やクラスのメンバ
t typedef
d #define やマクロ
候補の検索に時間がかかるときは complete_add() を使って候補を1つずつリスト
に加えるとよい。その場合、それらの候補は戻り値のリストに現れるべきではない。
ときどき complete_check() を呼んで、候補の検索中にユーザーがキーを押して検索
を中断できるようにすること。complete_check() が非 0 を返すと中断する。
E840
関数の中でカーソルを移動させてもよい。カーソルは実行後に復元される。
関数の中で他のウィンドウに移動したりテキストを削除することはできない。
月の名前を補完する例:
fun! CompleteMonths(findstart, base)
if a:findstart
" 単語の始点を検索する
let line = getline('.')
let start = col('.') - 1
while start > 0 && line[start - 1] =~ '\a'
let start -= 1
endwhile
return start
else
" "a:base" にマッチする月を探す
let res = []
for m in split("Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec")
if m =~ '^' .. a:base
call add(res, m)
endif
endfor
return res
endif
endfun
set completefunc=CompleteMonths
if a:findstart
" 単語の始点を検索する
let line = getline('.')
let start = col('.') - 1
while start > 0 && line[start - 1] =~ '\a'
let start -= 1
endwhile
return start
else
" "a:base" にマッチする月を探す
let res = []
for m in split("Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec")
if m =~ '^' .. a:base
call add(res, m)
endif
endfor
return res
endif
endfun
set completefunc=CompleteMonths
検索が遅い場合のシミュレーション:
fun! CompleteMonths(findstart, base)
if a:findstart
" 単語の始点を検索する
let line = getline('.')
let start = col('.') - 1
while start > 0 && line[start - 1] =~ '\a'
let start -= 1
endwhile
return start
else
" "a:base" にマッチする月を探す
for m in split("Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec")
if m =~ '^' .. a:base
call complete_add(m)
endif
sleep 300m " 次の候補の検索をシミュレートする
if complete_check()
break
endif
endfor
return []
endif
endfun
set completefunc=CompleteMonths
if a:findstart
" 単語の始点を検索する
let line = getline('.')
let start = col('.') - 1
while start > 0 && line[start - 1] =~ '\a'
let start -= 1
endwhile
return start
else
" "a:base" にマッチする月を探す
for m in split("Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec")
if m =~ '^' .. a:base
call complete_add(m)
endif
sleep 300m " 次の候補の検索をシミュレートする
if complete_check()
break
endif
endfor
return []
endif
endfun
set completefunc=CompleteMonths
補完ポップアップメニュー ins-completion-menu
popupmenu-completion
候補を簡単なポップアップメニューで表示することができる。
ポップアップメニューは次のとき表示される:
- 'completeopt' が "menu" か "menuone" を含んでいる。
- 端末が 8 色以上の表示をサポートしている。
- 候補が 2 個以上ある。"menuone" を設定している場合は 1 個以上。
ポップアップメニューの高さの最大値はオプション 'pumheight' で設定できる。既
定値は利用可能なスペースをすべて使うようになっている。
ポップアップメニューの幅の最小値はオプション 'pumwidth' で設定できる。既定値は
15 文字である。
ポップアップメニューには 3 つの状態がある:
1. 候補が挿入された状態。例えば CTRL-N や CTRL-P の後。
2. カーソルキーを使って他の候補を選択した後。候補はまだ挿入されていなく、1
つの候補が強調表示されている状態。
3. 候補の一部だけが挿入されており、文字の入力やバックスペースキーを使用でき
る状態。カーソルの前にある文字列によって候補のリストが増減する。
普通、最初は1番目の候補が挿入された状態(状態1)から始まる。'completeopt'
に "longest" が含まれており、2 個以上の候補があるときは状態3から始まる。
CTRL-N や CTRL-P を押すことなどによって他の候補を選択すると状態1へ遷移す
る。このとき候補のリストは変化しない。
元のテキストへ戻ると状態3になる。すぐに状態3へしたい場合は、次のように補完の直
後に CTRL-P を行うマッピングを使えばよい:
:imap <F7> <C-N><C-P>
popupmenu-keys
状態1では以下のキーは特別な意味を持つ:
<BS> と CTRL-H 1文字削除し、カーソル前の単語の候補を検索する。これによって候
補の数は少なくなり、しばしば1個だけになって状態2へ遷移する。
特殊文字でない任意の文字:
候補を変更せずに補完を停止し、入力された文字を挿入する。
状態2と状態3では以下のキーは特別な意味を持つ:
<BS> と CTRL-H 1文字削除し、カーソル前の(短くなった)単語の候補を検索する。候
補の数は増える。
CTRL-L 現在の候補から1文字を挿入する。候補の数は少なくなる。
印字可能で空白文字でない任意の文字:
その文字を挿入する。候補の数は少なくなる。
以上すべての状態で以下のキーが使える:
CTRL-Y Yes: 現在選択されている候補に決定し、補完を終了する。
CTRL-E 補完を終了し、候補を選択する前の状態(タイプした状態または最
長共通文字列)へ戻る。
<PageUp> 数個上の候補を選択するが、挿入はしない。
<PageDown> 数個下の候補を選択するが、挿入はしない。
<Up> CTRL-P と同様に上の候補を選択するが、挿入はしない。
<Down> CTRL-N と同様に下の候補を選択するが、挿入はしない。
<Space> or <Tab> 候補を変更せずに補完を終了し、タイプされた文字を挿入する。
<Enter>キーの挙動は状態に依存する:
状態1: テキストはそのままにし、改行を挿入する。
状態2: 選択されている候補を挿入する。
状態3: テキストはそのままにし、改行を挿入する。
言い換えると: カーソルキーでリストから他の候補を選択した後 <Enter> を押すとそ
の候補を挿入する。それ以外をタイプした後で <Enter> を押すと改行が挿入される。
メニューの色は以下のハイライトグループで設定できる:
Pmenu 通常の要素 hl-Pmenu
PmenuSel 選択されている要素 hl-PmenuSel
PmenuSbar スクロールバー hl-PmenuSbar
PmenuThumb スクロールバーのつまみ hl-PmenuThumb
ポップアップメニューが表示されているとき用の特別なマッピングというものは存在し
ない。しかし挿入モードマッピングで関数 pumvisible() を使えばポップアップメ
ニューが表示されているときだけ用にマッピングを作ることができる。例:
:inoremap <Down> <C-R>=pumvisible() ? "\<lt>C-N>" : "\<lt>Down>"<CR>
マッピングで <expr> を使うと、入力中ある条件が満たされたとき自動的にポップアッ
プメニューを表示させることができる。例えば、ドットを入力したとき補完を行う、ま
たはドットそのものを入力するようにするには:
inoremap <expr> . MayComplete()
func MayComplete()
if (can complete)
return ".\<C-X>\<C-O>"
endif
return '.'
endfunc
func MayComplete()
if (can complete)
return ".\<C-X>\<C-O>"
endif
return '.'
endfunc
より詳しくは :map-<expr> を参照。
オムニ補完についてファイル形式ごとの注意点 compl-omni-filetypes
ファイル形式 {filetype} に対して使われるファイルは 'runtimepath' 中の
autoload/{filetype}complete.vim とする。つまり、"java" に対するファイルは
autoload/javacomplete.vim となる。
C ft-c-omni
C のソースでオムニ補完を行うには tags ファイルが必要である。補完に必要な付加情
報を出力するため、Universal/Exuberant ctags を使うとよい。次のサイトからダウン
ロードできる:
Universal Ctags: https://ctags.io
Exuberant Ctags: http://ctags.sourceforge.net
Exuberant ctags は開発されなくなったため、Universal ctags を推奨する。
Exuberant ctags であればバージョン 5.6 以降が推奨されている。バージョン 5.5.4
を使うときは "typename:" フィールドを追加するこのパッチをあてること:
ftp://ftp.vim.org/pub/vim/unstable/patches/ctags-5.5.4.patch
MS-Windows 用の exe ファイルは次のサイトからダウンロードできる:
http://ctags.sourceforge.net/
https://github.com/universal-ctags/ctags-win32
システム関数を補完するには、次のような方法がある。ctags を使って全システムヘッ
ダーファイルの tags ファイルを作る:
% ctags -R -f ~/.vim/systags /usr/include /usr/local/include
そして .vimrc で 'tags' オプションにこの tags ファイルを追加する: set tags+=~/.vim/systags
カーソル前の単語が "." や "->" を含まないとき、CTRL-X CTRL-O を押すと tags
ファイルから直接補完される。これはすべての識別子、関数名に対して有効である。
tags ファイルに含まれないローカル変数名を補完するには CTRL-P を使うしかない。
カーソル前の単語が "." または "->" を含むとき、CTRL-X CTRL-O を押すと、変数の
型が推測され、その型のメンバが推測される。よって、その変数に対して有効なメンバ
だけが補完候補に現れる。
メンバ名がすでに補完されたとき CTRL-X CTRL-O を押すと、複合型に対する "." また
は "->" が挿入される。
Vim は C コンパイラを内蔵しているわけではないので、きれいに整形された宣言しか
認識できない。プリプロセッサーが関係すると混乱してしまう可能性がある。同じ構造
体名が複数の場所に現れる場合、それらのすべてのメンバが補完候補に含まれる。
CSS ft-css-omni
CSS 2.1 仕様に従って、プロパティとその適切な値を補完できる。
HTML ft-html-omni
XHTML ft-xhtml-omni
HTML, XHTML ファイルにおいて、CTRL-X CTRL-O で (X)HTML の色々な要素を補完でき
る。補完スクリプトは XHTML 1.0 Strict なファイルを書くために設計されているが、
他の HTML のバージョンに対しても動作するようになっている。以下の機能がある:
- "<" の後では文脈に依存してタグ名を補完する(a タグの内側では div は候補に現れ
ない)。'/>' は空タグを示す。
- タグの内側では適切な属性の補完が行われる(a タグに対しては width 属性は候補に
現れない)。属性の型も表示される。'*' は必須な属性を意味する。
- 属性のとりうる値が有限個しかない場合は、それらの補完を支援する。
- エンティティの名前を補完する。
- <style> タグとインクルードされた CSS ファイルから得られたデータにより、
"class" と "id" の値を補完する。
- "style" 属性の値を補完するときや、"style" タグの内側にいるときは
ft-css-omni モードへ移行する。
- イベント属性の値を補完するときや、"script" タグの内側にいるときは
ft-javascript-omni モードへ移行する。
- "</" の後で CTRL-X CTRL-O を押すと、最後に開いたタグを閉じる。
Note: 初回実行時は補完メニューが表示されるまでに少し時間がかかる。
- これはデータファイルを読み込むのに時間がかかっている。
Note: 整形されていないファイルでは補完が失敗する場合がある。その場合は :make
を実行して整形上の問題を検出してみるとよい。
HTML flavor html-flavor
既定の HTML 補完はファイルタイプに依存して動作が変わる。HTML ファイル
('filetype' が "html" の場合) に対しては HTML 4.01 Transitional となり、XHTML
ファイル ('filetype' が "xhtml" の場合) に対しては XHTML 1.0 Strict となる。
タグの外側で補完を行うと DOCTYPE を選択することができ、適切なデータファイルが
読み込まれ、それ以降の補完に利用される。
データファイルのフォーマットについてより詳しくは xml-omni-datafile を参照。
Vim のウェブサイト(www)でもいくつかのデータファイルをダウンロードできる。
Note: 変数 b:html_omni_flavor に任意の XML データのファイル名を設定できる。こ
れによってPHPオムニ補完(ft-php-omni)と任意の XML ダイアレクトを組み合わせる
ことができる(その XML ダイアレクト用のデータファイルが必要)。この変数を設定し
ない場合は XHTML 1.0 Strict が使用される。
JAVASCRIPT ft-javascript-omni
JavaScript のほとんどの要素と DOM 要素を補完できる。
補完:
- 変数
- 関数名。関数の引数も表示できる
- 関数の引数
- 変数の型を識別し、変数のプロパティを補完する
- DOM オブジェクトと文脈に依存したプロパティを補完する
- 言語のキーワード
JavaScript オムニ補完は、単独の JavaScript ファイル(&ft==javascript)、(X)HTML
の <script> タグの中、イベント属性の値の中で動作する(外部ファイルの読み込みも
含む)。
DOM 互換性
現時点(2006 年初頭)では主流のブラウザーが2つある。MS Internet Explorer と
Mozilla Firefox である。これら2つのアプリケーションは市場の 90% 以上を占めてい
る。理論的には標準は W3C (http://www.w3c.org) によって決められるが、これらのブ
ラウザーは必ずしもそれに従っていない。
IE FF W3C オムニ補完
+/- +/- + +
+ + - +
+ - - -
- + - -
ブラウザーの実装状態にかかわらず、ある要素が標準で定められていれば、オムニ補完
プラグインはその要素を候補リストに加える。主流のエンジンが両方ともある要素を実
装していれば、たとえそれが標準で定められていなくても候補リストに加える。それ以
外の要素は候補リストに加えない。
PHP ft-php-omni
PHP コードの補完を行うには tags ファイルが必要である。外部ファイルに書かれた情
報の補完と、クラスを意識した補完のためである。Universal/Exuberant ctags 5.5.4
以降を使うこと。次のサイトで入手できる:
Universal Ctags: https://ctags.io
Exuberant Ctags: http://ctags.sourceforge.net
オムニ補完で以下のものが補完できる:
- $ の後の変数名
- 変数がオブジェクトとして宣言されており、"->" がつく場合、tags ファイルがあ
ればクラス名が表示される。
- "->" の後ではそのクラスの関数名と変数名だけが候補に現れる。クラスの位置と
内容を特定するためには tags ファイルが必要になる。PHP は強い型付けの言語で
はないため、クラス宣言に @var タグをつけるとよい :
/* @var $myVar myClass */
$myVar->
$myVar->
しかし @var タグをつけても、myClass の内容を認識するには tags ファイルが必
要になる。
- 追加情報つきの関数名
- 組み込み関数の場合には、とりうる引数のリストと、| の後に関数の戻り値の型情
報が表示される。
- ユーザー定義関数の場合には、引数と、その関数の定義を含むファイル名が表示さ
れる(それがカレントファイルでない場合)
- 定数名
- "new" 宣言の後のクラス名
Note: 最初に補完を行うとき、必要なデータがすべてメモリにロードされる。これに数
秒かかる場合があるが、次回からの補完は気になるほどではなくなるだろう。
補完スクリプトは、カーソルが<?php ?>の中にあるかどうかを検出する。もしカーソル
がこのタグの外側にあれば、自動的に HMTL/CSS/JavaScript 補完に切り替わる。Note:
元の HTML とは異なり、タグの補完が文脈依存ではなくなる。
RUBY ft-ruby-omni
Ruby コードの補完を行うには、vim が +ruby 付きでコンパイルされている必要があ
る。
Ruby のオムニ補完は、補完候補を提供するために必要に応じてバッファをパースする。
補完候補は 'require' で読み込まれたモジュールと、カレントバッファ内で定義され
たモジュールから引き出される。
CTRL-X CTRL-O による補完は、次のように文脈に依存する:
文脈 提供される補完
1. クラス定義の外側 クラス、定数、グローバル変数
2. クラス定義の内側 そのクラスで定義されたメソッド、定数
3. '.', '::', ':' の後 参照されているオブジェクトに適用可能な
メソッド
4. ':', ':foo' の後 シンボル名(:foo の場合は 'foo' で始ま
るもの)
Note:
- 補完を行うためにコードをロードする(評価する)機能がある。これはつまり、コー
ドが実行されることになり、問題となるかもしれない。現在、この機能はデフォル
トで無効になっており、有効にするには次を .vimrc に加える:
let g:rubycomplete_buffer_loading = 1
- 上記の文脈 1 において、クラスのリストを補完結果に加えるためにバッファ全体をパースすることがありうる。デフォルトではこの機能は無効になっており、有効に
するには次を .vimrc に加える:
let g:rubycomplete_classes_in_global = 1
- 上記の文脈 2 において、無名クラスには対応していない。- 上記の文脈 3 において、Vim はオブジェクトが対応しているメソッドを決定しよう
と試みる。
- Rails プロジェクトのファイルでは Rails 環境を検出し、読み込む機能がある。
デフォルトではこの機能は無効になっており、有効にするには次を .vimrc に加え
る:
let g:rubycomplete_rails = 1
SYNTAX ft-syntax-omni
Vim には 500 近くの言語を強調表示する機能がある。この強調表示機能の一部として、
言語で定められたキーワードを認識する機能がある。多くのファイルタイプには既に専
用の補完スクリプトが存在するが、そうでないファイルタイプのために構文強調機能を
利用して基本的な補完機能を提供する syntaxcomplete というプラグインがある。この
プラグインは、Vim がテキストを色付けするために持っている情報を利用して補完リス
トを作成する。syntaxcomplete はどんなファイルタイプに対しても利用可能で、言語
に応じた最小限の補完を提供する。
syntaxcomplete を有効にするにはこのコマンドを実行する:
setlocal omnifunc=syntaxcomplete#Complete
これを自動的に行うようにするには、以下を .vimrc に書く (":filetype" コマンド
の後で):
if has("autocmd") && exists("+omnifunc")
autocmd Filetype *
\ if &omnifunc == "" |
\ setlocal omnifunc=syntaxcomplete#Complete |
\ endif
endif
autocmd Filetype *
\ if &omnifunc == "" |
\ setlocal omnifunc=syntaxcomplete#Complete |
\ endif
endif
これによって、ファイルタイプ専用のプラグインが存在しないときだけ
syntaxcomplete プラグインで補完するようになる。
ファイルタイプの中には幅広い範囲の構文アイテムを持つものもある。
syntaxcomplete プラグインでは、構文グループのうちどれを補完に含めるかをカスタ
マイズできる。ファイルタイプ PHP を例として見てみよう。
index.php という名前のファイルを開き、次のコマンドを実行してみる:
syntax list
まず最初にたくさんの異なる構文グループがあることに気づくだろう。PHP 言語は
HTML, JavaScript など他の言語の要素を含むことがある。この場合、syntaxcomplete
プラグインはファイルタイプ名 "php" で始まる構文グループだけを含める。例えば、
次の構文グループはデフォルトで含まれる: phpEnvVar, phpIntVar, phpFunctions。
非ファイルタイプの構文アイテムも追加したい場合は、正規表現構文が使える
(autoload/syntaxcomplete.vim のバージョン 13.0 で追加された)。PHP ファイルを編
集中に ":syntax list" の出力を見ると、次のような項目が見えるだろう:
htmlArg,htmlTag,htmlTagName,javaScriptStatement,javaScriptGlobalObjects
PHP ファイルの編集に JavaScript と HTML のキーワード構文グループを追加するには
各言語ごとに正規表現で設定する。あるいは、正規表現を使わず、単に含めるグループ
を限定して指定できる:
let g:omni_syntax_group_include_php = 'php\w\+,javaScript\w\+,html\w\+'
let g:omni_syntax_group_include_php = 'phpFunctions,phpMethods'
let g:omni_syntax_group_include_php = 'phpFunctions,phpMethods'
この変数の設定は次のような構文になっている:
let g:omni_syntax_group_exclude_{filetype} = 'regex,comma,separated'
PHP 言語は構文強調で色付けできる要素がとてもたくさんある。それらの要素はオムニ
補完リストに現れる。
人によってはこれがわずらわしいと感じたり、その一部だけが欲しい場合がある。リス
トから余分なものを除くには 2 つの方法がある (必要なら)。特定の構文グループを表
示したくない場合はそれを指定するのに 2 つの方法が使える。1 つは構文グループの
名前のリストを指定する方法。もう 1 つは正規表現で構文グループを指定する方法。
次のような設定を vimrc に追加する:
let g:omni_syntax_group_exclude_php = 'phpCoreConstant,phpConstant'
let g:omni_syntax_group_exclude_php = 'php\w*Constant'
let g:omni_syntax_group_exclude_php = 'php\w*Constant'
コンマ区切りで任意個数の構文グループを指定できる。この変数の基本的な形式は次の
とおり:
let g:omni_syntax_group_exclude_{filetype} = 'regex,comma,separated'
この変数名の末尾のファイルタイプを変えればいくらでもこの変数を定義できる。
syntaxcomplete プラグインは、構文アイテムの単語境界の認識にオプション
'iskeyword' を使用する。例として、Scheme 言語の補完では "-" が単語に含まれる
(call-with-output-file など)。ファイルタイプによってはこれでは期待する補完がで
きないかもしれない。g:omni_syntax_use_iskeyword に 0 を代入すれば
syntaxcomplete プラグインは単語文字の区切りを使わなくなる:
let g:omni_syntax_use_iskeyword = 0
プラグイン開発者のために OmniSyntaxList 関数が公開されている。この関数は構文ア
イテムのリストを得るために使うことができる。例えば SQL ファイルを開いていると
きに (:e syntax.sql) ":syntax list" コマンドを実行してグループと構文アイテムを
確認してみる。例:
syntax list
次のような出力が表示される:
sqlOperator xxx some prior all like and any escape exists in is not
or intersect minus between distinct
links to Operator
sqlType xxx varbit varchar nvarchar bigint int uniqueidentifier
date money long tinyint unsigned xml text smalldate
double datetime nchar smallint numeric time bit char
varbinary binary smallmoney
image float integer timestamp real decimal
2つの構文グループ sqlOperator と sqlType がある。構文アイテムのリストを得るた
めに OmniSyntaxList をいくつかの方法で呼び出すことができる。構文グループを限定
せずにすべての構文アイテムを得るには次のようにする:
echo OmniSyntaxList( [] )
sqlOperator 構文グループの構文アイテムの得るには次のようにする:
echo OmniSyntaxList( ['sqlOperator'] )
sqlOperator 構文グループと sqlType 構文グループの両方の構文アイテムをすべて得
るには次のようにする:
echo OmniSyntaxList( ['sqlOperator', 'sqlType'] )
正規表現も使える:
echo OmniSyntaxList( ['sql\w\+'] )
プラグインから呼び出すときは、結果を List に代入して使うのが一般的だろう:
let myKeywords = []
let myKeywords = OmniSyntaxList( ['sqlKeyword'] )
let myKeywords = OmniSyntaxList( ['sqlKeyword'] )
SQL ft-sql-omni
SQL の補完にはステートメント、関数、キーワードが含まれる。また、データベースか
ら直接情報を取得し、テーブル、プロシージャ、ビュー、カラムリストを動的に補完す
ることができる。より詳しい説明とチュートリアルについては omni-sql-completion
を参照。
SQL 補完プラグインは他の補完プラグインと組み合わせて使うことができる。例えば、
PHP にはPHP 用の補完スクリプトがあるが、PHP はよくデータベースにアクセスする動
的なウェブサイトを生成するのに使われるため、SQL 補完プラグインも有効にするとよ
いかもしれない。そうすれば PHP のコードと SQL のコードを両方補完できるようにな
る。
XML ft-xml-omni
Vim 7 には XML ファイルにおける文脈に応じた補完メカニズムがある。この補完メカ
ニズムは特別なファイル xml-omni-datafile に依存し、:XMLns と :XMLent と
いう 2 つのコマンドがある。この補完の機能は以下の通り:
- "<" の後ろでは文脈に応じ、タグ名を補完する。
- タグの内側では適切な属性を補完する。
- 属性の取りうる値が有限個である場合はそれらの補完を支援する。
- 実体名を補完する(xml-omni-datafile 内で定義されたものとカレントファイルの
"<!ENTITY" 宣言にあるもの)
- "</" の後ろで CTRL-X CTRL-O とすると最後に開いたタグを閉じる。
XML データファイルのフォーマット xml-omni-datafile
XML データファイルは 'runtimepath' の中のディレクトリ "autoload/xml" に保存さ
れる。標準でディレクトリ "$VIMRUNTIME/autoload/xml" にデータファイルのサンプル
が入っている。これらのファイルにはコマンドで指定できる意味のある名前がついてい
る。XML データファイルは衝突が起きないように一意な名前をつけるべきである。例え
ば、xhtml10s.vim という名前は XHTML 1.0 Strict 用のデータファイルであることを
意味している。
各サンプルファイルには g:xmldata_xhtml10s のような名前の変数が含まれている。こ
の変数の値は2つの部分からなる:
1. "g:xmldata_" 一般的なプリフィックス。全データファイルで共通。
2. "xhtml10s" ファイル名であり、記述された XML ダイアレクトの名前。この名前
がコマンド :XMLns の引数として使われる。
2. は正確にファイル名と同じでなければならない。
この変数は辞書 Dictionary である。キーはタグ名で、値は2個の要素を持つリスト
である。リストの最初の要素はまたリストであり、有効な子ノードの名前を持つ。2番
目の要素は辞書 Dictionary であり、属性名がキーで、その属性の取りうる値が値で
ある。例:
let g:xmldata_crippled = {
\ "vimxmlentities": ["amp", "lt", "gt", "apos", "quot"],
\ 'vimxmlroot': ['tag1'],
\ 'tag1':
\ [ ['childoftag1a', 'childoftag1b'], {'attroftag1a': [],
\ 'attroftag1b': ['valueofattr1', 'valueofattr2']}],
\ 'childoftag1a':
\ [ [], {'attrofchild': ['attrofchild']}],
\ 'childoftag1b':
\ [ ['childoftag1a'], {'attrofchild': []}],
\ "vimxmltaginfo": {
\ 'tag1': ['Menu info', 'Long information visible in preview window']},
\ 'vimxmlattrinfo': {
\ 'attrofchild': ['Menu info', 'Long information visible in preview window']}}
\ "vimxmlentities": ["amp", "lt", "gt", "apos", "quot"],
\ 'vimxmlroot': ['tag1'],
\ 'tag1':
\ [ ['childoftag1a', 'childoftag1b'], {'attroftag1a': [],
\ 'attroftag1b': ['valueofattr1', 'valueofattr2']}],
\ 'childoftag1a':
\ [ [], {'attrofchild': ['attrofchild']}],
\ 'childoftag1b':
\ [ ['childoftag1a'], {'attrofchild': []}],
\ "vimxmltaginfo": {
\ 'tag1': ['Menu info', 'Long information visible in preview window']},
\ 'vimxmlattrinfo': {
\ 'attrofchild': ['Menu info', 'Long information visible in preview window']}}
この例を保存するファイルは "autoload/xml/crippled.vim" となり、以下のような
ファイルを書くために使われる:
<tag1 attroftag1b="valueofattr1">
<childoftag1a attrofchild>
& <
</childoftag1a>
<childoftag1b attrofchild="5">
<childoftag1a>
> ' "
</childoftag1a>
</childoftag1b>
</tag1>
<childoftag1a attrofchild>
& <
</childoftag1a>
<childoftag1b attrofchild="5">
<childoftag1a>
> ' "
</childoftag1a>
</childoftag1b>
</tag1>
この例には4個の特別な要素が含まれている:
1. "vimxmlentities" - 特別なキー。対応する値は、この XML ダイアレクトの実体を
要素に持つリスト。
2. 属性の取りうる値を定めるリストの長さが 1 であり、その要素が属性名と等しい場
合、この要素は boolean とみなされ、'attrname="' でなく 'attrname' が補完さ
れる。
3. "vimxmltaginfo" - 特別なキー。対応する値は、タグ名をキー、長さ 2 のリストを
値として持つ辞書。追加のメニュー情報と長い説明を保持する。
4. "vimxmlattrinfo" - 特別なキー。対応する値は、属性名をキー、長さ 2 のリスト
を値として持つ辞書。追加のメニュー情報と長い説明を保持する。
Note: XML データファイル中のタグ名は名前空間を含んではならない。例として
xsl.vim を参照。
Note: 全データと関数はグローバル変数/関数として公開されており、個人的な編集関
数用にも使える。
DTD -> Vim dtd2vim
DTD をパースし、XML オムニ補完用の XML データファイルを作成するスクリプト
dtd2vim が www 上にある。
dtd2vim: http://www.vim.org/scripts/script.php?script_id=1462
詳しい使い方はスクリプトの先頭を参照。
このスクリプトを使うには perl と
perlSGML: http://savannah.nongnu.org/projects/perlsgml
が必要。
コマンド
:XMLns {name} [{namespace}] :XMLns
XML オムニ補完を行うには、使うデータファイルと名前空間を指定しなければならない。
データファイルを読み込み、データを適切な名前空間に結びつけるにはコマンド
:XMLns を使う。第 1 引数(必須)でデータの名前を指定する(xhtml10s, xsl)。
第 2 引数で名前空間コードを指定する(h, xsl)。第 2 引数を省略して実行した場合は
名前空間宣言なしでダイアレクトが使われる。例として .xsl ファイルで XML 補完を
するには次のようにする:
:XMLns xhtml10s
:XMLns xsl xsl
:XMLns xsl xsl
:XMLent {name} :XMLent
既定ではデフォルト名前空間のデータファイルからエンティティが補完される。コマン
ド XMLent はデフォルト名前空間が存在しない場合に使う:
:XMLent xhtml10s
使用例
この状態で(上記のコマンドを実行した後。カーソルが | の位置にあるとする):
<|
XML オムニ補完すると適切な XHTML タグが補完される。また、次の状態:
<xsl:|
で補完すると適切な XSL タグが補完される。
autoload によりロードされるスクリプト xmlcomplete.vim の中で
xmlcomplete#GetLastOpenTag() が定義されており、この関数を使うと XML ファイル内
で最後に開いたタグの名前が得られる(b:unaryTagsStack が定義されていなければなら
ない):
:echo xmlcomplete#GetLastOpenTag("b:unaryTagsStack")
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8. 挿入モードのコマンド inserting
下のコマンドはバッファに新しいテキストを挿入するのに使うことができる。それらは
全て取り消すことができるし、"." コマンドで繰り返すことができる。
a
a カーソルの後ろにテキストを[count]回追加する。
'virtualedit' がセットされていないなら、カーソルが空行
の最初のカラムにあるときはそこに挿入する。
A
A 行末にテキストを[count]回追加する。
矩形ビジュアルモードで "A" を使うなら v_b_A を参照。
<insert> or i insert <Insert>
i カーソルの前にテキストを[count]回挿入する。
挿入モード中のCTRL-O i_CTRL-O で使うときはカウントは
サポートされていない。
I
I 行の先頭の非空白文字の前にテキストを[count]回挿入す
る。
'cpoptions' にフラグ 'H' が入っている場合、空白のみを
含む行では最後の空白文字の1文字前から挿入を開始する。
矩形ビジュアルモードで "I" を使うなら v_b_I を参照。
gI
gI カラム1からテキストを[count]回挿入する。
gi
gi カレントバッファの最後に入力がされた場所にテキストを
入力する。
これは'^マークを使う。マークが行末を越えているとき
に "'^i" と動作が異なる。
行が挿入、削除されていると入力位置は調整されるが、文
字単位の変更は考慮されない。
:keepjumpsコマンドが使われると'^マークは変更されな
い。
o
o カーソルのある行の下に新しい行を作り、そこにテキストを
[count]回繰り返し挿入する。
'cpoptions' にフラグ '#' が入っている場合、カウント指
定は無視される。
O
O カーソルのある行の上に新しい行を作り、そこにテキストを
[count]回繰り返し挿入する。
'cpoptions' にフラグ '#' が入っている場合、カウント指
定は無視される。
これらのコマンドはテキストの挿入を開始するのに使われる。挿入モードは<Esc>で止
めることができる。挿入モードでのその他の特殊な文字はmode-ins-replを参照。
[count]の効果は挿入モードから抜けた時に現れる。
'autoindent' が設定されている時には、新しい行のインデントに、前の行と同じもの
が使用される。'smartindent' か 'cindent' が設定されている時には、行のインデン
トはCプログラム(ソースコード)のスタイルに、自動的に調整される。
'formatoptions' オプションで新しい行を始める時にコメント開始文字列をコピーする
設定ができる。
'textwidth' は、行の最大幅(文字数)を設定することができる。文字を追加している時
に行が長くなりすぎると、自動的に改行が挿入される。
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9. Exの挿入コマンド inserting-ex
:a :append
:{range}a[ppend][!] 指定された行の下に何行分かのテキストを挿入する。
{range}が省略された場合、テキストは現在行の後から挿入
される。
[!] をつけるとその実行中のみ 'autoindent' をトグルする。
このコマンドは変数名ととても混同しやすいため、Vim9
script ではサポートされない。
:i :in :insert
:{range}i[nsert][!] 指定された行の上に何行分かのテキストを挿入する。
{range}が省略された場合、テキストは現在行の前から挿入
される。
[!] をつけるとその実行中のみ 'autoindent' をトグルする。
このコマンドは変数名ととても混同しやすいため、Vim9
script ではサポートされない。
これら2つのコマンドは、"." だけを含んだ行を入力するまで、挿入すべきテキストを
待ちつづける。バックスラッシュで始まる行には警戒すべし。line-continuation参
照。
"|" コマンド区切り文字の後に入力されたテキストが最初に使用される。したがって、
ex モードの以下のコマンドは:
:a|one
two
.
:visual
カーソル行の後に以下のテキストを追加する:two
.
:visual
one
two
two
Ex-mode では、これらのコマンドが :global または :vglobal とともに使用さ
れると、行はコマンドに続くテキストから取得される。行はバックスラッシュでエス
ケープされた NL で区切る:
:global/abc/insert\
one line\
another line
その場合、最後の "." は必要ない。one line\
another line
NOTE: ":append" と ":insert" は、":if" と ":endif"、":for" と ":endfor"、
":while" と ":endwhile" の間では正しく動作しない。
:start :startinsert
:star[tinsert][!] このコマンドの実行直後に挿入モードを開始する。ノーマル
モードで "i" をタイプしたように働く。!が含まれていた時
には、行に追加する "A" のように働く。そうでなければ現
在の位置から挿入が始まる。関数やスクリプトの中でこのコ
マンドを使用したときには、関数やスクリプトが終了してか
ら挿入が始まることに注意。
:normal からこのコマンドを呼び出すと機能しない。
:stopi :stopinsert
:stopi[nsert] できるだけ早く挿入モードを中止する。挿入モードで
<Esc>を押したように機能する。
自動コマンドで使うことができる。例:
:au BufEnter scratch stopinsert
replacing-ex :startreplace
:startr[eplace][!] このコマンドを実行した直後に置換モードに入る。ノーマル
モードにおける "R" とちょうど同じ。"!" をつけると "$R"
とタイプしたのと同じになる(つまり行末から置換モードを
開始する)。"!" をつけないとカーソル位置から置換モード
を開始する。
Note 関数やスクリプトの中からこのコマンドを実行すると、
その関数・スクリプトが終了した後ではじめて置換モード
になることに注意。
:startgreplace
:startg[replace][!] :startreplace と同様だが、gR のような仮想置換
モードになる。
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10. ファイルを挿入する inserting-file
:r :re :read
:r[ead] [++opt] [name] カーソルの後ろに、ファイル[name] (省略した場合:現在の
ファイル)を挿入する。
[++opt] として指定できる値については ++opt を参照。
:{range}r[ead] [++opt] [name]
指定した行の下に、ファイル[name](省略した場合:現在の
ファイル)を挿入。
[++opt] として指定できる値については ++opt を参照。
:r! :read!
:[range]r[ead] [++opt] !{cmd}
カーソルまたは指定行の後ろに、{cmd}を実行したその標準
出力の内容を挿入。コマンドの出力を蓄え、バッファに読み
込むために、テンポラリファイルが使用される。コマンドの
出力を保存するために 'shellredir' が使用されるので、標
準エラー出力も含めるか含めないか指定することができる。
{cmd}は ":!{cmd}" と同じように実行されるので、'!' だけ
を指定した場合には、以前に実行された:!コマンドに置き
換えられる。
[++opt] として指定できる値については ++opt を参照。
これらのコマンドは、ファイルの内容、もしくはコマンドの出力をバッファへ挿入す
る。これらは取り消す(UNDO)ことができる。これらは "." コマンドで繰り返すことは
できない。これらは行単位で行われる操作で、挿入はカーソルの直後のラインからか、
指定したラインの直後から行われる。一番最初のラインより上(ファイルの先頭)に挿入
するには ":0r {name}" というコマンドを使う。
":read" コマンドの後には、新しいラインの左で、最初の空白でない文字にカーソルが
移動する。もしExモードでなければ、カーソルは新しい行の最後の左側に移動する(残
念だがViとの互換性のため)。
":r" にファイル名が与えられた場合、それが代替バッファのファイルになる。これは
例えば代わりにそのファイルを編集したい時に使うことができる: ":e! #"。
'cpoptions' オプションから 'a' フラグを削除することで、オフに切り替えることが
できる。
":read" には特別な [++opt] 引数が1つある。++edit である。これは実際にファイル
を開いたときと同じようにファイルを挿入したい場合に便利である。空のバッファで次
のコマンドを実行してみよ:
:read ++edit filename
こうすると 'fileformat', 'fileencoding', 'bomb' などのオプションがそのファイルに対して検出された値になる。ただし、(:e filename とした場合と異なり)バッファの
先頭に余計な空行が 1 行入ってしまう。これは削除したほうがいいだろう。
file-read
'fileformat' オプションがファイルの<EOL>の流儀を決定する:
'fileformat' 文字 名前
"dos" <CR><NL> or <NL> DOS format
"unix" <NL> Unix format
"mac" <CR> Mac format
以前には 'textmode' が使用された。それは現在では廃れている。
'fileformat' が "dos" の時には、<NL>の前の<CR>は無視され、ファイルの終端にある
CTRL-Zもまた無視される。
'fileformat' が "mac" の時には、ファイル内の<NL>は内部的に<CR>によって表現され
る。これは<NL>を表現するために使用される<NUL>との混同を避けるためである。
CR-used-for-NL参照。
'fileformats' オプションが空でなかったら、Vimは<EOL>のタイプを識別しようと試み
る(file-formats参照)。しかしながら、'fileformat' オプションは変更されない。
検出されたフォーマットはファイルの読み込みの際にだけ使用される。
'fileencodings' についても同様。
Win32以外のシステムではDOSフォーマットのファイルを読み込んだときには、普通では
ないことが起きたことを知らせるために、"[dos format]" というメッセージが表示さ
れる。
マッキントッシュとWin32においては、ファイルがUnixフォーマットであった場合に、
"[unix format]" というメッセージが表示される。
マッキントッシュ以外のシステムでは、ファイルがマックフォーマットであった場合
に、"[mac format]" というメッセージが表示される。
":r !" をどう使うかの例:
:r !uuencode binfile binfile
このコマンドは "binfile" を読み込みuuencode化して、それを現在のバッファに読み込む。e-mailを編集していて、バイナリファイルを含めたい時に便利である。
read-messages
ファイルを読み込むときVimはその情報を表示する。いくつかのものについての説明
をあげる。他のものは見ればわかる。ロングとショートのどちらを使うかは
'shortmess' オプションに依存する。
ロング ショート 意味
[readonly] {RO} ファイルは書き込み制限されている
[fifo/socket] ストリームを使っている
[fifo] FIFOストリームを使っている
[socket] ソケットストリームを使っている
[CR missing] "dos" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてCRのないNLを見つけた
[NL found] "mac" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてNLを見つけた(unixフォーマット
なのだろう)
[long lines split] 少なくとも1つの行が2つに分割された
[NOT converted] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
が失敗した
[converted] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
を実施した
[crypted] 暗号が解除された
[READ ERRORS] ファイルを全ては読み込めなかった
{訳注: 以下日本語メッセージの場合:
ロング ショート 意味 ~
[読込専用] [読専] ファイルは書き込み制限されている
[FIFO/ソケット] ストリームを使っている
[FIFO] FIFOストリームを使っている
[ソケット] ソケットストリームを使っている
[CR無] "dos" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてCRのないNLを見つけた
[NL有] "mac" ファイルフォーマットで読み込ん
でいてNLを見つけた(unixフォーマット
なのだろう)
[長行分割] 少なくとも1つの行が2つに分割された
[未変換] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
が失敗した
[変換済] 'fileencoding' から 'encoding' の変換
を実施した
[暗号化] 暗号が解除された
[読込エラー] ファイルを全ては読み込めなかった
}
vim:tw=78:ts=8:noet:ft=help:norl: