gui.txt For Vim バージョン 9.1. Last change: 2024 Nov 17
VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
Vimのグラフィカルユーザーインターフェイス gui GUI
1. GUIの開始 gui-start
2. スクロールバー gui-scrollbars
3. マウス制御 gui-mouse
4. GUI選択の作成 gui-selections
5. メニュー menus
6. フォント gui-font
7. 付記 gui-extras
8. シェルコマンド gui-shell
他のGUIドキュメント:
gui_x11.txt X11 GUIに特有の項目について。
gui_w32.txt Win32 GUIに特有の項目について。
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1. GUIの開始 gui-start E229 E233
まずはVimがGUIに対応したバージョンであるか確認する必要がある。それは ":version"
コマンドで調べることができる。その出力が "with xxx GUI" または "MS-Windows 32
bit GUI version" を含んでいれば問題ない。ここで "xxx" は X11-Motif, Photon,
GTK2, GTK3, などである。
どのようにGUIで起動するかは使用しているシステムに依存する。たいていはこのよう
にしてGUI版のVimを実行できる:
gvim [options] [files...]
VimのX11バージョンはGUIとGUIでないモードの両方で実行することができる。
gui-x11-start を参照。
gui-init gvimrc .gvimrc _gvimrc $MYGVIMRC
gvimrc は GUI 固有の初期化コマンドを書くためのファイルである。gvimrc は常に
ファイル vimrc の後に読み込まれる。環境変数 $MYGVIMRC があると、その値が
gvimrc の代わりに使われる。
GUIの初期化は次の順序で行われる:
- オプション 'term' が "builgin_gui" に設定され、端末の設定がGUI用の初期値に設
定される。terminal-options
- システムのメニューファイルがあればそれが読み込まれる。このファイルの名前は通
常 "$VIMRUNTIME/menu.vim" である。":version" でこれを確認できる。
$VIMRUNTIMEも参照。システムのメニューの読み込みを省略するには 'guioptions'
に 'M' を含める。
buffers-menu no_buffers_menu
システムのメニューファイルはメニュー項目 "Buffers" (バッファ)の定義も含んで
いる。これを必要としないなら、ユーザーの.vimrc (.gvimrcではない!)で
"no_buffers_menu" を設定する:
項目Buffers(バッファ)を無効にするのは ":syntax on" の前にする。
メニューに表示されるバッファの名前は35文字で切り詰められる。違う長さで切り詰
めるなら、例えば50文字にするなら、次のようにする:
{gvimrc}ファイルが初期化のために読み込まれ、以下の初期化処理は省略される。
{gvimrc}が "NONE" の場合は、どの初期化ファイルも読み込まれない。
- UnixとMS-Windowsでは、システムのgvimrcが存在するなら、それが読み込まれる。こ
のファイルの名前は通常 "$VIM/gvimrc" である。":version" でこれを確認できる。
$VIMも参照。
- 次のものを試して、最初に見つかったものが使用される:
- GVIMINIT環境変数が存在し空でないなら、それがExコマンドとして実行される。
- ユーザーのgvimrcファイルが存在するなら、それが読み込まれる。このファイル
の名前は通常 "$HOME/.gvimrc" である。":version" でこれを確認できる。
- Win32では、必要であれば Vim によって $HOME が設定される、$HOME-windows
を参照。
- "_gvimrc" ファイルが見つからないときには、".gvimrc" も試される。逆のときも
同様である。
- Unix では、"~/.config/vim/gvimrc" あるいは "$XDG_CONFIG_HOME/vim/gvimrc"
が存在する場合、それが読み込まれる。":version" でこれを確認できる。
$MYGVIMRC が設定されていないならば、$MYGVIMRC に最初に見つかったファイルの名
前が代入される。
- 'exrc' オプションが設定されていて(これは標準設定ではない)、./.gvimrcファイル
が存在し、それがシステム、あるいはユーザーのgvimrcファイルではないなら、それ
が読み込まれる。このファイルがユーザーの所有しているものでないなら、いくつか
のセキュリティ上の制限が適用される。".gvimrc" が見つからないときには、
"_gvimrc" も試される。MacintoshとDOS/Win32では、"_gvimrc" が最初に試される。
NOTE: Vimを起動するときに、"-U" 引数を指定せずに "-u NONE" もしくは
"-u DEFAULTS" を指定するか、あるいは "-U NONE" を指定して起動すると、最初のも
の以外は全て実行されない。
これらは全て、ユーザーの.vimrcファイルを読み込む、というような、通常のVimの初
期化の後に実行される。initializationを参照。
しかし、GUIウィンドウは全ての初期化が実行された後に開かれる。
GUIウィンドウを開いた直後にいくつかのコマンドを実行したいなら、自動コマンド
のGUIEnterイベントを使用する。例えば:
カスタマイズしたメニュー(:menuを参照)をセットアップしたり、CUI版とは異なった
初期化をするために、gvimrcファイルを使用することができる。
ユーザーの個人的なGUI初期化ファイルを置くのに推奨される場所:
Unix $HOME/.gvimrc、$HOME/.vim/gvimrc
Win32 $HOME/_gvimrc、$HOME/vimfiles/gvimrc
または $VIM/_gvimrc
Amiga s:.gvimrc、home:.gvimrc、home:vimfiles:gvimrc
または $VIM/.gvimrc
Haiku $HOME/config/settings/vim/gvimrc
個人的な初期化ファイルは上記の順に検索され、最初に見つかったものだけが読み込ま
れる。
GUI版のVimでだけ意味を持つオプションがある。'guicursor'、'guifont'、'guipty'、
'guioptions' である。それらは他の全てのオプションと共にoptions.txtで説明され
ている。
GUIのMotifバージョン(GTK+やWin32バージョンではない)を使用しているならば、多く
のXのリソースが有効である。gui-resourcesを参照。
端末の設定をする以外に文字の色を設定する方法はハイライトを設定することである。
ハイライトの "Normal" グループは背景色と前景色を設定するために用いられる。(ナ
イスな)例:
"guibg" と "guifg" の設定は通常の背景と前景の設定よりも優先される。ハイライト
のNormalグループに対するその他の設定は使用されない。フォントを設定するには
'guifont' を使用する。
モード別にカーソルの色を設定するには、'guicursor' オプションを参照。
Vimは起動時に、スクリーンに合わせてウィンドウの位置を調整しようとする。これは
ウィンドウの一部が隠れてしまわないようにするためである。X Window Systemでは、
これは少し憶測を必要とする。'guiheadroom' オプションでウィンドウタイトルとタス
クバーに用いられる高さを変更することができる。
:winp :winpos E188
:winp[os]
GUI vimウィンドウの左上隅の現在の位置をピクセルで表示する。全
てのバージョンで機能する訳ではない。
getwinpos()、getwinposx() および getwinposy() も参照のこ
と。
:winp[os] {X} {Y} E466
与えられた{X}と{Y}の座標にGUI vimウィンドウを移動する。座標は
ウィンドウの左上隅の位置をピクセル単位で指定する。全てのバー
ジョンで機能する訳ではない。(新しい)xtermで機能する
xterm-color。
GUIウィンドウがまだ開いていないとき、この値はウィンドウが開か
れるまで保留される。位置はスクリーンに合うように調整される(可
能なら)。
:wi :win :winsize E465
:win[size] {width} {height}
{width}(幅)と{height}(高さ)を指定してウィンドウの大きさを設定
する。
数字の意味がよりわかりやすいので、代わりに `:set lines=11
columns=22` を使用することを推奨する。
期待したよりも高さが低くなるなら、'guiheadroom' オプションを確
認すること。
X Window Systemでは、これらのコマンドでVimのウィンドウの情報を得られる:
gui-IME iBus
X で各国の文字を入力するためのインプットメソッドで XIM フレームワークに依るも
の、特に iBus は、gvim で使用すると不具合が起こることが知られている。スペース
を入力できなかったり、キーを押してからそれがアプリケーションに届くまで大きな遅
延が発生したりする。
対処療法としては gvim の起動引数に -f を付けてフォークをしないようにすると症
状は出なくなる。理由は不明だが。
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2. スクロールバー gui-scrollbars
垂直スクロールバーと水平スクロールバーがある。'guioptions' オプションでどれが
表示されるかを設定することができる。
このような外観になっている(設定が ":set guioptions=mlrb" のとき):
+------------------------------+
| ファイル 編集 ヘルプ | <- メニューバー(m)
+-+--------------------------+-+
|^| |^|
|#| テキストエリア |#|
| | | |
|v|__________________________|v|
Vimウィンドウ間の -> |-+ File.c 5,2 +-|
通常のステータス行 |^|""""""""""""""""""""""""""|^|
| | | |
| | 別のファイルバッファ | |
| | | |
|#| |#|
左スクロールバー(l)-> |#| |#| <- 右
|#| |#| スクロールバー(r)
| | | |
|v| |v|
+-+--------------------------+-+
| |< #### >| | <- 下
+-+--------------------------+-+ スクロールバー(b)
スクロールバーやメニューバーは 'guioptions' から対応する文字を取り除くことで無
効にできる。下スクロールバーは 'nowrap' が設定されているときだけ有用である。
垂直スクロールバー gui-vert-scroll
各Vimウィンドウはとなりにスクロールバーを持っていて、上下にスクロールしてその
バッファ内のテキストの表示を移動できる。スクロールバーのつまみのサイズはウィン
ドウに見えているバッファの割合を示している。スクロールバーがずっと下方にドラッ
グされると、ファイルの最後の行はウィンドウの最上部に表示される。
ウィンドウが(他のウィンドウの拡大によって)高さゼロに縮小されると、そのスク
ロールバーは表示されなくなる。それはウィンドウが復元されるときに再び表示され
る。
ウィンドウを縦分割しているとき、カレントウィンドウだけがスクロールバーを利用で
きる。そして、複数のウィンドウの真ん中のウィンドウを操作しているときは、スク
ロールバーは間のウィンドウを飛び越えて作用する。
両側にスクロールバーがあるときに、複数のウィンドウの真ん中のカレントウィンドウ
が左半分に面していると、右側のスクロールバーは右端のウィンドウに影響する。左右
が逆でも同様。
水平スクロールバー gui-horiz-scroll
(Vim GUIの最下段の)水平スクロールバーは、'wrap' オプションがオフのときに、テキ
ストを横にスクロールするために使用する。スクロールバーのつまみのサイズは、左右
にスクロールして一番長い行のテキストを全て表示できるくらいである。必要に応じて
カーソルが移動するとき、カーソルは表示されている文字の上にとどまる
('virtualedit' が設定されていなければ)。
一番長い行を計算するのは多少の処理時間を必要とする。そしてそれは何かが変更され
るときに毎回行われる。その時間が多すぎるようだったり、他の行へのカーソルジャン
プを好まないなら、'guioptions' に 'h' を含めると、スクロールはカーソルのある行
の長さに制限される。
motif-intellimouse
インテリマウスを持っていて、Xサーバーがホイールをサポートしているなら、gvimで
テキストを上下にスクロールするのにホイールを使うことができる。これはXFree86
4.0以降のバージョンで機能する。古いバージョンでもパッチを当てれば利用可能にな
る。scroll-mouse-wheelを参照。
古いバージョンのXFree86ではXサーバーにパッチを当てなくてはならない。以下のペー
ジにはパッチとXサーバーのバイナリへのリンクに加えて、Linux上でインテリマウスを
使用することについて多少の情報がある(けれども必要とするものはないかもしれない):
http://www.inria.fr/koala/colas/mouse-wheel-scroll/
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3. マウス制御 gui-mouse
マウスは、'mouse' オプションに適切なフラグが設定されている場合にだけ機能する。
GUIに切り替わるときに、'mouse' がまだ設定されていなければ、'mouse' オプション
は自動的に "a" に設定され、hit-enterプロンプトを除いて全てのモードで有効にな
る。これを望まないならば、"gvimrc" ファイルで 'mouse' オプションを変更する。
関連する他のオプション:
'mousefocus' マウスポインタが乗っているウィンドウをカレントウィンドウにする
gui-mouse-focus
'mousemodel' マウスのボタンがどのような動作をするか
'mousehide' テキストを入力している間マウスポインタを隠す
'mousemoveevent' マウス移動イベントを有効にし、<MouseMove> をマッピングできる
ようにする
'selectmode' 選択時に選択モードとビジュアルモードのどちらを使うか
素早くこれらを設定するには ":behave" コマンドで行う。
:behave :be
:be[have] {model} マウスと選択の動作を設定する。有効な引数は:
mswin MS-Windowsの動作
xterm Xtermの動作
":behave" を使用するとこれらのオプションが変更される:
option mswin xterm
'selectmode' "mouse,key" ""
'mousemodel' "popup" "extend"
'keymodel' "startsel,stopsel" ""
'selection' "exclusive" "inclusive"
$VIMRUNTIMEディレクトリの中に、MS-Windowsにあるようなcut/copy/paste機能のため
のキーマッピングを設定するmswin.vimと呼ばれるスクリプトがある。これは、
CTRL-V、CTRL-X、CTRL-Cキーを用いるので、標準の操作と互換性がなくなってしまう。
それでも構わないなら、このコマンドで使用する:
マウスのホイールでスクロールするには、scroll-mouse-wheelを参照。
3.1 マウスによるカーソルの移動 gui-mouse-move
カーソルを持って行きたいテキストバッファのどこかでマウスの左ボタンをクリックす
ると、カーソルはそこに行く!
動作するモード 'mouse'が以下を含んでいるとき
ノーマルモード 'n' or 'a'
ビジュアルモード 'v' or 'a'
挿入モード 'i' or 'a'
選択モードはビジュアルモードのように扱われる。
現在のカーソル位置からマウスで指示する位置までのテキストを削除するために 'd'
のようなオペレータと共にこれを使用してもよい。つまり、'd' を入力してからどこか
をマウスでクリックする。
gui-mouse-focus
'mousefocus' オプションを設定してキーボードフォーカスがマウスポインタに追従す
るようにできる。これはマウスポインタが乗っているウィンドウがアクティブウィンド
ウになることを意味する。警告: メニューをうまく利用できなくなる。メニューを使用
したときに、そのメニューに設定されたコマンドは常に一番上のウィンドウに適用され
てしまうだろう。
('mouse' が 'c' か 'a' を含んでいるなら)コマンドラインモードや検索モード中にマ
ウスの左ボタンか右ボタンをクリックすることで、コマンドラインの行のクリックした
位置にカーソルを移動できる。
どのような状況でも、マウスの中ボタンをクリックして、現在の選択を貼り付けること
ができる。
3.2 マウスによる選択 gui-mouse-select
マウスを使って選択を開始できる。どのように使用するかは 'mousemodel' オプション
に依存する:
'mousemodel' が "extend" である: マウスの右ボタンを使用する。
'mousemodel' が "popup" である: Shiftキーを押しながら、マウスの左ボタンを使用
する。
選択を開始するときには、カーソルの位置からマウスで指示した位置までが選択され
る。すでに選択されている状態で選択の操作をすると、選択範囲が拡張される。
'selectmode' が "mouse" を含んでいるなら、選択モードが使用される。これは選択中
に入力した文字で選択範囲が置き換えられることを意味する。
Select-modeを参照。そうでなければ、ビジュアルモードが使用される。
ダブルクリックで単語の選択、トリプルクリックで行の選択、クワドルプルクリック
(4回クリック)で矩形ブロックを選択することができる。
どのように選択が用いられるかに関してはgui-selectionsを参照。
3.3 マウスによる他のテキスト選択 gui-mouse-modeless
modeless-selection
次のときには異なる選択方法が使われる:
- コマンドラインモード
- コマンドラインウィンドウを使用中に他のウィンドウを指したとき
- hit-enterプロンプト
- 現在のモードが 'mouse' オプションで指定されていないときはいつでも
- GUIでCTRLキーとSHIFTキーを同時に押しているとき
テキストが選択されていても、選択されていないかのように、あるいは、選択に関連し
たモードが存在しないかのように、Vimが通常の動作を継続するので、これはモードレ
ス選択と呼ばれる。Vimウィンドウの中のどんなテキストでも選択することができる。
開始点でマウスの左ボタンを押すことでテキストを選択し、終点までドラッグして離
す。選択を延長するには、'mousemodel' が "extend" のときにはマウスの右ボタンを
使用し、'mousemodel' が "popup" のときにはシフトキーを押しながらマウスの左ボタ
ンを使用する。
選択したテキストが変更されると、選択は解除される。
コマンドラインでは CTRL-Y で選択範囲をクリップボードにコピーできる。挿入モード
中にコピーするには CTRL-O を使い CTRL-Y <CR> とする。'guioptions' に a か A が
含まれるとき (X11 では既定でそうなっている) は、選択範囲が自動的にレジスタ "*
にコピーされる。
マウス中ボタンでテキストを貼り付けられる。X11 以外のシステムでは CTRL-R + を
使えば貼り付けられる。
3.4 ステータス行でのマウスの使用 gui-mouse-status
Vimウィンドウの下のステータス行でマウスの左ボタンか右のボタンをクリックするこ
とでそのウィンドウがカレントウィンドウになる。これはボタンを放したときに起こる
(クリックとドラッグの操作を区別するため)。
左ボタンを使ってステータス行を上下にドラッグすると、ウィンドウのサイズを上下に
変更できる。この操作ではそのウィンドウはカレントウィンドウにならない。
ウィンドウの垂直の区切りも同様に機能する。クリックした区切りの左のウィンドウが
カレントウィンドウになる。左右にドラッグするとウィンドウの幅を変更できる。
3.5 様々なマウスクリック gui-mouse-various
<S-LeftMouse> マウスクリックで単語を前方検索する。'mousemodel' が
"popup" のときには、これは選択を開始するか、あるいは延
長する。
<S-RightMouse> マウスクリックで単語を後方検索する。
<C-LeftMouse> マウスクリックでタグ名へジャンプする。
<C-RightMouse> 直前のタグジャンプの前の位置に戻る("CTRL-T" と同じ)。
3.6 マウスマッピング gui-mouse-mapping
修飾キー付きのマウスイベントをマッピングすることもできる。例えば:
するために、マウスの右ボタンを使わずに、Shiftキーを押しながら左ボタンを押す方
法を設定している。
<MouseMove> にマッピングできるが、マッピングに使うには 'mousemoveevent' を有効
にしなくてはならない。
修飾キーを使ったマウス操作のマッピングはモードレス選択では機能しない。
3.7 ドラッグ&ドロップ drag-n-drop
Vimウィンドウに1つ、あるいは複数のファイルをドラッグ&ドロップすることができる。
ファイルは :drop コマンドを使ったときのように開かれる。この機能がサポートさ
れているかどうかは drop_file 機能で確認できる: has('drop_file')。
Shiftキーを同時に押していると、Vimはカレントディレクトリをドロップされた最初の
ファイルがあるディレクトリに変更する。Ctrlキーを同時に押していると、ファイルを
開くためにウィンドウを分割する。押してなければカレントバッファが変更されていな
いときだけファイルは開かれる。
ディレクトリをVimにドロップすることもできる。この操作はexplorerプラグインでそ
のディレクトリを開く(それが利用可能だと想定している。無理ならエラーが表示され
るだろう)。Shiftキーを同時に押していれば、ディレクトリを開かずに、カレントディ
レクトリをそのディレクトリに変更する。
コマンドラインを編集中なら、ドロップされたファイルやディレクトリの名前がカーソ
ル位置に挿入される。これはExコマンドでそれらの名前を使うのに便利である。特別な
文字(スペース、タブ、ダブルクォート、'|'、MS-Windows以外ではバックスラッシュ
も)はエスケープされる。
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4. GUI選択の作成 gui-selections
quotestar
マウス(gui-mouse-selectを参照)か、あるいはVimのビジュアルモード(vを参照)を
使用して、選択を作成できる。'guioptions' に 'a' が指定されているなら、いつ選択
(ビジュアルモードや選択モード)が開始されるとしても、あるいは選択が変更されると
しても、Vimがウィンドウシステムの主要な選択の所有者になる(MS-Windowsで
はgui-clipboardが用いられる。X11ではx11-selectionが用いられる。ここの説明
は両方に共通している)。
clipboard
選択を保存するための特別なレジスタがある。それは "* レジスタである。どのテキス
トが選択されているかという情報が(例えばマウスの左ボタンをクリックするなどして)
変更されるか、あるいは他のアプリケーションが選択されたテキストを貼り付けようと
しない限りここには何も書き出されない。使用されるときにはテキストは "* レジスタ
に書き出される。例えば、行を切り取って、それを現在の選択にして、クリップボード
にそれを書き出すためには次のようにする:
同様に、例えば、マウスの中ボタンをクリックするなどして、他のアプリケーションか
ら選択を貼り付けるときには、選択は始めに "* レジスタに書き出され、それから他の
レジスタと同じように挿入される。例えば、選択(クリップボードの内容)を貼り付ける
には:
X11でこのレジスタを使うには、x11-selectionも参照。これは深く関連した "+ レジ
スタについても説明している。
あるVimから他の独立したVimにテキストを貼り付けたいときには、選択のタイプ(文
字、行あるいは矩形)もコピーされることに注意する。他のアプリケーションについて
は、タイプは常に文字である。x11-cut-bufferを介して得たテキストでも、その選択
のタイプは常に失われる。
'clipboard' オプションに "unnamed" 文字列が含まれているときには、無名レジスタ
は "* レジスタと同じである。したがってコマンドの前に "* を付けずに選択をコピー
し貼り付けることができる。
W23 および W24 も参照。
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5. メニュー menus
まずはユーザーマニュアルのusr_42.txtを御覧ください。
5.1 メニューの使用 using-menus
基本的には、メニューは単にマッピングのように使用することができる。自分のメ
ニューを好きなだけたくさん定義することができる。
長い間Vimユーザーはメニューを十分に使用してこなかった。しかし自分のメニューや
メニュー項目を追加することは大きな力を秘めている。ある一連のキー操作を覚えられ
ないようなときに最も便利である。
別の言語用にメニューを作成するには、:menutrans を参照。
メニューをまったく使いたくない場合は、'go-M' を参照。
menu.vim
標準のメニューは "$VIMRUNTIME/menu.vim" ファイルから読み込まれる。パスがどこを
指すかについては$VIMRUNTIMEを参照。ユーザーは自分のメニューを設定することが
できる。その際に標準のメニューを利用するのはいい考えである。メニューに項目を追
加したり、あるいは、標準のメニューが気に入らなければ、全てのメニューを取り除く
ことができる:unmenu-all。.vimrcファイル(.gvimrcファイルではない!)にこの行を
追加することで標準のメニューが読み込まれないようにすることもできる:
可能な全てのファイルタイプをメニューに表示できる(読み込みに少し時間がかかるかも
しれない)。起動時に全てのファイルタイプが表示されているようにしたければ次の行
を加える:
以下のメニュー項目は、使用可能なすべてのカラースキーム、キーマップおよびコンパ
イラ設定を表示する。
Edit > Color Scheme
Edit > Keymap
Tools > Set Compiler
しかしながら、'runtimepath' 内のディレクトリから関連するファイルをすべて検索す
るので読み込みに多少時間がかかる。したがって、それらは (イベント CursorHold
によって) 遅れて読み込まれる、もしくは手動で読み込むこともできる。すでに存在す
るすべての項目を起動時に読み込んでおきたい場合、以下を加える:
Note: menu.vim が読み込まれるのは、:syntax on もしくは :filetype on が実行
されたとき、もしくはユーザーの .vimrc ファイルが読み込まれた後である。これは、
オプション 'encoding' およびメッセージ用の言語 (:language messages) がそれよ
り前に設定されていなければならないことを意味する (もし変更したいのであれば)。
console-menus
このドキュメントはGUIの項目であるけれども、CUI版のVimでも実際にメニューを使用
することができる。そのときには明示的にmenu.vimを読み込まなければならないだろ
う。それは標準では設定されない。ほぼ実際のメニューシステムのようにメニューの項
目にアクセスするために 'wildmenu' を設定して:emenuコマンドの使用時にコマンド
ライン補完を使用することができる。これをするには、.vimrcファイルに次のコマンド
を付加しておく:
にカーソルキーを使用することができる。それを実行するには<Enter>を入力する。
キャンセルするには<Esc>を入力する。これはコンパイル時に+menu機能を有効にする
必要がある。
tear-off-menus
GTK+ 2 と Motif は切取りメニュー(Tear-offメニュー)をサポートする。これは少し変
わったメニューで、ポップアップメニューが常に表示されるようなものである。メニュー
のウィンドウのサイズの変更が正確に機能しないなら、これはリソースに
"Vim*geometry" のように設定していることが原因かもしれない。もしそうなら代わり
に "Vim.geometry" を使用する。
GTK+ 3 では、GTK+ 3.4 から切取りメニューが非推奨となった。よって、GTK+ 3.4 以
降とリンクされた gvim ではこの機能は無効化される。
Win32 GUIバージョンはMotifの切取りメニューをエミュレートする。Motifユーザーな
ら簡単に違いを確認できるだろうが、同じように便利に使えると思う。:tearoffコマ
ンドとhidden-menusを利用して、メインのメニューバーに項目を作らずに切取りメ
ニューを作ることができる。
5.2 新しいメニューの作成 creating-menus
:me :menu :noreme :noremenu
E330 E327 E331 E336 E333
E328 E329 E337 E792
新しいメニュー項目を作るには、":menu" コマンドを使用する。これはほとんど ":map"
のコマンド群 (map-modes を参照) と同じだが最初の引数はメニュー項目の名前であ
り、'.' で区切ったメニューとサブメニューのパスとして与えられる。例えば:
この最後の1つはメニューバーに "Edit" という新しい項目を作る、そしてその上でマ
ウスのボタンを押すと "Big Changes" という項目を含んだメニューが表示されるだろ
う。"Big Changes" は "Delete All Spaces" という項目を含むサブメニューを持って
いて、その項目を選択すると操作が実行される。
端末モード用のメニューを作成するには、キーマッピング (:tmap) とは異なり、
:tmenu ではなく :tlmenu を使用する。これは、:tmenu がすでにメニューのツー
ルチップを定義するために使用されているためである。terminal-typing を参照。
メニュー名での特殊文字:
menu-shortcut
& この文字の次の文字はショートカットキーである。どのショートカッ
トキーも(サブ)メニューの中で1度だけしか使用されていないことを
確認すること。メニュー名に "&" を入れるには "&&" とする。
menu-text
<Tab> メニューの名前をそこで区切って以降を右詰めにする。実行する操作
をそろえて表示するのに便利である。使いやすいように文字として
"<Tab>" をそのまま書けばいいようになっている。本当のTab文字を
使用するなら、その前にバックスラッシュを付けること!
例:
[文字通りタイプする]
(<Alt>キーと同時に)ショートカットキーの "F" を押し、それから "O" を押すと、こ
のメニューを使用できる。Openの項目は "Open :e" のように表示される。":e" は
右詰めされ、"O" にはショートカットであることを示すために下線が引かれる。
:am :amenu :an :anoremenu
":amenu" コマンドは端末モードを除く全てのモードで使えるメニューの項目を1度に定
義することができる。コマンドを正確に機能させるために、いくつかのモード用に自動
的に文字が付加される:
モード 前に付加 後ろに付加
ノーマルモード なし なし
ビジュアルモード <C-C> <C-\><C-G>
挿入モード <C-\><C-O>
コマンドラインモード <C-C> <C-\><C-G>
オペレータ待機モード <C-C> <C-\><C-G>
後ろに付加されるCTRL-\ CTRL-Gは 'insertmode' が設定されているときには挿入モー
ドに戻る。CTRL-\_CTRL-Gを参照。
例:
は以下と同じである:
注意: 挿入モードでは1つのノーマルモードのコマンドに対してだけ機能する。これは
CTRL-Oの仕様による。2つ以上のコマンドを使うには、":imenu" コマンドを使用する必
要がある。どのモードでもテキストを挿入するために式レジスタ('=' レジスタ)を使用
することができる:
特殊なテキスト <Cmd> は "コマンドメニュー" を開始し、モードを変更せずにコマン
ドを直接実行する。":...<CR>" を使う箇所で代わりに "<Cmd>...<CR>" を使うことが
できる。詳細は <Cmd> を参照。例:
Note: 'cpoptions' の中の '<' フラグと 'k' フラグが適用される(含まれていたとき
には、<>による特殊キーの書式や生のキーコードは認識されない)。
Note: コマンドラインモードでの<Esc>はマッピングで使用されたときと同様に(入力を
キャンセルするのではなく)コマンドを実行する。これはVi互換である。コマンドライ
ンモードを終了するにはCTRL-Cを使用する。
{訳注: c_<Esc>を参照}
:nme :nmenu :nnoreme :nnoremenu :nunme :nunmenu
メニューコマンドが "n" で始まるものはノーマルモードに作用する。mapmode-n
:ome :omenu :onoreme :onoremenu :ounme :ounmenu
メニューコマンドが "o" で始まるものはオペレータ待機モードに作用す
る。mapmode-o
:vme :vmenu :vnoreme :vnoremenu :vunme :vunmenu
メニューコマンドが "v" で始まるものはビジュアルモードに作用する。mapmode-v
:xme :xmenu :xnoreme :xnoremenu :xunme :xunmenu
メニューコマンドが "x" で始まるものはビジュアルモードと選択モードに作用す
る。mapmode-x
:sme :smenu :snoreme :snoremenu :sunme :sunmenu
メニューコマンドが "s" で始まるものは選択モードに作用する。mapmode-s
:ime :imenu :inoreme :inoremenu :iunme :iunmenu
メニューコマンドが "i" で始まるものは挿入モードに作用する。mapmode-i
:cme :cmenu :cnoreme :cnoremenu :cunme :cunmenu
メニューコマンドが "c" で始まるものはコマンドラインモードに作用す
る。mapmode-c
:tlm :tlmenu :tln :tlnoremenu :tlu :tlunmenu
メニューコマンドが "tl" で始まるものは端末{訳注:ノーマルとジョブ両方の}モード
に作用する。mapmode-t
:menu-<silent> :menu-silent
実行したコマンドをコマンドラインに表示しないようなメニューを定義するには、最初
の引数に "<silent>" を加える。例:
も実行したコマンドの出力は表示される。それを表示しないようにするには、
":silent" を付けてコマンドを実行する:
:menu-<special> :menu-special
'cpoptions' にフラグ "<" が含まれているときでも、メニューを定義する際には <>
記法で特殊なキーを表すことができる。これは 'cpoptions' の副作用が望ましくない
場合に便利である。例:
後に書かねばならない。
:menu-<script> :menu-script
メニューに指定されたコマンドにはマッピングが適用される。適用しないようにするに
は、":noremenu" コマンド(とそれに類するモード別のコマンド)を使う。スクリプト
ローカルなマッピングを使うには ":menu" コマンドの最初の引数、あるいは
"<silent>" の次に "<script>" と書く。
{訳注: これは<SID>で指定した部分だけがマッピングされる。例:
nnoremenu <script> AAA.BBB :echo "<SID>LM" "LM"<CR>
cnoremap <SID>LM 'This is script-local mapping'
cnoremap LM 'This is not used'
スクリプトファイルでこのように設定し、メニューのAAA.BBBを実行すると
'This is script-local mapping' LM
と表示される。"<SID>LM" はマッピングされ、"LM" はマッピングされていな
い。}
menu-priority
メニューに優先度を与えることができる。より高い優先度を与えられたメニューほど右
に配置される。優先度は ":menu" コマンドの前の数字で与えれられる。
例:
標準のメニューはこれらの優先度を持つ:
File 10
Edit 20
Tools 40
Syntax 50
Buffers 60
Window 70
Help 9999
優先度を指定しない、あるいはゼロを指定すると、500が用いられる。
ポップアップメニューに対しては優先度は意味を持たない。
対応しているシステム (Motif と GTK+) では、「ヘルプ」メニューはメニューバーの
右端に離れて配置される。これはGTK+ 2 と 3 では、もはや認められないユーザーイン
ターフェイスデザインのため行われない。
ヘルプメニューの後ろに置くために、9999より高い優先度を使用することができるが、
それは非標準であり、推奨しない。優先度の取り得る値は最高で約32000である。最低
は1である。
sub-menu-priority
同様にサブメニューも配置を指定できる。優先度は、メニュー名の前に、ドット区切り
の優先度のリストとして指定する:
だけである。例えば、他の項目の前にサブメニューを置くには:
に置かれるようにするには:
例えば、別のモードで定義されていたときには、優先度は変更されない。したがって、
優先度はメニューを最初に定義するときだけ与える必要がある。
例外はポップアップメニューである。各モード(ノーマルモード、オペレータ待機モー
ド、ビジュアルモード、挿入モード、コマンドラインモード)に別々のメニューがあ
る。これらのメニューは順序が異なってもよい。これはメニューバーのメニューとは異
なる。メニューバーのメニューは全てのモードで同じ順序である。
NOTE: サブメニューの優先度は現在全てのGUIのバージョンで機能する訳ではない。
menu-separator E332
メニューの各項目は特殊なメニュー項目を使って区切ることができる。それはシステム
によるが、線や点線として表示される。そのような項目の名前は '-' で始めて '-' で
終わるように定義する。間には一意な名前を挟むことができる。普通のメニュー項目と
同様に優先度を設定することもできる。
例:
とができないので、内容はなんでも構わない。ただ単にコロン(:)を1つ書いておくだけ
でいい。
gui-toolbar
ツールバーは今のところWin32、Motif、GTK+ (X11)、Photon GUIで利用可能である。い
ずれは他のGUIでも使えるようになるだろう。標準のツールバーはmenu.vimで定義され
ている。
ツールバーの表示は 'guioptions' の文字 'T' によって制御される。したがって、メ
ニューとツールバーを同時に、あるいはどちらかだけを表示することもできるし、両方
とも非表示にすることもできる。
表示方法は 'toolbar' オプションで変更できる。画像かテキスト、もしくは両方を表
示するかを選択できる。
toolbar-icon
ツールバーは、1つのレベルだけを持つToolBarと呼ばれる特別なメニューとして定義さ
れている。Vimはこのメニューの項目を以下のように解釈する:
1) "icon=" 引数が与えられたときは、そのファイルが使われる。ファイル名にはフル
パスか、ファイル名のみを指定する。後者の場合には、そのファイルは3)の場合と
同じように 'runtimepath' の "bitmaps" ディレクトリから検索される。例:
る。
ファイルが開けなければ2)を試す。
ファイル名に空白を含めるにはバックスラッシュでエスケープする。
メニューの優先度はiconの引数の後に指定する:
ビットマップの番号##を使用するとみなされる。今のところ、0から30までの31個
の一般的な編集操作のものが用意されているbuiltin-tools:
検索される。もしあればそのビットマップファイルがツールバーボタンのイメージ
として用いられる。正確なファイル名はOS特有であることに注意する。例えば、
Win32でのコマンド
GTK+ 2では 'Hello.png'、'Hello.xpm'、'Hello.bmp' がチェックされ、最初に見
つかったものが使われる。
MS-WindowsとGTK+ 2ではビットマップはボタンの大きさに合わせて拡大縮小され
る。MS-Windowsでは縦18横18のサイズがちょうどいいだろう。
MS-Windowsではビットマップは16色の標準パレットを使った物である。明るい灰色
はウィンドウのフレームの色に変更され、暗い灰色はウィンドウの影の色に変更さ
れる。システムに依存するが、16色よりも色が多くても問題ないだろう。
4) ビットマップがまだ見つからないならば、Vimは組み込みの名前のリス
トに対して同等のものを探す。どの組み込みのボタンイメージも名前を持ってい
る。だから、コマンド
示するだろう。全ての組み込みの名前はmenu.vimで用いられているので確認できる。
5) 全てが失敗すると、空白だが、ちゃんと機能する、ボタンが表示される。
builtin-tools
番号 名前 通常の動作
00 New 新しいウィンドウを開く
01 Open 現在のウィンドウで開くためにファイルをブラウズする
02 Save バッファをファイルに保存する
03 Undo 最後の変更を取り消す
04 Redo 最後の取り消した変更をやり直す
05 Cut 選択されたテキストを削除しクリップボードへ送る
06 Copy 選択されたテキストをクリップボードにコピーする
07 Paste クリップボードからテキストをペーストする
08 Print 現在のバッファを印刷する
09 Help Vimの組み込みのヘルプでバッファを開く
10 Find 検索コマンドを開始する
11 SaveAll 全ての修正されたバッファをファイルに保存する
12 SaveSesn 現在の状態をセッションファイルに保存する
13 NewSesn 新しいセッションファイルに保存する
14 LoadSesn セッションファイルを読み込む
15 RunScript Vim scriptとして実行するためにファイルをブラウズする
16 Replace 置換コマンドのためのプロンプト
17 WinClose 現在のウィンドウを閉じる
18 WinMax 現在のウィンドウに使用する行数を最大にする
19 WinMin 現在のウィンドウに使用する行数を最小にする
20 WinSplit 現在のウィンドウを分割する
21 Shell シェルを開始する
22 FindPrev 後方に再検索する
23 FindNext 前方に再検索する
24 FindHelp ヘルプを検索する単語のためのプロンプト
25 Make makeを実行し最初のエラーにジャンプする
26 TagJump カーソルの下のtagにジャンプする
27 RunCtags 現在のディレクトリのファイルに対してtagsを作成する
28 WinVSplit 現在のウィンドウを縦分割する
29 WinMaxWidth 現在のウィンドウの幅を最大化する
30 WinMinWidth 現在のウィンドウの幅を最小化する
hidden-menus win32-hidden-menus
Win32とGTK+ GUIでは、']' で始まるメニュー名はメインのメニューバーから除外され
る。それを表示するには:popupか:tearoffコマンドを使用しなければならない。
window-toolbar WinBar
各ウィンドウはローカルなツールバーを持つことができる。これはウィンドウの先頭行
を使用し、したがってテキスト用の領域は 1 行少なくなる。ツールバー内の項目は
"WinBar" で始まらなければならない。
テキストのみを使用することができる。Unicode を使用する場合、項目をアイコンのよ
うに見せるために特殊文字を使うことができる。
項目が収まらない場合、最後の項目は使用することができない。ツールバーは折り返さ
ない。
Note: これらのコマンドを実行しているとき、Vim はどのモードでもありうる。メ
ニューはノーマルモード用に定義されるべきで、かつ現状のモードを変えることなく実
行される。したがって、カレントウィンドウがビジュアルモードで、かつメニューコマ
ンドが意図的にモードを変えない場合、Vim はビジュアルモードのままである。もっと
もよいのは、副作用を避けるために :nnoremenu を使用することである。
デバッガツールの例:
ウィンドウツールバーは ToolbarLine および ToolbarButton ハイライトグループを使
用する。
ウィンドウを分割する際、ウィンドウツールバーは新しいウィンドウにはコピーされな
い。
popup-menu
Win32、GTK+、Motif、Photon GUIでは、特別なメニュー "PopUp" を定義することがで
きる。これは、'mousemodel' がpopupあるいはpopup_setposに設定されているときに、
マウスの右ボタンが押されると表示されるメニューである。
例:
5.3 メニューの定義を表示する showing-menus
メニューがどのように定義されているかを確認するには、(":map" コマンドでするのと
全く同様に)menuコマンドの後にたった1つの引数を指定するだけである。指定されたメ
ニューがサブメニューならば、その階層の下の全てのメニューが表示される。:menuの
後に引数を与えなければ、適切なモードに対する全てのメニュー項目が表示される(例
えば、コマンドラインモードに対して:cmenu)。
メニュー項目の一覧には、指定されたコマンドの前に特別な文字が表示される:
* そのメニュー項目は再マッピングを避けるために "nore" を付けて定義された
& そのメニュー項目は再マッピングをスクリプトローカルに限定するために
"<script>" を付けて定義された
s そのメニュー項目のマッピングが実行されたとき、表示がないように
"<silent>" を付けて定義された
- そのメニュー項目は非表示である
NOTE: menuコマンドでメニューの名前を入力しているときに<Tab>を打つと名前が補完
される(設定による)。
列挙中にメニューを変更することはできない。 E1310
これは通常は発生しないが、例えば、タイマーのコールバックでメニューを定義し、
ユーザーが more-prompt を表示する方法でメニューを列挙する場合にのみ発生する。
5.4 メニューの実行 execute-menus
:em :emenu E334 E335
:[range]em[enu] {menu} コマンドラインから{menu}を実行する。
通常はノーマルモードのメニューを実行する。実行
範囲が与えられたときは、ビジュアルモードのメ
ニューを実行する。
<c-o>から実行されたときは、挿入モードのメ
ニューを実行する。例:
:[range]em[enu] {mode} {menu} 上記と同様だが、{mode} 用のメニューを実行する:
'n': :nmenu ノーマルモード
'v': :vmenu ビジュアルモード
's': :smenu 選択モード
'o': :omenu オペレータ待機モード
't': :tlmenu 端末モード
'i': :imenu 挿入モード
'c': :cmenu コマンドラインモード
CUI版のvimをWANT_MENUを定義してコンパイルしたなら、:emenuを使ってGUIのときと同
じように便利なメニューを使用できる。その際に 'wildmenu' を設定しておくと便利で
ある。使用例はconsole-menusを参照。
範囲を指定するとき、'<,'> と指定すると、最後にビジュアル選択した範囲に対して実
行される。
5.5 メニューの削除 delete-menus
:unme :unmenu
:aun :aunmenu
メニュー項目やサブメニュー全体を削除するには、unmapコマンドによく似たunmenuコ
マンドを使用する。例えば:
これは挿入モードとコマンドラインモードでの操作をEditメニューの項目Pasteから取
り除く。
NOTE: umenuコマンドでメニューの名前を入力しているときに<Tab>を打つと名前が補完
される(設定による)。
全てのメニューを取り除くには次のようにする: :unmenu-all
メニューバーを非表示にするには:
5.6 メニューを無効にする disable-menus
:menu-disable :menu-enable
メニューを削除するのではなくて、一時的に無効にしたいときは、":menu" コマンドに
"disable" キーワードを指定する。有効にするには "enable" キーワードを指定する。
例:
このコマンドはmenuコマンド群が影響する各モードに適用される。"&" は翻訳された名
前にも適用するために必要である。
引数に "*" を使うと、全てのメニューに作用する。そうでなければ、指定したメニュー
項目とそのサブメニューに作用する。
5.7 メニューの例 menu-examples
メニューを使用してメニュー項目を追加する方法の例をここに示す。カーソルの下の
キーワードをメニュー項目に追加することができる。レジスタ "z" を使用している。
(指定するコマンドには<>記法を使える。このテキストをそのままコピー/ペーストして
試してみたり、gvimrcに書き加えることができる。"<C-R>" は CTRL-R であり、"<CR>"
は <CR> キーである。<>)
tooltips menu-tips
5.8 ツールチップとメニューチップ
ユーザーマニュアルの42.4を参照すること。
:tmenu :tm
:tm[enu] {menupath} {rhs} メニューやツールバーにチップを定義する。
{X11とWin32 GUIのみ}
:tm[enu] [menupath] メニューチップを一覧表示する。
{X11とWin32 GUIのみ}
:tunmenu :tu
:tu[nmenu] {menupath} メニューやツールバーのチップを削除する。
{X11とWin32 GUIのみ}
Note: 端末モードのメニューを作成するには、代わりに :tlmenu を使用する。
メニューの項目にチップが定義されていて、マウスがその項目の上にあるとき、その
チップがコマンドラインに表示される。それはWindows標準でステータスバーに表示さ
れるメニューヒントに似ている(Vimがコマンドラインモードのときは除く、そのときは
もちろん何も表示されない)。
ツールバーの項目にチップが定義されているときは、慣習にしたがって、マウスがその
ボタンの上で止まったときにツールチップが表示される。その表示に使う色を変更する
にはハイライトグループのhl-Tooltipを設定する。
チップはメニューの各項目に定義できる。例えば、次のようにメニュー項目を定義した
とき:
ツールチップは今のところX11とWin32 GUIでサポートされている。近い内に他のGUI環
境でもサポートされるだろう。
":tmenu" コマンドは他のmenuコマンド群と同じように機能し、同じ引数をとる。
":tunmenu" は他のunmenuコマンド群と同じようにメニューチップを削除する。
メニュー項目が無効になる(例えば、全てのモードでその動作が削除される)ときには、
Vimはメニューチップ(と項目)を削除する。つまり:aunmenuでメニュー項目を削除する
ときには、:tunmenuする必要はないということである。
5.9 ポップアップメニュー
Win32とGTK+ GUIでは、カーソルの位置にメニューをポップアップ表示することができ
る。これは「PopUp」メニューと同じように動作し、どんなメニューでも表示すること
ができる。
このコマンドは後方互換性のために残されていて、使用することは推奨されない。なぜ
ならこのコマンドのふるまいは好ましくないからである。
:popup :popu
:popu[p] {name} メニュー項目{name}をポップアップ表示する。その
メニューは少なくとも1つ以上の項目を持っている
必要がある。メニューバーに表示されている必要は
ない (hidden-menus を参照)。
{Win32 および GTK GUI もしくは端末内で利用可能}
:popu[p]! {name} 上記と同様だが、カーソル位置でなくマウスポイン
タの位置にメニューを表示する。
端末では、これは通常最後にクリックした、もしく
は離した、最後に分かっている位置である (マウス
の動きは無関係である)。
例:
きはマウスポインタの位置に表示させる。
る。
Note: GUI では、:popup コマンドは選択がなされる前に直ちに終了する。端末の場合
はユーザーが選択を行うまで待つ。
Note: ']' で始まるメニュー項目はメニューバーに表示されない。
==============================================================================
6. フォント
このセクションではフォント関連のオプションについて説明する。
GUIFONT gui-font
'guifont' はどのフォントを使うかをVimに指示するオプションである。最も単純な形
式は、フォント名のみである。コンマで区切られたフォント名のリストにすることもで
きる。最初の有効なフォントが使用される。有効なフォントが見つからない場合は、エ
ラーメッセージが表示される。
'guifontset' がサポートされているシステム(X11)で、かつ 'guifontset' が空ではな
い時は、'guifont' は使用されない。xfontset を参照。
Note: GTK GUI については、不正な名前に対してエラーは発生せず、常にリストの最初
の要素が選ばれ、利用される。これは、GTK GUIが与えられた名前からフォントを特定
するのではなく、パターンを構成するのに用い、利用可能なフォントからそのパターン
を用いて最もよくマッチするフォントを探そうとするからである。これによりマッチン
グは決して失敗しない。不正な名前を与えたとしても、名前以外のフォント属性により
マッチングが行われるため、問題とはならない。
コンマの後の空白は無視される。フォント名の中にコンマを指定するには、コンマの前
に '\' を置くこと。さらにオプションの値の中で空白や '\' を使うには、それらの前
に余分に '\' を置かなければならない。option-backslash も参照。例えば
を、そして "font,with,commas" を使おうとする。
フォントをどれも読み込めなかったら現在の設定のままになる。空のフォントリストが
与えられると、他のリソース設定を試してみて (X では Vim.font リソースが使われ
る)、それがだめなら、必ず存在するはずの組み込みの既定フォントを試す (Xの場合は
"7x13")。指定されるフォント名は "normal" な{訳注: 太字や斜字体でない} フォント
でなければならない。Vim は関連する太字体や斜字体を見つけようとする。
Win32, GTK, Motif, Mac OS および Photon の場合:
る。
フォント名は使っているGUIに依存する。様々なシステムに対して 'guifont'を設定す
る方法については setting-guifont を参照。
GTK+ 2 と 3 ではフォント名は次のようになる:
報告されている:
(GTK+ 3 GUIの場合は gui_gtk2 を gui_gtk3 に置き換える)
Mac OSXでは次のようにする:
等幅フォント E236
Note フォントは等幅でなければならない (全ての文字が同じ幅でなければならない)。
例外はGTKである。どんなフォントでも受け付けるが、等幅フォントがもっともきれい
に見える。
X11でフォントのプレビューをするには、プログラム "xfontsel" が使えるかもしれな
い。"xlsfonts" は、使用可能な全てのフォントのリストを与える。
Win32のGUIについて E244 E245
- フォント名には以下のオプションを指定できる。(オプションを区切るには ':' を使
用すること)。
hXX - 文字高が XX (単位はポイント。浮動小数点数でもよい)
wXX - 文字幅が XX (単位はポイント。浮動小数点数でもよい)
WXX - ウェイトが XX (下記のウェイトに関する Note を参照)
b - ボールド (太字体)。これは、ウェイトを 700 に設定するのと同じであ
る。
i - イタリック (斜字体)
u - 下線付き
s - 打ち消し (文字を横切る線付き)
cXX - 文字セットが XX。有効な文字セットは: ANSI, ARABIC, BALTIC,
CHINESEBIG5, DEFAULT, EASTEUROPE, GB2312, GREEK, HANGEUL,
HEBREW, JOHAB, MAC, OEM, RUSSIAN, SHIFTJIS, SYMBOL, THAI,
TURKISH および VIETNAMESE である。通常は "cDEFAULT"を使用する。
qXX - 品質が XX。有効な品質名は: PROOF, DRAFT, ANTIALIASED,
NONANTIALIASED, CLEARTYPE または DEFAULT である。通常は
"qDEFAULT" を使用する。
いくつかの品質値はレガシーなOSではサポートされていない。
- スペースの代わりに '_' を使用できるので、スペースをエスケープするためにバッ
クスラッシュを使用する必要はない。
例:
font-sizes も参照。
ウェイトに関する Note:
フォントにはさまざまなウェイトがある。Windowsの "標準" ウェイトは 400 の値を持
ち、未指定のままであれば、これがフォントを検索するときに使用される値である。
Windowsは多くの場合、フォント名よりも高い優先順位でフォントのウェイトに基づい
てフォントを照合する。つまり、Light または ExtraLight 異体を指定しても、Book
または Medium 異体を意味するフォント名が使用されることがある。あなたがより重い
ウェイトで置換されることを経験しているならば、より低いウェイト値を明示的に設定
することはこの望まれない置換に対して軽減するかもしれない。
GUIFONTWIDE gui-fontwide
空でない場合、'guifontwide' は、全角文字に使用されるフォントのコンマ区切りリス
トを指定する。ロードできる最初のフォントが使用される。
Note: これらのフォントのサイズは 'guifont' で指定されたものの2倍の幅かつ同じ高
さでなければならない。不一致があると、テキストは正しく描画されない。
GTK+ 以外のすべてのGUIバージョン:
'guifontwide' は、'encoding' が "utf-8" に設定されていて、かつ 'guifontset' が
空または無効の場合にのみ使用される。
'guifont' が設定されていて、その中に有効なフォントが見つかり、'guifontwide' が
空の場合、Vimは一致する倍幅フォントを見つけようと試み、それに 'guifontwide' を
設定する。
GTK+ GUIのみ: guifontwide_gtk
設定されており、それが適切な値であるとき、'encoding' が "utf-8" でなくても常に
2倍幅文字に対して 'guifontwide' が使われる。Vimは自動的に 'guifontwide' に適合
する値を探そうとはしない。'guifontwide' が空ならばPango/Xftが 'guifont' で利用
できない文字に対するフォントを選ぶ。そのため、Pango/Xftが選んだ値を上書きした
いのでない限り、'guifontwide' を設定する必要はまったくない。
Windows +multibyteのみ: guifontwide_win_mbyte
有効な値が設定されている場合、'guifont' の代わりに 'guifontwide' がIME の表示
に使われる。
==============================================================================
7. 付記 gui-extras
このセクションではGUIに関連したその他の特徴を説明する。
- GUIでは、キーコードは<Esc>で始まらないため、エスケープを入力した後に1秒待た
なくてよい。
- GUIでCTRL-Vに続いて特殊なキーを入力すると "<Key>" のように入力される。そのよ
うな特殊なキーは内部で意味を持たないためである。修飾キーを同時に押して
"<Modifiers-Key>" を得ることもできる。
{訳注: 例えば、挿入モードでCTRL-Vに続いてDelキーを押すと "<Del>" (見た通り5文
字)が入力される。Alt(META)キーを押しながらDelキーを押すと "<M-Del>" が
入力される。Shiftキーなら "<S-Del>"。}
- GUIでは、修飾キーのSHIFT、CTRL、ALT(META)は特殊キーやマウスイベントのマッピ
ングで使用できる。
例えば、:map <M-LeftDrag> <LeftDrag>
- GUIでは、いくつかの普通のキーにマッピング等で修飾キーを付けて使用できる。そ
のようなキーは<Space>、<Tab>、<NL>、<CR>、<Esc>である。
- GUIが使われているかどうかをVim script 内で調べるには次のようにする:
setting-guifont
- さまざまなシステム上で同一の vimrc ファイルを使うときは、次のようにして各
GUI に対する固有のオプションを設定することができる:
推奨される日本語フォントは MS Mincho である。MS Mincho についての情報はここで
みつかる:
https://learn.microsoft.com/en-us/typography/font-list/ms-mincho
Windows と一緒に配布されているはずだ。
==============================================================================
8. シェルコマンド gui-shell
X11 GUIでは外部プログラムはgvimウィンドウの中で実行される。
gui-ptyを参照。
警告: X11 GUIで外部プログラムを実行することは常にうまく動作するとは限らない。
"ls"、"grep"、"make" のような一般的なプログラムはたいていうまく機能する。"less"
や "ispell" のように高度なターミナルを要求するプログラムはうまく機能しないだろ
う。あるものはハングさえするかもしれないし、他のターミナルからkillする必要があ
るかもしれない。だから気をつけて!
Win32 GUIでは外部プログラムは別のウィンドウで実行される。
gui-shell-win32を参照。
vim:tw=78:sw=4:ts=8:noet:ft=help:norl:
VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
Vimのグラフィカルユーザーインターフェイス gui GUI
1. GUIの開始 gui-start
2. スクロールバー gui-scrollbars
3. マウス制御 gui-mouse
4. GUI選択の作成 gui-selections
5. メニュー menus
6. フォント gui-font
7. 付記 gui-extras
8. シェルコマンド gui-shell
他のGUIドキュメント:
gui_x11.txt X11 GUIに特有の項目について。
gui_w32.txt Win32 GUIに特有の項目について。
==============================================================================
1. GUIの開始 gui-start E229 E233
まずはVimがGUIに対応したバージョンであるか確認する必要がある。それは ":version"
コマンドで調べることができる。その出力が "with xxx GUI" または "MS-Windows 32
bit GUI version" を含んでいれば問題ない。ここで "xxx" は X11-Motif, Photon,
GTK2, GTK3, などである。
どのようにGUIで起動するかは使用しているシステムに依存する。たいていはこのよう
にしてGUI版のVimを実行できる:
gvim [options] [files...]
VimのX11バージョンはGUIとGUIでないモードの両方で実行することができる。
gui-x11-start を参照。
gui-init gvimrc .gvimrc _gvimrc $MYGVIMRC
gvimrc は GUI 固有の初期化コマンドを書くためのファイルである。gvimrc は常に
ファイル vimrc の後に読み込まれる。環境変数 $MYGVIMRC があると、その値が
gvimrc の代わりに使われる。
GUIの初期化は次の順序で行われる:
- オプション 'term' が "builgin_gui" に設定され、端末の設定がGUI用の初期値に設
定される。terminal-options
- システムのメニューファイルがあればそれが読み込まれる。このファイルの名前は通
常 "$VIMRUNTIME/menu.vim" である。":version" でこれを確認できる。
$VIMRUNTIMEも参照。システムのメニューの読み込みを省略するには 'guioptions'
に 'M' を含める。
buffers-menu no_buffers_menu
システムのメニューファイルはメニュー項目 "Buffers" (バッファ)の定義も含んで
いる。これを必要としないなら、ユーザーの.vimrc (.gvimrcではない!)で
"no_buffers_menu" を設定する:
:let no_buffers_menu = 1
NOTE: 構文強調表示を有効にするとメニューファイルも読み込まれるため、メニュー項目Buffers(バッファ)を無効にするのは ":syntax on" の前にする。
メニューに表示されるバッファの名前は35文字で切り詰められる。違う長さで切り詰
めるなら、例えば50文字にするなら、次のようにする:
:let bmenu_max_pathlen = 50
- Vimを起動するときのコマンドライン引数に "-U {gvimrc}" が指定されると、{gvimrc}ファイルが初期化のために読み込まれ、以下の初期化処理は省略される。
{gvimrc}が "NONE" の場合は、どの初期化ファイルも読み込まれない。
- UnixとMS-Windowsでは、システムのgvimrcが存在するなら、それが読み込まれる。こ
のファイルの名前は通常 "$VIM/gvimrc" である。":version" でこれを確認できる。
$VIMも参照。
- 次のものを試して、最初に見つかったものが使用される:
- GVIMINIT環境変数が存在し空でないなら、それがExコマンドとして実行される。
- ユーザーのgvimrcファイルが存在するなら、それが読み込まれる。このファイル
の名前は通常 "$HOME/.gvimrc" である。":version" でこれを確認できる。
- Win32では、必要であれば Vim によって $HOME が設定される、$HOME-windows
を参照。
- "_gvimrc" ファイルが見つからないときには、".gvimrc" も試される。逆のときも
同様である。
- Unix では、"~/.config/vim/gvimrc" あるいは "$XDG_CONFIG_HOME/vim/gvimrc"
が存在する場合、それが読み込まれる。":version" でこれを確認できる。
$MYGVIMRC が設定されていないならば、$MYGVIMRC に最初に見つかったファイルの名
前が代入される。
- 'exrc' オプションが設定されていて(これは標準設定ではない)、./.gvimrcファイル
が存在し、それがシステム、あるいはユーザーのgvimrcファイルではないなら、それ
が読み込まれる。このファイルがユーザーの所有しているものでないなら、いくつか
のセキュリティ上の制限が適用される。".gvimrc" が見つからないときには、
"_gvimrc" も試される。MacintoshとDOS/Win32では、"_gvimrc" が最初に試される。
NOTE: Vimを起動するときに、"-U" 引数を指定せずに "-u NONE" もしくは
"-u DEFAULTS" を指定するか、あるいは "-U NONE" を指定して起動すると、最初のも
の以外は全て実行されない。
これらは全て、ユーザーの.vimrcファイルを読み込む、というような、通常のVimの初
期化の後に実行される。initializationを参照。
しかし、GUIウィンドウは全ての初期化が実行された後に開かれる。
GUIウィンドウを開いた直後にいくつかのコマンドを実行したいなら、自動コマンド
のGUIEnterイベントを使用する。例えば:
:autocmd GUIEnter * winpos 100 50
カスタマイズしたメニュー(:menuを参照)をセットアップしたり、CUI版とは異なった
初期化をするために、gvimrcファイルを使用することができる。
ユーザーの個人的なGUI初期化ファイルを置くのに推奨される場所:
Unix $HOME/.gvimrc、$HOME/.vim/gvimrc
Win32 $HOME/_gvimrc、$HOME/vimfiles/gvimrc
または $VIM/_gvimrc
Amiga s:.gvimrc、home:.gvimrc、home:vimfiles:gvimrc
または $VIM/.gvimrc
Haiku $HOME/config/settings/vim/gvimrc
個人的な初期化ファイルは上記の順に検索され、最初に見つかったものだけが読み込ま
れる。
GUI版のVimでだけ意味を持つオプションがある。'guicursor'、'guifont'、'guipty'、
'guioptions' である。それらは他の全てのオプションと共にoptions.txtで説明され
ている。
GUIのMotifバージョン(GTK+やWin32バージョンではない)を使用しているならば、多く
のXのリソースが有効である。gui-resourcesを参照。
端末の設定をする以外に文字の色を設定する方法はハイライトを設定することである。
ハイライトの "Normal" グループは背景色と前景色を設定するために用いられる。(ナ
イスな)例:
:highlight Normal guibg=grey90
"guibg" と "guifg" の設定は通常の背景と前景の設定よりも優先される。ハイライト
のNormalグループに対するその他の設定は使用されない。フォントを設定するには
'guifont' を使用する。
モード別にカーソルの色を設定するには、'guicursor' オプションを参照。
Vimは起動時に、スクリーンに合わせてウィンドウの位置を調整しようとする。これは
ウィンドウの一部が隠れてしまわないようにするためである。X Window Systemでは、
これは少し憶測を必要とする。'guiheadroom' オプションでウィンドウタイトルとタス
クバーに用いられる高さを変更することができる。
:winp :winpos E188
:winp[os]
GUI vimウィンドウの左上隅の現在の位置をピクセルで表示する。全
てのバージョンで機能する訳ではない。
getwinpos()、getwinposx() および getwinposy() も参照のこ
と。
:winp[os] {X} {Y} E466
与えられた{X}と{Y}の座標にGUI vimウィンドウを移動する。座標は
ウィンドウの左上隅の位置をピクセル単位で指定する。全てのバー
ジョンで機能する訳ではない。(新しい)xtermで機能する
xterm-color。
GUIウィンドウがまだ開いていないとき、この値はウィンドウが開か
れるまで保留される。位置はスクリーンに合うように調整される(可
能なら)。
:wi :win :winsize E465
:win[size] {width} {height}
{width}(幅)と{height}(高さ)を指定してウィンドウの大きさを設定
する。
数字の意味がよりわかりやすいので、代わりに `:set lines=11
columns=22` を使用することを推奨する。
期待したよりも高さが低くなるなら、'guiheadroom' オプションを確
認すること。
X Window Systemでは、これらのコマンドでVimのウィンドウの情報を得られる:
:!xwininfo -id $WINDOWID
:!xprop -id $WINDOWID
:execute '!xwininfo -id ' .. v:windowid
:execute '!xprop -id ' .. v:windowid
:!xprop -id $WINDOWID
:execute '!xwininfo -id ' .. v:windowid
:execute '!xprop -id ' .. v:windowid
gui-IME iBus
X で各国の文字を入力するためのインプットメソッドで XIM フレームワークに依るも
の、特に iBus は、gvim で使用すると不具合が起こることが知られている。スペース
を入力できなかったり、キーを押してからそれがアプリケーションに届くまで大きな遅
延が発生したりする。
対処療法としては gvim の起動引数に -f を付けてフォークをしないようにすると症
状は出なくなる。理由は不明だが。
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2. スクロールバー gui-scrollbars
垂直スクロールバーと水平スクロールバーがある。'guioptions' オプションでどれが
表示されるかを設定することができる。
このような外観になっている(設定が ":set guioptions=mlrb" のとき):
+------------------------------+
| ファイル 編集 ヘルプ | <- メニューバー(m)
+-+--------------------------+-+
|^| |^|
|#| テキストエリア |#|
| | | |
|v|__________________________|v|
Vimウィンドウ間の -> |-+ File.c 5,2 +-|
通常のステータス行 |^|""""""""""""""""""""""""""|^|
| | | |
| | 別のファイルバッファ | |
| | | |
|#| |#|
左スクロールバー(l)-> |#| |#| <- 右
|#| |#| スクロールバー(r)
| | | |
|v| |v|
+-+--------------------------+-+
| |< #### >| | <- 下
+-+--------------------------+-+ スクロールバー(b)
スクロールバーやメニューバーは 'guioptions' から対応する文字を取り除くことで無
効にできる。下スクロールバーは 'nowrap' が設定されているときだけ有用である。
垂直スクロールバー gui-vert-scroll
各Vimウィンドウはとなりにスクロールバーを持っていて、上下にスクロールしてその
バッファ内のテキストの表示を移動できる。スクロールバーのつまみのサイズはウィン
ドウに見えているバッファの割合を示している。スクロールバーがずっと下方にドラッ
グされると、ファイルの最後の行はウィンドウの最上部に表示される。
ウィンドウが(他のウィンドウの拡大によって)高さゼロに縮小されると、そのスク
ロールバーは表示されなくなる。それはウィンドウが復元されるときに再び表示され
る。
ウィンドウを縦分割しているとき、カレントウィンドウだけがスクロールバーを利用で
きる。そして、複数のウィンドウの真ん中のウィンドウを操作しているときは、スク
ロールバーは間のウィンドウを飛び越えて作用する。
両側にスクロールバーがあるときに、複数のウィンドウの真ん中のカレントウィンドウ
が左半分に面していると、右側のスクロールバーは右端のウィンドウに影響する。左右
が逆でも同様。
水平スクロールバー gui-horiz-scroll
(Vim GUIの最下段の)水平スクロールバーは、'wrap' オプションがオフのときに、テキ
ストを横にスクロールするために使用する。スクロールバーのつまみのサイズは、左右
にスクロールして一番長い行のテキストを全て表示できるくらいである。必要に応じて
カーソルが移動するとき、カーソルは表示されている文字の上にとどまる
('virtualedit' が設定されていなければ)。
一番長い行を計算するのは多少の処理時間を必要とする。そしてそれは何かが変更され
るときに毎回行われる。その時間が多すぎるようだったり、他の行へのカーソルジャン
プを好まないなら、'guioptions' に 'h' を含めると、スクロールはカーソルのある行
の長さに制限される。
motif-intellimouse
インテリマウスを持っていて、Xサーバーがホイールをサポートしているなら、gvimで
テキストを上下にスクロールするのにホイールを使うことができる。これはXFree86
4.0以降のバージョンで機能する。古いバージョンでもパッチを当てれば利用可能にな
る。scroll-mouse-wheelを参照。
古いバージョンのXFree86ではXサーバーにパッチを当てなくてはならない。以下のペー
ジにはパッチとXサーバーのバイナリへのリンクに加えて、Linux上でインテリマウスを
使用することについて多少の情報がある(けれども必要とするものはないかもしれない):
http://www.inria.fr/koala/colas/mouse-wheel-scroll/
==============================================================================
3. マウス制御 gui-mouse
マウスは、'mouse' オプションに適切なフラグが設定されている場合にだけ機能する。
GUIに切り替わるときに、'mouse' がまだ設定されていなければ、'mouse' オプション
は自動的に "a" に設定され、hit-enterプロンプトを除いて全てのモードで有効にな
る。これを望まないならば、"gvimrc" ファイルで 'mouse' オプションを変更する。
関連する他のオプション:
'mousefocus' マウスポインタが乗っているウィンドウをカレントウィンドウにする
gui-mouse-focus
'mousemodel' マウスのボタンがどのような動作をするか
'mousehide' テキストを入力している間マウスポインタを隠す
'mousemoveevent' マウス移動イベントを有効にし、<MouseMove> をマッピングできる
ようにする
'selectmode' 選択時に選択モードとビジュアルモードのどちらを使うか
素早くこれらを設定するには ":behave" コマンドで行う。
:behave :be
:be[have] {model} マウスと選択の動作を設定する。有効な引数は:
mswin MS-Windowsの動作
xterm Xtermの動作
":behave" を使用するとこれらのオプションが変更される:
option mswin xterm
'selectmode' "mouse,key" ""
'mousemodel' "popup" "extend"
'keymodel' "startsel,stopsel" ""
'selection' "exclusive" "inclusive"
$VIMRUNTIMEディレクトリの中に、MS-Windowsにあるようなcut/copy/paste機能のため
のキーマッピングを設定するmswin.vimと呼ばれるスクリプトがある。これは、
CTRL-V、CTRL-X、CTRL-Cキーを用いるので、標準の操作と互換性がなくなってしまう。
それでも構わないなら、このコマンドで使用する:
:so $VIMRUNTIME/mswin.vim
マウスのホイールでスクロールするには、scroll-mouse-wheelを参照。
3.1 マウスによるカーソルの移動 gui-mouse-move
カーソルを持って行きたいテキストバッファのどこかでマウスの左ボタンをクリックす
ると、カーソルはそこに行く!
動作するモード 'mouse'が以下を含んでいるとき
ノーマルモード 'n' or 'a'
ビジュアルモード 'v' or 'a'
挿入モード 'i' or 'a'
選択モードはビジュアルモードのように扱われる。
現在のカーソル位置からマウスで指示する位置までのテキストを削除するために 'd'
のようなオペレータと共にこれを使用してもよい。つまり、'd' を入力してからどこか
をマウスでクリックする。
gui-mouse-focus
'mousefocus' オプションを設定してキーボードフォーカスがマウスポインタに追従す
るようにできる。これはマウスポインタが乗っているウィンドウがアクティブウィンド
ウになることを意味する。警告: メニューをうまく利用できなくなる。メニューを使用
したときに、そのメニューに設定されたコマンドは常に一番上のウィンドウに適用され
てしまうだろう。
('mouse' が 'c' か 'a' を含んでいるなら)コマンドラインモードや検索モード中にマ
ウスの左ボタンか右ボタンをクリックすることで、コマンドラインの行のクリックした
位置にカーソルを移動できる。
どのような状況でも、マウスの中ボタンをクリックして、現在の選択を貼り付けること
ができる。
3.2 マウスによる選択 gui-mouse-select
マウスを使って選択を開始できる。どのように使用するかは 'mousemodel' オプション
に依存する:
'mousemodel' が "extend" である: マウスの右ボタンを使用する。
'mousemodel' が "popup" である: Shiftキーを押しながら、マウスの左ボタンを使用
する。
選択を開始するときには、カーソルの位置からマウスで指示した位置までが選択され
る。すでに選択されている状態で選択の操作をすると、選択範囲が拡張される。
'selectmode' が "mouse" を含んでいるなら、選択モードが使用される。これは選択中
に入力した文字で選択範囲が置き換えられることを意味する。
Select-modeを参照。そうでなければ、ビジュアルモードが使用される。
ダブルクリックで単語の選択、トリプルクリックで行の選択、クワドルプルクリック
(4回クリック)で矩形ブロックを選択することができる。
どのように選択が用いられるかに関してはgui-selectionsを参照。
3.3 マウスによる他のテキスト選択 gui-mouse-modeless
modeless-selection
次のときには異なる選択方法が使われる:
- コマンドラインモード
- コマンドラインウィンドウを使用中に他のウィンドウを指したとき
- hit-enterプロンプト
- 現在のモードが 'mouse' オプションで指定されていないときはいつでも
- GUIでCTRLキーとSHIFTキーを同時に押しているとき
テキストが選択されていても、選択されていないかのように、あるいは、選択に関連し
たモードが存在しないかのように、Vimが通常の動作を継続するので、これはモードレ
ス選択と呼ばれる。Vimウィンドウの中のどんなテキストでも選択することができる。
開始点でマウスの左ボタンを押すことでテキストを選択し、終点までドラッグして離
す。選択を延長するには、'mousemodel' が "extend" のときにはマウスの右ボタンを
使用し、'mousemodel' が "popup" のときにはシフトキーを押しながらマウスの左ボタ
ンを使用する。
選択したテキストが変更されると、選択は解除される。
コマンドラインでは CTRL-Y で選択範囲をクリップボードにコピーできる。挿入モード
中にコピーするには CTRL-O を使い CTRL-Y <CR> とする。'guioptions' に a か A が
含まれるとき (X11 では既定でそうなっている) は、選択範囲が自動的にレジスタ "*
にコピーされる。
マウス中ボタンでテキストを貼り付けられる。X11 以外のシステムでは CTRL-R + を
使えば貼り付けられる。
3.4 ステータス行でのマウスの使用 gui-mouse-status
Vimウィンドウの下のステータス行でマウスの左ボタンか右のボタンをクリックするこ
とでそのウィンドウがカレントウィンドウになる。これはボタンを放したときに起こる
(クリックとドラッグの操作を区別するため)。
左ボタンを使ってステータス行を上下にドラッグすると、ウィンドウのサイズを上下に
変更できる。この操作ではそのウィンドウはカレントウィンドウにならない。
ウィンドウの垂直の区切りも同様に機能する。クリックした区切りの左のウィンドウが
カレントウィンドウになる。左右にドラッグするとウィンドウの幅を変更できる。
3.5 様々なマウスクリック gui-mouse-various
<S-LeftMouse> マウスクリックで単語を前方検索する。'mousemodel' が
"popup" のときには、これは選択を開始するか、あるいは延
長する。
<S-RightMouse> マウスクリックで単語を後方検索する。
<C-LeftMouse> マウスクリックでタグ名へジャンプする。
<C-RightMouse> 直前のタグジャンプの前の位置に戻る("CTRL-T" と同じ)。
3.6 マウスマッピング gui-mouse-mapping
修飾キー付きのマウスイベントをマッピングすることもできる。例えば:
:map <S-LeftMouse> <RightMouse>
:map <S-LeftDrag> <RightDrag>
:map <S-LeftRelease> <RightRelease>
:map <2-S-LeftMouse> <2-RightMouse>
:map <2-S-LeftDrag> <2-RightDrag>
:map <2-S-LeftRelease> <2-RightRelease>
:map <3-S-LeftMouse> <3-RightMouse>
:map <3-S-LeftDrag> <3-RightDrag>
:map <3-S-LeftRelease> <3-RightRelease>
:map <4-S-LeftMouse> <4-RightMouse>
:map <4-S-LeftDrag> <4-RightDrag>
:map <4-S-LeftRelease> <4-RightRelease>
これらのマッピングは、Motifアプリケーションの作法にしたがって、選択領域を拡張:map <S-LeftDrag> <RightDrag>
:map <S-LeftRelease> <RightRelease>
:map <2-S-LeftMouse> <2-RightMouse>
:map <2-S-LeftDrag> <2-RightDrag>
:map <2-S-LeftRelease> <2-RightRelease>
:map <3-S-LeftMouse> <3-RightMouse>
:map <3-S-LeftDrag> <3-RightDrag>
:map <3-S-LeftRelease> <3-RightRelease>
:map <4-S-LeftMouse> <4-RightMouse>
:map <4-S-LeftDrag> <4-RightDrag>
:map <4-S-LeftRelease> <4-RightRelease>
するために、マウスの右ボタンを使わずに、Shiftキーを押しながら左ボタンを押す方
法を設定している。
<MouseMove> にマッピングできるが、マッピングに使うには 'mousemoveevent' を有効
にしなくてはならない。
修飾キーを使ったマウス操作のマッピングはモードレス選択では機能しない。
3.7 ドラッグ&ドロップ drag-n-drop
Vimウィンドウに1つ、あるいは複数のファイルをドラッグ&ドロップすることができる。
ファイルは :drop コマンドを使ったときのように開かれる。この機能がサポートさ
れているかどうかは drop_file 機能で確認できる: has('drop_file')。
Shiftキーを同時に押していると、Vimはカレントディレクトリをドロップされた最初の
ファイルがあるディレクトリに変更する。Ctrlキーを同時に押していると、ファイルを
開くためにウィンドウを分割する。押してなければカレントバッファが変更されていな
いときだけファイルは開かれる。
ディレクトリをVimにドロップすることもできる。この操作はexplorerプラグインでそ
のディレクトリを開く(それが利用可能だと想定している。無理ならエラーが表示され
るだろう)。Shiftキーを同時に押していれば、ディレクトリを開かずに、カレントディ
レクトリをそのディレクトリに変更する。
コマンドラインを編集中なら、ドロップされたファイルやディレクトリの名前がカーソ
ル位置に挿入される。これはExコマンドでそれらの名前を使うのに便利である。特別な
文字(スペース、タブ、ダブルクォート、'|'、MS-Windows以外ではバックスラッシュ
も)はエスケープされる。
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4. GUI選択の作成 gui-selections
quotestar
マウス(gui-mouse-selectを参照)か、あるいはVimのビジュアルモード(vを参照)を
使用して、選択を作成できる。'guioptions' に 'a' が指定されているなら、いつ選択
(ビジュアルモードや選択モード)が開始されるとしても、あるいは選択が変更されると
しても、Vimがウィンドウシステムの主要な選択の所有者になる(MS-Windowsで
はgui-clipboardが用いられる。X11ではx11-selectionが用いられる。ここの説明
は両方に共通している)。
clipboard
選択を保存するための特別なレジスタがある。それは "* レジスタである。どのテキス
トが選択されているかという情報が(例えばマウスの左ボタンをクリックするなどして)
変更されるか、あるいは他のアプリケーションが選択されたテキストを貼り付けようと
しない限りここには何も書き出されない。使用されるときにはテキストは "* レジスタ
に書き出される。例えば、行を切り取って、それを現在の選択にして、クリップボード
にそれを書き出すためには次のようにする:
"*dd
同様に、例えば、マウスの中ボタンをクリックするなどして、他のアプリケーションか
ら選択を貼り付けるときには、選択は始めに "* レジスタに書き出され、それから他の
レジスタと同じように挿入される。例えば、選択(クリップボードの内容)を貼り付ける
には:
"*p
X11でこのレジスタを使うには、x11-selectionも参照。これは深く関連した "+ レジ
スタについても説明している。
あるVimから他の独立したVimにテキストを貼り付けたいときには、選択のタイプ(文
字、行あるいは矩形)もコピーされることに注意する。他のアプリケーションについて
は、タイプは常に文字である。x11-cut-bufferを介して得たテキストでも、その選択
のタイプは常に失われる。
'clipboard' オプションに "unnamed" 文字列が含まれているときには、無名レジスタ
は "* レジスタと同じである。したがってコマンドの前に "* を付けずに選択をコピー
し貼り付けることができる。
W23 および W24 も参照。
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5. メニュー menus
まずはユーザーマニュアルのusr_42.txtを御覧ください。
5.1 メニューの使用 using-menus
基本的には、メニューは単にマッピングのように使用することができる。自分のメ
ニューを好きなだけたくさん定義することができる。
長い間Vimユーザーはメニューを十分に使用してこなかった。しかし自分のメニューや
メニュー項目を追加することは大きな力を秘めている。ある一連のキー操作を覚えられ
ないようなときに最も便利である。
別の言語用にメニューを作成するには、:menutrans を参照。
メニューをまったく使いたくない場合は、'go-M' を参照。
menu.vim
標準のメニューは "$VIMRUNTIME/menu.vim" ファイルから読み込まれる。パスがどこを
指すかについては$VIMRUNTIMEを参照。ユーザーは自分のメニューを設定することが
できる。その際に標準のメニューを利用するのはいい考えである。メニューに項目を追
加したり、あるいは、標準のメニューが気に入らなければ、全てのメニューを取り除く
ことができる:unmenu-all。.vimrcファイル(.gvimrcファイルではない!)にこの行を
追加することで標準のメニューが読み込まれないようにすることもできる:
:let g:did_install_default_menus = 1
メニュー項目のSyntax(シンタックス)も無効にしたいなら: :let g:did_install_syntax_menu = 1
Syntax メニューの最初の項目 {訳注:「対応形式をメニューに表示」} を使うと、利用可能な全てのファイルタイプをメニューに表示できる(読み込みに少し時間がかかるかも
しれない)。起動時に全てのファイルタイプが表示されているようにしたければ次の行
を加える:
:let g:do_syntax_sel_menu = 1
menu-lazyload g:do_no_lazyload_menus以下のメニュー項目は、使用可能なすべてのカラースキーム、キーマップおよびコンパ
イラ設定を表示する。
Edit > Color Scheme
Edit > Keymap
Tools > Set Compiler
しかしながら、'runtimepath' 内のディレクトリから関連するファイルをすべて検索す
るので読み込みに多少時間がかかる。したがって、それらは (イベント CursorHold
によって) 遅れて読み込まれる、もしくは手動で読み込むこともできる。すでに存在す
るすべての項目を起動時に読み込んでおきたい場合、以下を加える:
:let g:do_no_lazyload_menus = 1
Note: menu.vim が読み込まれるのは、:syntax on もしくは :filetype on が実行
されたとき、もしくはユーザーの .vimrc ファイルが読み込まれた後である。これは、
オプション 'encoding' およびメッセージ用の言語 (:language messages) がそれよ
り前に設定されていなければならないことを意味する (もし変更したいのであれば)。
console-menus
このドキュメントはGUIの項目であるけれども、CUI版のVimでも実際にメニューを使用
することができる。そのときには明示的にmenu.vimを読み込まなければならないだろ
う。それは標準では設定されない。ほぼ実際のメニューシステムのようにメニューの項
目にアクセスするために 'wildmenu' を設定して:emenuコマンドの使用時にコマンド
ライン補完を使用することができる。これをするには、.vimrcファイルに次のコマンド
を付加しておく:
:source $VIMRUNTIME/menu.vim
:set wildmenu
:set cpo-=<
:set wcm=<C-Z>
:map <F4> :emenu <C-Z>
メニューを開始するには<F4>を押す。そのときにはメニューのエントリを選択するため:set wildmenu
:set cpo-=<
:set wcm=<C-Z>
:map <F4> :emenu <C-Z>
にカーソルキーを使用することができる。それを実行するには<Enter>を入力する。
キャンセルするには<Esc>を入力する。これはコンパイル時に+menu機能を有効にする
必要がある。
tear-off-menus
GTK+ 2 と Motif は切取りメニュー(Tear-offメニュー)をサポートする。これは少し変
わったメニューで、ポップアップメニューが常に表示されるようなものである。メニュー
のウィンドウのサイズの変更が正確に機能しないなら、これはリソースに
"Vim*geometry" のように設定していることが原因かもしれない。もしそうなら代わり
に "Vim.geometry" を使用する。
GTK+ 3 では、GTK+ 3.4 から切取りメニューが非推奨となった。よって、GTK+ 3.4 以
降とリンクされた gvim ではこの機能は無効化される。
Win32 GUIバージョンはMotifの切取りメニューをエミュレートする。Motifユーザーな
ら簡単に違いを確認できるだろうが、同じように便利に使えると思う。:tearoffコマ
ンドとhidden-menusを利用して、メインのメニューバーに項目を作らずに切取りメ
ニューを作ることができる。
5.2 新しいメニューの作成 creating-menus
:me :menu :noreme :noremenu
E330 E327 E331 E336 E333
E328 E329 E337 E792
新しいメニュー項目を作るには、":menu" コマンドを使用する。これはほとんど ":map"
のコマンド群 (map-modes を参照) と同じだが最初の引数はメニュー項目の名前であ
り、'.' で区切ったメニューとサブメニューのパスとして与えられる。例えば:
:menu File.Save :w<CR>
:inoremenu File.Save <C-O>:w<CR>
:menu Edit.Big\ Changes.Delete\ All\ Spaces :%s/[ ^I]//g<CR>
:inoremenu File.Save <C-O>:w<CR>
:menu Edit.Big\ Changes.Delete\ All\ Spaces :%s/[ ^I]//g<CR>
この最後の1つはメニューバーに "Edit" という新しい項目を作る、そしてその上でマ
ウスのボタンを押すと "Big Changes" という項目を含んだメニューが表示されるだろ
う。"Big Changes" は "Delete All Spaces" という項目を含むサブメニューを持って
いて、その項目を選択すると操作が実行される。
端末モード用のメニューを作成するには、キーマッピング (:tmap) とは異なり、
:tmenu ではなく :tlmenu を使用する。これは、:tmenu がすでにメニューのツー
ルチップを定義するために使用されているためである。terminal-typing を参照。
メニュー名での特殊文字:
menu-shortcut
& この文字の次の文字はショートカットキーである。どのショートカッ
トキーも(サブ)メニューの中で1度だけしか使用されていないことを
確認すること。メニュー名に "&" を入れるには "&&" とする。
menu-text
<Tab> メニューの名前をそこで区切って以降を右詰めにする。実行する操作
をそろえて表示するのに便利である。使いやすいように文字として
"<Tab>" をそのまま書けばいいようになっている。本当のTab文字を
使用するなら、その前にバックスラッシュを付けること!
例:
:amenu &File.&Open<Tab>:e :browse e<CR>
[文字通りタイプする]
(<Alt>キーと同時に)ショートカットキーの "F" を押し、それから "O" を押すと、こ
のメニューを使用できる。Openの項目は "Open :e" のように表示される。":e" は
右詰めされ、"O" にはショートカットであることを示すために下線が引かれる。
:am :amenu :an :anoremenu
":amenu" コマンドは端末モードを除く全てのモードで使えるメニューの項目を1度に定
義することができる。コマンドを正確に機能させるために、いくつかのモード用に自動
的に文字が付加される:
モード 前に付加 後ろに付加
ノーマルモード なし なし
ビジュアルモード <C-C> <C-\><C-G>
挿入モード <C-\><C-O>
コマンドラインモード <C-C> <C-\><C-G>
オペレータ待機モード <C-C> <C-\><C-G>
後ろに付加されるCTRL-\ CTRL-Gは 'insertmode' が設定されているときには挿入モー
ドに戻る。CTRL-\_CTRL-Gを参照。
例:
:amenu File.Next :next^M
は以下と同じである:
:nmenu File.Next :next^M
:vmenu File.Next ^C:next^M^\^G
:imenu File.Next ^\^O:next^M
:cmenu File.Next ^C:next^M^\^G
:omenu File.Next ^C:next^M^\^G
:vmenu File.Next ^C:next^M^\^G
:imenu File.Next ^\^O:next^M
:cmenu File.Next ^C:next^M^\^G
:omenu File.Next ^C:next^M^\^G
注意: 挿入モードでは1つのノーマルモードのコマンドに対してだけ機能する。これは
CTRL-Oの仕様による。2つ以上のコマンドを使うには、":imenu" コマンドを使用する必
要がある。どのモードでもテキストを挿入するために式レジスタ('=' レジスタ)を使用
することができる:
:amenu Insert.foobar "='foobar'<CR>P
特殊なテキスト <Cmd> は "コマンドメニュー" を開始し、モードを変更せずにコマン
ドを直接実行する。":...<CR>" を使う箇所で代わりに "<Cmd>...<CR>" を使うことが
できる。詳細は <Cmd> を参照。例:
anoremenu File.Next <Cmd>next<CR>
Note: 'cpoptions' の中の '<' フラグと 'k' フラグが適用される(含まれていたとき
には、<>による特殊キーの書式や生のキーコードは認識されない)。
Note: コマンドラインモードでの<Esc>はマッピングで使用されたときと同様に(入力を
キャンセルするのではなく)コマンドを実行する。これはVi互換である。コマンドライ
ンモードを終了するにはCTRL-Cを使用する。
{訳注: c_<Esc>を参照}
:nme :nmenu :nnoreme :nnoremenu :nunme :nunmenu
メニューコマンドが "n" で始まるものはノーマルモードに作用する。mapmode-n
:ome :omenu :onoreme :onoremenu :ounme :ounmenu
メニューコマンドが "o" で始まるものはオペレータ待機モードに作用す
る。mapmode-o
:vme :vmenu :vnoreme :vnoremenu :vunme :vunmenu
メニューコマンドが "v" で始まるものはビジュアルモードに作用する。mapmode-v
:xme :xmenu :xnoreme :xnoremenu :xunme :xunmenu
メニューコマンドが "x" で始まるものはビジュアルモードと選択モードに作用す
る。mapmode-x
:sme :smenu :snoreme :snoremenu :sunme :sunmenu
メニューコマンドが "s" で始まるものは選択モードに作用する。mapmode-s
:ime :imenu :inoreme :inoremenu :iunme :iunmenu
メニューコマンドが "i" で始まるものは挿入モードに作用する。mapmode-i
:cme :cmenu :cnoreme :cnoremenu :cunme :cunmenu
メニューコマンドが "c" で始まるものはコマンドラインモードに作用す
る。mapmode-c
:tlm :tlmenu :tln :tlnoremenu :tlu :tlunmenu
メニューコマンドが "tl" で始まるものは端末{訳注:ノーマルとジョブ両方の}モード
に作用する。mapmode-t
:menu-<silent> :menu-silent
実行したコマンドをコマンドラインに表示しないようなメニューを定義するには、最初
の引数に "<silent>" を加える。例:
:menu <silent> Settings.Ignore\ case :set ic<CR>
これでこのメニューを使っても ":set ic" はコマンドラインに表示されない。それでも実行したコマンドの出力は表示される。それを表示しないようにするには、
":silent" を付けてコマンドを実行する:
:menu <silent> Search.Header :exe ":silent normal /Header\r"<CR>
"<silent>" は "<special>" や "<script>" の直後に書いてもよい。:menu-<special> :menu-special
'cpoptions' にフラグ "<" が含まれているときでも、メニューを定義する際には <>
記法で特殊なキーを表すことができる。これは 'cpoptions' の副作用が望ましくない
場合に便利である。例:
:menu <special> Search.Header /Header<CR>
"<special>" はコマンド :menu の引数の一番最初か、"<silent>" や "<script>" の直後に書かねばならない。
:menu-<script> :menu-script
メニューに指定されたコマンドにはマッピングが適用される。適用しないようにするに
は、":noremenu" コマンド(とそれに類するモード別のコマンド)を使う。スクリプト
ローカルなマッピングを使うには ":menu" コマンドの最初の引数、あるいは
"<silent>" の次に "<script>" と書く。
{訳注: これは<SID>で指定した部分だけがマッピングされる。例:
nnoremenu <script> AAA.BBB :echo "<SID>LM" "LM"<CR>
cnoremap <SID>LM 'This is script-local mapping'
cnoremap LM 'This is not used'
スクリプトファイルでこのように設定し、メニューのAAA.BBBを実行すると
'This is script-local mapping' LM
と表示される。"<SID>LM" はマッピングされ、"LM" はマッピングされていな
い。}
menu-priority
メニューに優先度を与えることができる。より高い優先度を与えられたメニューほど右
に配置される。優先度は ":menu" コマンドの前の数字で与えれられる。
例:
:80menu Buffer.next :bn<CR>
標準のメニューはこれらの優先度を持つ:
File 10
Edit 20
Tools 40
Syntax 50
Buffers 60
Window 70
Help 9999
優先度を指定しない、あるいはゼロを指定すると、500が用いられる。
ポップアップメニューに対しては優先度は意味を持たない。
対応しているシステム (Motif と GTK+) では、「ヘルプ」メニューはメニューバーの
右端に離れて配置される。これはGTK+ 2 と 3 では、もはや認められないユーザーイン
ターフェイスデザインのため行われない。
ヘルプメニューの後ろに置くために、9999より高い優先度を使用することができるが、
それは非標準であり、推奨しない。優先度の取り得る値は最高で約32000である。最低
は1である。
sub-menu-priority
同様にサブメニューも配置を指定できる。優先度は、メニュー名の前に、ドット区切り
の優先度のリストとして指定する:
:menu 80.500 Buffer.next :bn<CR>
サブメニューの優先度を与える必要があるのは、項目を配置する位置を指定したいときだけである。例えば、他の項目の前にサブメニューを置くには:
:menu 80.100 Buffer.first :brew<CR>
あるいは他の項目の後にサブメニューを置いて、標準設定の優先度を持つ項目がその前に置かれるようにするには:
:menu 80.900 Buffer.last :blast<CR>
数字が抜けているときには、標準設定の500が用いられる: :menu .900 myMenu.test :echo "text"<CR>
メニューの優先度はメニューを新しく生成するときだけ用いられる。すでにあるとき、例えば、別のモードで定義されていたときには、優先度は変更されない。したがって、
優先度はメニューを最初に定義するときだけ与える必要がある。
例外はポップアップメニューである。各モード(ノーマルモード、オペレータ待機モー
ド、ビジュアルモード、挿入モード、コマンドラインモード)に別々のメニューがあ
る。これらのメニューは順序が異なってもよい。これはメニューバーのメニューとは異
なる。メニューバーのメニューは全てのモードで同じ順序である。
NOTE: サブメニューの優先度は現在全てのGUIのバージョンで機能する訳ではない。
menu-separator E332
メニューの各項目は特殊なメニュー項目を使って区切ることができる。それはシステム
によるが、線や点線として表示される。そのような項目の名前は '-' で始めて '-' で
終わるように定義する。間には一意な名前を挟むことができる。普通のメニュー項目と
同様に優先度を設定することもできる。
例:
:menu Example.item1 :do something
:menu Example.-Sep- :
:menu Example.item2 :do something different
Note: 区切りの定義にはコマンドの指定が必要である。そのメニュー項目は選択するこ:menu Example.-Sep- :
:menu Example.item2 :do something different
とができないので、内容はなんでも構わない。ただ単にコロン(:)を1つ書いておくだけ
でいい。
gui-toolbar
ツールバーは今のところWin32、Motif、GTK+ (X11)、Photon GUIで利用可能である。い
ずれは他のGUIでも使えるようになるだろう。標準のツールバーはmenu.vimで定義され
ている。
ツールバーの表示は 'guioptions' の文字 'T' によって制御される。したがって、メ
ニューとツールバーを同時に、あるいはどちらかだけを表示することもできるし、両方
とも非表示にすることもできる。
表示方法は 'toolbar' オプションで変更できる。画像かテキスト、もしくは両方を表
示するかを選択できる。
toolbar-icon
ツールバーは、1つのレベルだけを持つToolBarと呼ばれる特別なメニューとして定義さ
れている。Vimはこのメニューの項目を以下のように解釈する:
1) "icon=" 引数が与えられたときは、そのファイルが使われる。ファイル名にはフル
パスか、ファイル名のみを指定する。後者の場合には、そのファイルは3)の場合と
同じように 'runtimepath' の "bitmaps" ディレクトリから検索される。例:
:amenu icon=/usr/local/pixmaps/foo_icon.xpm ToolBar.Foo :echo "Foo"<CR>
:amenu icon=FooIcon ToolBar.Foo :echo "Foo"<CR>
Note: 最初の例では拡張子も含めている。2番目の例では拡張子は省略されてい:amenu icon=FooIcon ToolBar.Foo :echo "Foo"<CR>
る。
ファイルが開けなければ2)を試す。
ファイル名に空白を含めるにはバックスラッシュでエスケープする。
メニューの優先度はiconの引数の後に指定する:
:amenu icon=foo 1.42 ToolBar.Foo :echo "42!"<CR>
2) 'BuiltIn##' (##は数字である) という名前の項目はVimで利用可能な組み込みのビットマップの番号##を使用するとみなされる。今のところ、0から30までの31個
の一般的な編集操作のものが用意されているbuiltin-tools:
:amenu ToolBar.BuiltIn22 :call SearchNext("back")<CR>
3) 2)以外の名前を持つ項目は最初に 'runtimepath' の "bitmaps" ディレクトリから検索される。もしあればそのビットマップファイルがツールバーボタンのイメージ
として用いられる。正確なファイル名はOS特有であることに注意する。例えば、
Win32でのコマンド
:amenu ToolBar.Hello :echo "hello"<CR>
は、'hello.bmp' ファイルを検索するだろう。GTK+/X11では 'Hello.xpm' である。GTK+ 2では 'Hello.png'、'Hello.xpm'、'Hello.bmp' がチェックされ、最初に見
つかったものが使われる。
MS-WindowsとGTK+ 2ではビットマップはボタンの大きさに合わせて拡大縮小され
る。MS-Windowsでは縦18横18のサイズがちょうどいいだろう。
MS-Windowsではビットマップは16色の標準パレットを使った物である。明るい灰色
はウィンドウのフレームの色に変更され、暗い灰色はウィンドウの影の色に変更さ
れる。システムに依存するが、16色よりも色が多くても問題ないだろう。
4) ビットマップがまだ見つからないならば、Vimは組み込みの名前のリス
トに対して同等のものを探す。どの組み込みのボタンイメージも名前を持ってい
る。だから、コマンド
:amenu ToolBar.Open :e
は、open.bmpが存在しなければ、組み込みの "open a file" ボタンイメージを表示するだろう。全ての組み込みの名前はmenu.vimで用いられているので確認できる。
5) 全てが失敗すると、空白だが、ちゃんと機能する、ボタンが表示される。
builtin-tools
番号 名前 通常の動作
00 New 新しいウィンドウを開く
01 Open 現在のウィンドウで開くためにファイルをブラウズする
02 Save バッファをファイルに保存する
03 Undo 最後の変更を取り消す
04 Redo 最後の取り消した変更をやり直す
05 Cut 選択されたテキストを削除しクリップボードへ送る
06 Copy 選択されたテキストをクリップボードにコピーする
07 Paste クリップボードからテキストをペーストする
08 Print 現在のバッファを印刷する
09 Help Vimの組み込みのヘルプでバッファを開く
10 Find 検索コマンドを開始する
11 SaveAll 全ての修正されたバッファをファイルに保存する
12 SaveSesn 現在の状態をセッションファイルに保存する
13 NewSesn 新しいセッションファイルに保存する
14 LoadSesn セッションファイルを読み込む
15 RunScript Vim scriptとして実行するためにファイルをブラウズする
16 Replace 置換コマンドのためのプロンプト
17 WinClose 現在のウィンドウを閉じる
18 WinMax 現在のウィンドウに使用する行数を最大にする
19 WinMin 現在のウィンドウに使用する行数を最小にする
20 WinSplit 現在のウィンドウを分割する
21 Shell シェルを開始する
22 FindPrev 後方に再検索する
23 FindNext 前方に再検索する
24 FindHelp ヘルプを検索する単語のためのプロンプト
25 Make makeを実行し最初のエラーにジャンプする
26 TagJump カーソルの下のtagにジャンプする
27 RunCtags 現在のディレクトリのファイルに対してtagsを作成する
28 WinVSplit 現在のウィンドウを縦分割する
29 WinMaxWidth 現在のウィンドウの幅を最大化する
30 WinMinWidth 現在のウィンドウの幅を最小化する
hidden-menus win32-hidden-menus
Win32とGTK+ GUIでは、']' で始まるメニュー名はメインのメニューバーから除外され
る。それを表示するには:popupか:tearoffコマンドを使用しなければならない。
window-toolbar WinBar
各ウィンドウはローカルなツールバーを持つことができる。これはウィンドウの先頭行
を使用し、したがってテキスト用の領域は 1 行少なくなる。ツールバー内の項目は
"WinBar" で始まらなければならない。
テキストのみを使用することができる。Unicode を使用する場合、項目をアイコンのよ
うに見せるために特殊文字を使うことができる。
項目が収まらない場合、最後の項目は使用することができない。ツールバーは折り返さ
ない。
Note: これらのコマンドを実行しているとき、Vim はどのモードでもありうる。メ
ニューはノーマルモード用に定義されるべきで、かつ現状のモードを変えることなく実
行される。したがって、カレントウィンドウがビジュアルモードで、かつメニューコマ
ンドが意図的にモードを変えない場合、Vim はビジュアルモードのままである。もっと
もよいのは、副作用を避けるために :nnoremenu を使用することである。
デバッガツールの例:
nnoremenu 1.10 WinBar.Step :Step<CR>
nnoremenu 1.20 WinBar.Next :Next<CR>
nnoremenu 1.30 WinBar.Finish :Finish<CR>
nnoremenu 1.40 WinBar.Cont :Continue<CR>
hl-ToolbarLine hl-ToolbarButtonnnoremenu 1.20 WinBar.Next :Next<CR>
nnoremenu 1.30 WinBar.Finish :Finish<CR>
nnoremenu 1.40 WinBar.Cont :Continue<CR>
ウィンドウツールバーは ToolbarLine および ToolbarButton ハイライトグループを使
用する。
ウィンドウを分割する際、ウィンドウツールバーは新しいウィンドウにはコピーされな
い。
popup-menu
Win32、GTK+、Motif、Photon GUIでは、特別なメニュー "PopUp" を定義することがで
きる。これは、'mousemodel' がpopupあるいはpopup_setposに設定されているときに、
マウスの右ボタンが押されると表示されるメニューである。
例:
nnoremenu 1.40 PopUp.&Paste "+gP
menu PopUp
menu PopUp
5.3 メニューの定義を表示する showing-menus
メニューがどのように定義されているかを確認するには、(":map" コマンドでするのと
全く同様に)menuコマンドの後にたった1つの引数を指定するだけである。指定されたメ
ニューがサブメニューならば、その階層の下の全てのメニューが表示される。:menuの
後に引数を与えなければ、適切なモードに対する全てのメニュー項目が表示される(例
えば、コマンドラインモードに対して:cmenu)。
メニュー項目の一覧には、指定されたコマンドの前に特別な文字が表示される:
* そのメニュー項目は再マッピングを避けるために "nore" を付けて定義された
& そのメニュー項目は再マッピングをスクリプトローカルに限定するために
"<script>" を付けて定義された
s そのメニュー項目のマッピングが実行されたとき、表示がないように
"<silent>" を付けて定義された
- そのメニュー項目は非表示である
NOTE: menuコマンドでメニューの名前を入力しているときに<Tab>を打つと名前が補完
される(設定による)。
列挙中にメニューを変更することはできない。 E1310
これは通常は発生しないが、例えば、タイマーのコールバックでメニューを定義し、
ユーザーが more-prompt を表示する方法でメニューを列挙する場合にのみ発生する。
5.4 メニューの実行 execute-menus
:em :emenu E334 E335
:[range]em[enu] {menu} コマンドラインから{menu}を実行する。
通常はノーマルモードのメニューを実行する。実行
範囲が与えられたときは、ビジュアルモードのメ
ニューを実行する。
<c-o>から実行されたときは、挿入モードのメ
ニューを実行する。例:
:emenu File.Exit
:[range]em[enu] {mode} {menu} 上記と同様だが、{mode} 用のメニューを実行する:
'n': :nmenu ノーマルモード
'v': :vmenu ビジュアルモード
's': :smenu 選択モード
'o': :omenu オペレータ待機モード
't': :tlmenu 端末モード
'i': :imenu 挿入モード
'c': :cmenu コマンドラインモード
CUI版のvimをWANT_MENUを定義してコンパイルしたなら、:emenuを使ってGUIのときと同
じように便利なメニューを使用できる。その際に 'wildmenu' を設定しておくと便利で
ある。使用例はconsole-menusを参照。
範囲を指定するとき、'<,'> と指定すると、最後にビジュアル選択した範囲に対して実
行される。
5.5 メニューの削除 delete-menus
:unme :unmenu
:aun :aunmenu
メニュー項目やサブメニュー全体を削除するには、unmapコマンドによく似たunmenuコ
マンドを使用する。例えば:
:unmenu! Edit.Paste
これは挿入モードとコマンドラインモードでの操作をEditメニューの項目Pasteから取
り除く。
NOTE: umenuコマンドでメニューの名前を入力しているときに<Tab>を打つと名前が補完
される(設定による)。
全てのメニューを取り除くには次のようにする: :unmenu-all
:unmenu * " ノーマルモードとビジュアルモードの全てのメニューを取
" り除く
:unmenu! * " 挿入モードとコマンドラインモードの全てのメニューを取
" り除く
:aunmenu * " 端末モードを除く全てのモードの全てのメニューを取り除
" く
:tlunmenu * " 端末モードの全てのメニューを取り除く
" り除く
:unmenu! * " 挿入モードとコマンドラインモードの全てのメニューを取
" り除く
:aunmenu * " 端末モードを除く全てのモードの全てのメニューを取り除
" く
:tlunmenu * " 端末モードの全てのメニューを取り除く
メニューバーを非表示にするには:
:set guioptions-=m
5.6 メニューを無効にする disable-menus
:menu-disable :menu-enable
メニューを削除するのではなくて、一時的に無効にしたいときは、":menu" コマンドに
"disable" キーワードを指定する。有効にするには "enable" キーワードを指定する。
例:
:menu disable &File.&Open\.\.\.
:amenu enable *
:amenu disable &Tools.*
:amenu enable *
:amenu disable &Tools.*
このコマンドはmenuコマンド群が影響する各モードに適用される。"&" は翻訳された名
前にも適用するために必要である。
引数に "*" を使うと、全てのメニューに作用する。そうでなければ、指定したメニュー
項目とそのサブメニューに作用する。
5.7 メニューの例 menu-examples
メニューを使用してメニュー項目を追加する方法の例をここに示す。カーソルの下の
キーワードをメニュー項目に追加することができる。レジスタ "z" を使用している。
:nmenu Words.Add\ Var wb"zye:menu! Words.<C-R>z <C-R>z<CR>
:nmenu Words.Remove\ Var wb"zye:unmenu! Words.<C-R>z<CR>
:vmenu Words.Add\ Var "zy:menu! Words.<C-R>z <C-R>z <CR>
:vmenu Words.Remove\ Var "zy:unmenu! Words.<C-R>z<CR>
:imenu Words.Add\ Var <Esc>wb"zye:menu! Words.<C-R>z <C-R>z<CR>a
:imenu Words.Remove\ Var <Esc>wb"zye:unmenu! Words.<C-R>z<CR>a
:nmenu Words.Remove\ Var wb"zye:unmenu! Words.<C-R>z<CR>
:vmenu Words.Add\ Var "zy:menu! Words.<C-R>z <C-R>z <CR>
:vmenu Words.Remove\ Var "zy:unmenu! Words.<C-R>z<CR>
:imenu Words.Add\ Var <Esc>wb"zye:menu! Words.<C-R>z <C-R>z<CR>a
:imenu Words.Remove\ Var <Esc>wb"zye:unmenu! Words.<C-R>z<CR>a
(指定するコマンドには<>記法を使える。このテキストをそのままコピー/ペーストして
試してみたり、gvimrcに書き加えることができる。"<C-R>" は CTRL-R であり、"<CR>"
は <CR> キーである。<>)
tooltips menu-tips
5.8 ツールチップとメニューチップ
ユーザーマニュアルの42.4を参照すること。
:tmenu :tm
:tm[enu] {menupath} {rhs} メニューやツールバーにチップを定義する。
{X11とWin32 GUIのみ}
:tm[enu] [menupath] メニューチップを一覧表示する。
{X11とWin32 GUIのみ}
:tunmenu :tu
:tu[nmenu] {menupath} メニューやツールバーのチップを削除する。
{X11とWin32 GUIのみ}
Note: 端末モードのメニューを作成するには、代わりに :tlmenu を使用する。
メニューの項目にチップが定義されていて、マウスがその項目の上にあるとき、その
チップがコマンドラインに表示される。それはWindows標準でステータスバーに表示さ
れるメニューヒントに似ている(Vimがコマンドラインモードのときは除く、そのときは
もちろん何も表示されない)。
ツールバーの項目にチップが定義されているときは、慣習にしたがって、マウスがその
ボタンの上で止まったときにツールチップが表示される。その表示に使う色を変更する
にはハイライトグループのhl-Tooltipを設定する。
チップはメニューの各項目に定義できる。例えば、次のようにメニュー項目を定義した
とき:
:amenu MyMenu.Hello :echo "Hello"<CR>
次のようにチップを定義する: :tmenu MyMenu.Hello Displays a greeting.
そして次のように削除する: :tunmenu MyMenu.Hello
ツールチップは今のところX11とWin32 GUIでサポートされている。近い内に他のGUI環
境でもサポートされるだろう。
":tmenu" コマンドは他のmenuコマンド群と同じように機能し、同じ引数をとる。
":tunmenu" は他のunmenuコマンド群と同じようにメニューチップを削除する。
メニュー項目が無効になる(例えば、全てのモードでその動作が削除される)ときには、
Vimはメニューチップ(と項目)を削除する。つまり:aunmenuでメニュー項目を削除する
ときには、:tunmenuする必要はないということである。
5.9 ポップアップメニュー
Win32とGTK+ GUIでは、カーソルの位置にメニューをポップアップ表示することができ
る。これは「PopUp」メニューと同じように動作し、どんなメニューでも表示すること
ができる。
このコマンドは後方互換性のために残されていて、使用することは推奨されない。なぜ
ならこのコマンドのふるまいは好ましくないからである。
:popup :popu
:popu[p] {name} メニュー項目{name}をポップアップ表示する。その
メニューは少なくとも1つ以上の項目を持っている
必要がある。メニューバーに表示されている必要は
ない (hidden-menus を参照)。
{Win32 および GTK GUI もしくは端末内で利用可能}
:popu[p]! {name} 上記と同様だが、カーソル位置でなくマウスポイン
タの位置にメニューを表示する。
端末では、これは通常最後にクリックした、もしく
は離した、最後に分かっている位置である (マウス
の動きは無関係である)。
例:
:popup File
とすると "File" メニューを(もしあれば)カーソル位置に表示させる。! が使われたときはマウスポインタの位置に表示させる。
:amenu ]Toolbar.Make :make<CR>
:popup ]Toolbar
これはメインのメニューバーにメニュー項目を作らずにポップアップメニューを作成す:popup ]Toolbar
る。
Note: GUI では、:popup コマンドは選択がなされる前に直ちに終了する。端末の場合
はユーザーが選択を行うまで待つ。
Note: ']' で始まるメニュー項目はメニューバーに表示されない。
==============================================================================
6. フォント
このセクションではフォント関連のオプションについて説明する。
GUIFONT gui-font
'guifont' はどのフォントを使うかをVimに指示するオプションである。最も単純な形
式は、フォント名のみである。コンマで区切られたフォント名のリストにすることもで
きる。最初の有効なフォントが使用される。有効なフォントが見つからない場合は、エ
ラーメッセージが表示される。
'guifontset' がサポートされているシステム(X11)で、かつ 'guifontset' が空ではな
い時は、'guifont' は使用されない。xfontset を参照。
Note: GTK GUI については、不正な名前に対してエラーは発生せず、常にリストの最初
の要素が選ばれ、利用される。これは、GTK GUIが与えられた名前からフォントを特定
するのではなく、パターンを構成するのに用い、利用可能なフォントからそのパターン
を用いて最もよくマッチするフォントを探そうとするからである。これによりマッチン
グは決して失敗しない。不正な名前を与えたとしても、名前以外のフォント属性により
マッチングが行われるため、問題とはならない。
コンマの後の空白は無視される。フォント名の中にコンマを指定するには、コンマの前
に '\' を置くこと。さらにオプションの値の中で空白や '\' を使うには、それらの前
に余分に '\' を置かなければならない。option-backslash も参照。例えば
:set guifont=Screen15,\ 7x13,font\\,with\\,commas
{訳注: 結果は "Screen15, 7x13,font\,with\,commas"}
とすると、まずVimはフォント "Screen15" を使おうとし、だめなら代わりに"7x13"{訳注: 結果は "Screen15, 7x13,font\,with\,commas"}
を、そして "font,with,commas" を使おうとする。
フォントをどれも読み込めなかったら現在の設定のままになる。空のフォントリストが
与えられると、他のリソース設定を試してみて (X では Vim.font リソースが使われ
る)、それがだめなら、必ず存在するはずの組み込みの既定フォントを試す (Xの場合は
"7x13")。指定されるフォント名は "normal" な{訳注: 太字や斜字体でない} フォント
でなければならない。Vim は関連する太字体や斜字体を見つけようとする。
Win32, GTK, Motif, Mac OS および Photon の場合:
:set guifont=*
これはフォント選択ダイアログを開く。そこで望みのフォントを選択することができる。
フォント名は使っているGUIに依存する。様々なシステムに対して 'guifont'を設定す
る方法については setting-guifont を参照。
GTK+ 2 と 3 ではフォント名は次のようになる:
:set guifont=Andale\ Mono\ 11
これだけである。もうXLFDは受け付けない。中国語の場合は以下の記述でうまくいくと報告されている:
if has("gui_gtk2")
set guifont=Bitstream\ Vera\ Sans\ Mono\ 12,Fixed\ 12
set guifontwide=Microsoft\ Yahei\ 12,WenQuanYi\ Zen\ Hei\ 12
endif
set guifont=Bitstream\ Vera\ Sans\ Mono\ 12,Fixed\ 12
set guifontwide=Microsoft\ Yahei\ 12,WenQuanYi\ Zen\ Hei\ 12
endif
(GTK+ 3 GUIの場合は gui_gtk2 を gui_gtk3 に置き換える)
Mac OSXでは次のようにする:
:set guifont=Monaco:h10
等幅フォント E236
Note フォントは等幅でなければならない (全ての文字が同じ幅でなければならない)。
例外はGTKである。どんなフォントでも受け付けるが、等幅フォントがもっともきれい
に見える。
X11でフォントのプレビューをするには、プログラム "xfontsel" が使えるかもしれな
い。"xlsfonts" は、使用可能な全てのフォントのリストを与える。
Win32のGUIについて E244 E245
- フォント名には以下のオプションを指定できる。(オプションを区切るには ':' を使
用すること)。
hXX - 文字高が XX (単位はポイント。浮動小数点数でもよい)
wXX - 文字幅が XX (単位はポイント。浮動小数点数でもよい)
WXX - ウェイトが XX (下記のウェイトに関する Note を参照)
b - ボールド (太字体)。これは、ウェイトを 700 に設定するのと同じであ
る。
i - イタリック (斜字体)
u - 下線付き
s - 打ち消し (文字を横切る線付き)
cXX - 文字セットが XX。有効な文字セットは: ANSI, ARABIC, BALTIC,
CHINESEBIG5, DEFAULT, EASTEUROPE, GB2312, GREEK, HANGEUL,
HEBREW, JOHAB, MAC, OEM, RUSSIAN, SHIFTJIS, SYMBOL, THAI,
TURKISH および VIETNAMESE である。通常は "cDEFAULT"を使用する。
qXX - 品質が XX。有効な品質名は: PROOF, DRAFT, ANTIALIASED,
NONANTIALIASED, CLEARTYPE または DEFAULT である。通常は
"qDEFAULT" を使用する。
いくつかの品質値はレガシーなOSではサポートされていない。
- スペースの代わりに '_' を使用できるので、スペースをエスケープするためにバッ
クスラッシュを使用する必要はない。
例:
:set guifont=courier_new:h12:w5:b:cRUSSIAN
:set guifont=Andale_Mono:h7.5:w4.5
:set guifont=Andale_Mono:h7.5:w4.5
font-sizes も参照。
ウェイトに関する Note:
フォントにはさまざまなウェイトがある。Windowsの "標準" ウェイトは 400 の値を持
ち、未指定のままであれば、これがフォントを検索するときに使用される値である。
Windowsは多くの場合、フォント名よりも高い優先順位でフォントのウェイトに基づい
てフォントを照合する。つまり、Light または ExtraLight 異体を指定しても、Book
または Medium 異体を意味するフォント名が使用されることがある。あなたがより重い
ウェイトで置換されることを経験しているならば、より低いウェイト値を明示的に設定
することはこの望まれない置換に対して軽減するかもしれない。
GUIFONTWIDE gui-fontwide
空でない場合、'guifontwide' は、全角文字に使用されるフォントのコンマ区切りリス
トを指定する。ロードできる最初のフォントが使用される。
Note: これらのフォントのサイズは 'guifont' で指定されたものの2倍の幅かつ同じ高
さでなければならない。不一致があると、テキストは正しく描画されない。
GTK+ 以外のすべてのGUIバージョン:
'guifontwide' は、'encoding' が "utf-8" に設定されていて、かつ 'guifontset' が
空または無効の場合にのみ使用される。
'guifont' が設定されていて、その中に有効なフォントが見つかり、'guifontwide' が
空の場合、Vimは一致する倍幅フォントを見つけようと試み、それに 'guifontwide' を
設定する。
GTK+ GUIのみ: guifontwide_gtk
設定されており、それが適切な値であるとき、'encoding' が "utf-8" でなくても常に
2倍幅文字に対して 'guifontwide' が使われる。Vimは自動的に 'guifontwide' に適合
する値を探そうとはしない。'guifontwide' が空ならばPango/Xftが 'guifont' で利用
できない文字に対するフォントを選ぶ。そのため、Pango/Xftが選んだ値を上書きした
いのでない限り、'guifontwide' を設定する必要はまったくない。
Windows +multibyteのみ: guifontwide_win_mbyte
有効な値が設定されている場合、'guifont' の代わりに 'guifontwide' がIME の表示
に使われる。
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7. 付記 gui-extras
このセクションではGUIに関連したその他の特徴を説明する。
- GUIでは、キーコードは<Esc>で始まらないため、エスケープを入力した後に1秒待た
なくてよい。
- GUIでCTRL-Vに続いて特殊なキーを入力すると "<Key>" のように入力される。そのよ
うな特殊なキーは内部で意味を持たないためである。修飾キーを同時に押して
"<Modifiers-Key>" を得ることもできる。
{訳注: 例えば、挿入モードでCTRL-Vに続いてDelキーを押すと "<Del>" (見た通り5文
字)が入力される。Alt(META)キーを押しながらDelキーを押すと "<M-Del>" が
入力される。Shiftキーなら "<S-Del>"。}
- GUIでは、修飾キーのSHIFT、CTRL、ALT(META)は特殊キーやマウスイベントのマッピ
ングで使用できる。
例えば、:map <M-LeftDrag> <LeftDrag>
- GUIでは、いくつかの普通のキーにマッピング等で修飾キーを付けて使用できる。そ
のようなキーは<Space>、<Tab>、<NL>、<CR>、<Esc>である。
- GUIが使われているかどうかをVim script 内で調べるには次のようにする:
if has("gui_running")
echo "yes, we have a GUI"
else
echo "Boring old console"
endif
echo "yes, we have a GUI"
else
echo "Boring old console"
endif
setting-guifont
- さまざまなシステム上で同一の vimrc ファイルを使うときは、次のようにして各
GUI に対する固有のオプションを設定することができる:
if has("gui_running")
if has("gui_gtk")
:set guifont=Luxi\ Mono\ 12
elseif has("x11")
:set guifont=*-lucidatypewriter-medium-r-normal-*-*-180-*-*-m-*-*
elseif has("gui_win32")
:set guifont=Luxi_Mono:h12:cANSI
endif
endif
if has("gui_gtk")
:set guifont=Luxi\ Mono\ 12
elseif has("x11")
:set guifont=*-lucidatypewriter-medium-r-normal-*-*-180-*-*-m-*-*
elseif has("gui_win32")
:set guifont=Luxi_Mono:h12:cANSI
endif
endif
推奨される日本語フォントは MS Mincho である。MS Mincho についての情報はここで
みつかる:
https://learn.microsoft.com/en-us/typography/font-list/ms-mincho
Windows と一緒に配布されているはずだ。
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8. シェルコマンド gui-shell
X11 GUIでは外部プログラムはgvimウィンドウの中で実行される。
gui-ptyを参照。
警告: X11 GUIで外部プログラムを実行することは常にうまく動作するとは限らない。
"ls"、"grep"、"make" のような一般的なプログラムはたいていうまく機能する。"less"
や "ispell" のように高度なターミナルを要求するプログラムはうまく機能しないだろ
う。あるものはハングさえするかもしれないし、他のターミナルからkillする必要があ
るかもしれない。だから気をつけて!
Win32 GUIでは外部プログラムは別のウィンドウで実行される。
gui-shell-win32を参照。
vim:tw=78:sw=4:ts=8:noet:ft=help:norl: