if_ole.txt For Vim バージョン 9.1. Last change: 2023 Nov 19
VIMリファレンスマニュアル by Paul Moore
VimへのOLEインターフェイス ole-interface
1. アクティブにする ole-activation
2. メソッド ole-methods
3. "normal" コマンド ole-normal
4. 登録 ole-registration
5. MS Visual Studioとの統合 MSVisualStudio
{Vim が +ole 機能付きでコンパイルされたときのみ利用できる。
src/if_ole.INSTALLを参照}
代わりにクライアント、サーバー型の通信を使うこともできるclientserver。
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1. アクティブにする ole-activation
Vimは、あらゆるオートメーションクライアント、例えばVisual Basic、Python、
Perlなどからアクセス可能な、OLEオートメーションサーバーとして振舞う。Vimアプリ
ケーションの "名前" (これはOLE用語で言うところの "ProgID")は、"Vim.Application"
である。
したがって、Vimのインスタンスを起動する(あるいはすでに起動しているインスタンス
に接続する)には、次のようなコードが用いられることになる:
[Visual Basic]
[Python]
[Perl]
[C#]
Vimは、他の一部のOLEサーバーがサポートしているような、"hidden" なOLEサーバーと
しての機能をサポートしていない。クライアントがVimのインスタンスを起動する場合、
そのインスタンスは即座に可視化される。単にVimインスタンスとのOLE接続を閉じるだ
けでは、Vimインスタンスを終了するに十分ではない - 明確に終了コマンド(例えば、
:qa!、:wqa)を実行する必要がある。
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2. メソッド ole-methods
Vimはクライアントに対して4つのメソッドを公開している。
ole-sendkeys
SendKeys(keys) 一連のキー操作を実行する。
このメソッドはひとつの引数、すなわちキーストロークの文字列を取る。これらのキー
ストロークは、完全にキーボードから打ち込まれたもののように実行される。スペシャ
ルキーは、マッピングの右側に書かれる、<...>形式の名前で与えることができる。
Note: Ex "normal" コマンドの実行はサポートされていない - 以下のole-normalを
見よ。
例 (Visual Basic の文法)
これらの例は、Vimがノーマルモードで始まるものと仮定している。必ずノーマルモー
ドにするには、一連のキーを次のように CTRL-\ CTRL-N で始めるとよい
CTRL-\ CTRL-N は、挿入モード、コマンドラインモードにいるとき、Vimをノーマル
モードに戻す。これらはVimコマンドの途中に入れると機能しないことに注意せよ。
ole-eval
Eval(expr) 式(expr)を実行する。
このメソッドはひとつの引数、Vim標準フォーマットの式、を取る(expressionを参
照)。戻り値は、その式を評価した結果の文字列である。リスト List は文字列に変
換される。そのとき各要素の間に改行が挿入され、連結される。
例 (Visual Basic の文法で)
ole-setforeground
SetForeground() Vimウィンドウを最前面に持ってくる。
このメソッドは引数を持たない。戻り値はない。
例 (Visual Basic の文法で)
ole-gethwnd
GetHwnd() Vimのウィンドウハンドルを得る。
このメソッドは引数を持たない。戻り値はVimウィンドウのウィンドウハンドルである。
これはVimウィンドウに対して何かの操作を行いたい時に使う。
例 (Visual Basic の文法で)
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3. "normal" コマンド ole-normal
VimがOLEオートメーションコマンドを処理する方法は、exコマンド :normal の実装と
統合されているため、OLEオートメーションから :normal コマンドを実行することは
できない。実際に実行しようとしても失敗する、たぶん害はないと思われるが、予期
しない動作をする恐れはある。
この状況をトラップする現実的な方法は今のところ存在しないため、ユーザーはこの制
限に単に気をつけるようにする他ない。
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4. 登録 ole-registration E243
VimをOLEサーバーとして動作させる前に、システムレジストリに登録する必要がある。
これを行うには、Vimをひとつの引数 "-register" で実行すればよい。
-register
OLEサーバーが登録されていないとき、OLEをサポートしたgvimを起動すると警告ダイア
ログが出る。"Yes" を選択するとレジストリに登録できる。
レジストリが書き込み可能でないときには登録はできない。もし登録できないときは
"Administrator" 権限でgvimを起動すること。
いったんVimが登録されると、アプリケーションへのパスはレジストリに保存される。
Vimを移動、削除、更新する前に、レジストリの項目を "-unregister" スイッチを使っ
て削除する必要がある。
-unregister
OLEメカニズムは、登録されたVimの内、最初に見つけたものを使用する。Vimがすでに
実行されている場合は、そのVimが使用される。OLEコマンドに影響されないで、(いく
つかの)Vimセッションを張ろうとする場合は、非OLEバージョンを違うディレクトリに
置いて使用するとよい。そして、OLEバージョンをパスに含まれないディレクトリに置
けば、"gvim" とタイプしたとき非OLEバージョンが起動するようになる。
-silent
結果を表示するメッセージボックスを表示したくないなら "-silent" を付けること。
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5. MS Visual Studio との統合 MSVisualStudio
旧来の "VisVim" 統合は Vim のパッチ 9.0.0698 にて削除された。
Vim と Visual Studio.Net を連携させる
.Net studio は外部エディタをサポートしている。次のようにするとよい:
.Net Studio でメニューから[ツール]→[外部ツール]を選択する。
次を追加する
タイトル - Vim
コマンド - c:\vim\vim63\gvim.exe
引数 - --servername VS_NET --remote-silent "+call cursor($(CurLine), $(CurCol))" $(ItemPath)
初期ディレクトリ - 空
こうしておくと .Net でファイルを開いたとき、.Net のメニューから[ツール]→[Vim]
を選べるようになる。
それを選ぶとそのファイルが Vim で開かれる。
この外部コマンドをアイコンにして好きなところに置くことができる。これをデフォル
トのエディタに設定することもできる。
もしこれをさらに改良できたら、それを留めておけるように Vim メーリングリストに
投稿していただきたい。
--servername VS_NET
この引数をつけると、VS_NET という名前で新しい Vim インスタンスを作る。そのため、
VS で複数のファイルを開いても、同じ Vim のインスタンスが使われる。これによって
複数の Vim のインスタンスを起動し、かつどのインスタンスが VS のファイルを開い
ているかを管理することができる。
--remote-silent "+call cursor(10, 27)"
- カーソルを10行27桁に移動する
より詳しくは Vim 内で
[.Net の部分は Dave Fishburn と Brian Sturk によって提供された]
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vim:tw=78:ts=8:noet:ft=help:norl:
VIMリファレンスマニュアル by Paul Moore
VimへのOLEインターフェイス ole-interface
1. アクティブにする ole-activation
2. メソッド ole-methods
3. "normal" コマンド ole-normal
4. 登録 ole-registration
5. MS Visual Studioとの統合 MSVisualStudio
{Vim が +ole 機能付きでコンパイルされたときのみ利用できる。
src/if_ole.INSTALLを参照}
代わりにクライアント、サーバー型の通信を使うこともできるclientserver。
==============================================================================
1. アクティブにする ole-activation
Vimは、あらゆるオートメーションクライアント、例えばVisual Basic、Python、
Perlなどからアクセス可能な、OLEオートメーションサーバーとして振舞う。Vimアプリ
ケーションの "名前" (これはOLE用語で言うところの "ProgID")は、"Vim.Application"
である。
したがって、Vimのインスタンスを起動する(あるいはすでに起動しているインスタンス
に接続する)には、次のようなコードが用いられることになる:
[Visual Basic]
Dim Vim As Object
Set Vim = CreateObject("Vim.Application")
Set Vim = CreateObject("Vim.Application")
[Python]
from win32com.client.dynamic import Dispatch
vim = Dispatch('Vim.Application')
vim = Dispatch('Vim.Application')
[Perl]
use Win32::OLE;
$vim = new Win32::OLE 'Vim.Application';
$vim = new Win32::OLE 'Vim.Application';
[C#]
// プロジェクトに Vim への参照を追加する。
// COM タブを選択する。
// "Vim Ole Interface 1.1 Type Library" を選択する。
Vim.Vim vimobj = new Vim.Vim();
// COM タブを選択する。
// "Vim Ole Interface 1.1 Type Library" を選択する。
Vim.Vim vimobj = new Vim.Vim();
Vimは、他の一部のOLEサーバーがサポートしているような、"hidden" なOLEサーバーと
しての機能をサポートしていない。クライアントがVimのインスタンスを起動する場合、
そのインスタンスは即座に可視化される。単にVimインスタンスとのOLE接続を閉じるだ
けでは、Vimインスタンスを終了するに十分ではない - 明確に終了コマンド(例えば、
:qa!、:wqa)を実行する必要がある。
==============================================================================
2. メソッド ole-methods
Vimはクライアントに対して4つのメソッドを公開している。
ole-sendkeys
SendKeys(keys) 一連のキー操作を実行する。
このメソッドはひとつの引数、すなわちキーストロークの文字列を取る。これらのキー
ストロークは、完全にキーボードから打ち込まれたもののように実行される。スペシャ
ルキーは、マッピングの右側に書かれる、<...>形式の名前で与えることができる。
Note: Ex "normal" コマンドの実行はサポートされていない - 以下のole-normalを
見よ。
例 (Visual Basic の文法)
Vim.SendKeys "ihello<Esc>"
Vim.SendKeys "ma1GV4jy`a"
Vim.SendKeys "ma1GV4jy`a"
これらの例は、Vimがノーマルモードで始まるものと仮定している。必ずノーマルモー
ドにするには、一連のキーを次のように CTRL-\ CTRL-N で始めるとよい
Vim.SendKeys "<C-\><C-N>ihello<Esc>"
CTRL-\ CTRL-N は、挿入モード、コマンドラインモードにいるとき、Vimをノーマル
モードに戻す。これらはVimコマンドの途中に入れると機能しないことに注意せよ。
ole-eval
Eval(expr) 式(expr)を実行する。
このメソッドはひとつの引数、Vim標準フォーマットの式、を取る(expressionを参
照)。戻り値は、その式を評価した結果の文字列である。リスト List は文字列に変
換される。そのとき各要素の間に改行が挿入され、連結される。
例 (Visual Basic の文法で)
Line20 = Vim.Eval("getline(20)")
Twelve = Vim.Eval("6 + 6") ' これが文字列であることに注意
Font = Vim.Eval("&guifont")
Twelve = Vim.Eval("6 + 6") ' これが文字列であることに注意
Font = Vim.Eval("&guifont")
ole-setforeground
SetForeground() Vimウィンドウを最前面に持ってくる。
このメソッドは引数を持たない。戻り値はない。
例 (Visual Basic の文法で)
Vim.SetForeground
ole-gethwnd
GetHwnd() Vimのウィンドウハンドルを得る。
このメソッドは引数を持たない。戻り値はVimウィンドウのウィンドウハンドルである。
これはVimウィンドウに対して何かの操作を行いたい時に使う。
例 (Visual Basic の文法で)
Vim_Hwnd = Vim.GetHwnd
==============================================================================
3. "normal" コマンド ole-normal
VimがOLEオートメーションコマンドを処理する方法は、exコマンド :normal の実装と
統合されているため、OLEオートメーションから :normal コマンドを実行することは
できない。実際に実行しようとしても失敗する、たぶん害はないと思われるが、予期
しない動作をする恐れはある。
この状況をトラップする現実的な方法は今のところ存在しないため、ユーザーはこの制
限に単に気をつけるようにする他ない。
==============================================================================
4. 登録 ole-registration E243
VimをOLEサーバーとして動作させる前に、システムレジストリに登録する必要がある。
これを行うには、Vimをひとつの引数 "-register" で実行すればよい。
-register
gvim -register
OLEサーバーが登録されていないとき、OLEをサポートしたgvimを起動すると警告ダイア
ログが出る。"Yes" を選択するとレジストリに登録できる。
レジストリが書き込み可能でないときには登録はできない。もし登録できないときは
"Administrator" 権限でgvimを起動すること。
いったんVimが登録されると、アプリケーションへのパスはレジストリに保存される。
Vimを移動、削除、更新する前に、レジストリの項目を "-unregister" スイッチを使っ
て削除する必要がある。
-unregister
gvim -unregister
OLEメカニズムは、登録されたVimの内、最初に見つけたものを使用する。Vimがすでに
実行されている場合は、そのVimが使用される。OLEコマンドに影響されないで、(いく
つかの)Vimセッションを張ろうとする場合は、非OLEバージョンを違うディレクトリに
置いて使用するとよい。そして、OLEバージョンをパスに含まれないディレクトリに置
けば、"gvim" とタイプしたとき非OLEバージョンが起動するようになる。
-silent
結果を表示するメッセージボックスを表示したくないなら "-silent" を付けること。
gvim -silent -register
gvim -silent -unregister
gvim -silent -unregister
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5. MS Visual Studio との統合 MSVisualStudio
旧来の "VisVim" 統合は Vim のパッチ 9.0.0698 にて削除された。
Vim と Visual Studio.Net を連携させる
.Net studio は外部エディタをサポートしている。次のようにするとよい:
.Net Studio でメニューから[ツール]→[外部ツール]を選択する。
次を追加する
タイトル - Vim
コマンド - c:\vim\vim63\gvim.exe
引数 - --servername VS_NET --remote-silent "+call cursor($(CurLine), $(CurCol))" $(ItemPath)
初期ディレクトリ - 空
こうしておくと .Net でファイルを開いたとき、.Net のメニューから[ツール]→[Vim]
を選べるようになる。
それを選ぶとそのファイルが Vim で開かれる。
この外部コマンドをアイコンにして好きなところに置くことができる。これをデフォル
トのエディタに設定することもできる。
もしこれをさらに改良できたら、それを留めておけるように Vim メーリングリストに
投稿していただきたい。
--servername VS_NET
この引数をつけると、VS_NET という名前で新しい Vim インスタンスを作る。そのため、
VS で複数のファイルを開いても、同じ Vim のインスタンスが使われる。これによって
複数の Vim のインスタンスを起動し、かつどのインスタンスが VS のファイルを開い
ているかを管理することができる。
--remote-silent "+call cursor(10, 27)"
- カーソルを10行27桁に移動する
より詳しくは Vim 内で
:h --remote-silent
[.Net の部分は Dave Fishburn と Brian Sturk によって提供された]
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vim:tw=78:ts=8:noet:ft=help:norl: