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os_haiku - Vim日本語ドキュメント

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os_haiku.txt  For Vim バージョン 9.1.  Last change: 2020 May 13


                  VIMリファレンスマニュアル    by Bram Moolenaar


                                                        Haiku
このファイルは Haiku 版の Vim 特有の事柄に関して記述されています。このファイル
で説明されていない事項について、Vim の挙動は Unix os_unix.txt 版と非常に良く
似ています。

Haiku は BeOS に触発されたオープンソースのオペレーティングシステムで、明確に
パーソナルコンピューターをターゲットとしています。

 1. 全般                        haiku-general
 2. Vim のコンパイル            haiku-compiling
 3. Haiku の GUI                haiku-gui
 4. $VIM ディレクトリ           haiku-vimdir
 5. $USER_SETTINGS_DIR ディレクトリ
                                haiku-user-settings-dir
 6. ドラッグ&ドロップ           haiku-dragndrop
 7. 複数同時起動不可と複数起動可能
                                haiku-launch
 8. フォント                    haiku-fonts
 9. Meta キー                   haiku-meta
10. マウスのキーマッピング      haiku-mouse
11. 色名                        haiku-colors
12. GUI ツールバーイメージ      haiku-toolbar-images
13. クレジット                  haiku-support-credits
14. バグと ToDo                 haiku-bugs


1. 全般                                                 haiku-general

デフォルトのシンタックスハイライトは異なる前景色のハイライトアイテムについて多
くの場合動作します。もっとも良く動作させるには暗めの背景色と明るい文字をターミ
ナルウィンドウに設定します。いくつかの中間的なグレーの背景色 (例えば
(r,g,b)=(168,168,168)) と黒の文字でもまた良く動くでしょう。


2. Vim のコンパイル                                     haiku-compiling

Vim は標準的な configure/make 手法を用いてコンパイルすることができます。
./configure を引数無しか --enable-gui=haiku で Haiku の GUI をサポートしてコン
パイルできます。./configure --help を走らせることで、あなたが他に有効/無効にで
きる機能を見付けることができるでしょう。

Haiku は端末ライブラリとして "ncurses6" を利用しており、そのため Haiku でビル
ドにあたってのコンフィグのために "ncurses6_devel" を HaikuDepot からインストー
ルする必要があります。それには ./configure コマンドに "--with-tlib=ncurses" を
追加するだけです。

"make" で Vim をコンパイルでき、次いで "install" でインストールすることができ
ます。GUI 版で追加的に GUI レスの vim バイナリもインストールされ、Haiku にシー
ムレスに統合されます。典型的なコマンドは以下:

  ./configure --prefix=`finddir B_SYSTEM_NONPACKAGED_DIRECTORY` \
    --datarootdir=`finddir B_SYSTEM_NONPACKAGED_DATA_DIRECTORY` \
    --mandir=`finddir B_SYSTEM_NONPACKAGED_DIRECTORY`/documentation/man \
    --with-tlib=ncurses
  make clean
  make install

  ./configure --prefix=`finddir B_SYSTEM_NONPACKAGED_DIRECTORY`  \
    --datarootdir=`finddir B_SYSTEM_NONPACKAGED_DATA_DIRECTORY` \
    --mandir=`finddir B_SYSTEM_NONPACKAGED_DIRECTORY`/documentation/man \
    --with-tlib=ncurses \
    --disable-gui
  make clean
  make install


3. Haiku の GUI                                         haiku-gui

通常、起動を gvim か vim -g で行うと GUI の Vim が起動します。GUI 付き版の vim
はターミナルからではなくトラッカーからの起動であるかどうかを判定しようとしま
す、そしてそうだった場合 GUI を使います。しかしながら、現在の判定スキームでは
"vim - </dev/null" を使うと失敗します。

まだ動作しないもの:

- ウィンドウ外でのマウスの Up イベントが生成されません。文字列の選択後にウィン
  ドウ外へとカーソル移動させ、マウスボタンを離すと分かります。他の方法として、
  スクロールバーをドラッグして同じ操作するというのもあります。なので Vim はあ
  なたがスクロールバーを操作しても変化しないようにしました。この回避策はウィン
  ドウがアクティブ/非アクティブが切り替るまで提供されます (そしてマウスのフォー
  カスが On になるまで適切に動作します)。
- カーソルはフラッシュされません。


4. $VIM ディレクトリ                                    haiku-vimdir

$VIM は Vim のサポートファイルを保存している場所へのシンボル名です。
$VIM のデフォルト値はコンパイル時にセットされ、次のコマンドで確認でき:

  :version

通常は /boot/common/data/vim の Haiku 移植のバージョン、
/boot/system/non-packaged/data/vim の手動ビルドの値になっています。 この値が好
ましくなく変更したいなら、環境変数 VIM に値を設定することで上書きでき、あるい
は {訳註:ヘルプファイルなら} あなたの .vimrc で 'helpfile' を設定してもできま
す: >

  :if version >= 500
  :    set helpfile=~/vim/runtime/doc/help.txt
  :    syntax on
  :endif


5. $USER_SETTINGS_DIR ディレクトリ                      haiku-user-settings-dir

$USER_SETTINGS_DIR は Haiku の設定とコンフィグファイルを保存している場所へのシ
ンボル名です。

通常は /boot/home/config/settings になっています。


6. ドラッグ&ドロップ                                    haiku-dragndrop

Vim のアイコン(ドロップするファイルのアプリケーションが Vim の"複数同時起動不
可"に設定されていなければ新しい Vim のセッションを開始します)、もしくは Vim の
ウィンドウ(ファイルの編集を始めます)にファイル(複数)もしくはディレクトリ(複数)
をドロップすることができます。フォルダをドロップした場合は Vim のカレントワー
キングディレクトリに設定します :cd :pwd。もし SHIFT キーを押しながら、ファ
イルもしくはフォルダをドロップしたなら、 Vim は最初にドロップされたアイテムが
含まれるディレクトリに {訳註:カレントワーキングディレクトリを} 変更します。Vim
を起動するときはShiftキーを押す必要はなく: Vim は、(Shift キーを押したときと)
同じように動作します。

ファイルのドロップは引数リストを設定します。 argument-list


7. 複数同時起動不可と複数起動可能                       haiku-launch

配布されている Vim のアプリケーションフラグ(ファイルタイプの設定で確認できる)
は複数起動可能に設定されています。もし望むなら代わりに複数同時起動不可をセット
することもできます。2つめの Vim のコピーが起動するとき最初の Vim でファイルを
代わりに開くよう試みます。これはトラッカーから開いたときにコマンドラインから開
くのと同じように働きます。後者のケースでは、ノンファイルな(オプション)引数はサ
ポートされません。別の複数同時起動不可での後退点は、Vim のインスタンスが GUI
サポートでコンパイルされていても非 GUI アプリケーションとして動作するとき、
"Open With ..." での要求を無言で無視してしまうことです。Vim インスタンスが GUI
ありで動作するときはこの問題はありません。

注意: GUI バージョンだけが BApplication です (そしてその為にアプリケーションフ
ラグがある)。
この章は GUI レスバージョンについては適用されず、そのようにコンパイルする必要
があります。


8. フォント                                             haiku-fonts

フォントの設定は >

  :set guifont=DejaVu_Sans_Mono/Book/12

最初の部分はフォントファミリー、次の部分はスタイル、三番目はサイズです。(フォ
ント)ファミリーとスタイルのスペースはアンダースコアに置き換えられます。

等幅フォントで最良の結果が得られます。Vim は全てのフォントについて、
B_FIXED_SPACING モードを適用しようとしますが、どうやらプロポーショナルフォント
については働かないようです(BeBook と呼ばれているにもかかわらずです)。

現在のフォントでどのエンコーディングをサポートしているか検証したいなら >

  :digraphs

コマンドを与えて、ISO Latin 1 エンコーディングでのたくさんの文字を一覧表示しま
す。もし、例えば、その中に"ボックス"文字 {訳註: 俗に言う表示できない時の豆腐文
字} があったり、もしくは最後がドット付きyではない場合は、そのエンコーディング
でこのフォントは動きません。

もし指定したフォントが無いなら、システムの固定フォントが得られます。

GUI でのフォント選択ダイアログは、次のようにして:

  :set guifont=*

コマンドを与えることで利用できます。


9. Meta キー                                            haiku-meta

META 修飾キーは左もしくは右の OPTION キーによって得られます。これは ALT(もしく
は COMMAND)キーがアプリケーションに通知されないことを意味します。


10. マウスのキーマッピング                              haiku-mouse

Vim は様々なマウスのボタンを LeftMouse、MiddleMouse そして RightMouse と呼んで
います。デフォルトのマウスの設定を使用するなら、これらの名前が実際のボタンに対
応します。Vim は次のマッピングを使用します:

    Button 1 -> LeftMouse,
    Button 2 -> RightMouse,
    Button 3 -> MiddleMouse.

もし、あなたのマウスが3ボタンより少ないなら、修飾キーとマウスの他のボタンを組
み合せてマウスクリックをマッピングすることができます。例として
$VIM/macros/swapmous.vim ファイルを見てください。       gui-mouse-mapping


11. 色名                                                haiku-colors

Vim は多数の色名を内蔵しています。追加の名前については v:colornames に定義さ
れています。詳細は :colorscheme を参照してください。

12. GUI ツールバーイメージ                              haiku-toolbar-images

ツールバー画像の代替セットは任意の高さのPNG画像でなくてなはなりません。画像幅
は1行のセルに最低32個のボタンが入るように計算されます。画像は
 $VIRUNTIME/bitmaps/builtin-tools.png という名前で保存すること。ボタンの割り当
てについての情報は builtin-tools を参照のこと。


13. クレジット                                          haiku-support-credits

多数の人の手により Haiku 版は BeOS 版をベースとして移植されました
 - BeBox GUI サポート Copyright 1998 by Olaf Seibert;
 - R4 への移植 by Richard Offer <richard@whitequeen.com> Jul 99;
 - 上記に含まれないが忘れられたわけではない多数の人の提供;
 - Haiku サポート by Siarzhuk Zharski <imker@gmx.li> Apr-Mai 2009.

すべての変更とパッチは vim-license 下で提供されます。

みんなありがとう!


14. バグと ToDo                                         haiku-bugs

この移植は開発中で完全な状態から遠く離れています。バグレポート、パッチ、そして
要望について、Vim のメーリングリストか Vim GitHub リポジトリを利用してください。

メーリングリスト: https://www.vim.org/maillist.php
Vim Github リポジトリ: https://github.com/vim/vim


 vim:tw=78:ts=8:ft=help:norl: